今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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終わった?

ただでさえ

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 「百合姫ゆりひめ様。」

 教室、廊下に生徒が溢れている。その中で1番聞こえる言葉。

 「皆様方。授業の時間ですよ。戻ってください。」
 「で、ですが・・ここで戻ってしまっては百合姫様が退学してしまいます。」
 「私は自分で言ったのにも関わらず遅れて来たのですよ。退学して当たり前です。言った人間が退学しなかったら余計反感を買ってしまいます。」
 「百合姫様っ。」

 改めて百合姫の人気はすごいと感じる。2年間2位を維持し、校長と生徒の関係を良好にして来た。私達が高女になるより百合姫様がいてくれたら、この学校は安泰でいてくれる。そんな願いが女高の生徒の無意識な願いだった。白雪しらゆきでもなくて百合姫が。


 「百合姫様っ。お願いします。残ってください。」

 「ごめんなさい。」
 百合姫は頭を下げる。
 「百合姫様っ。」

 百合姫は頭を上げた。その時、クラスのはじにいる生徒を見つけた。
 「あ、あのっそこの・・メイさんっ。」
 はじの生徒の名前?を呼ぶ。メイと呼ばれた子はびっくりしたのか驚きの表情で百合姫を見た。

 集まっていた生徒はメイと百合姫を繋ぐ道を開けた。

 「メイさんに改めて聞きます。私に退学してほしくないですか?」
 「えっ、な、なんで私に聞くんですか?」
 「私が退学しなかったら貴方の友達の茉奈まなさんが退学することになりますが、私は退学しない方がいいですか?」
 「や、やめてください。私には選べません。茉奈は大事な友達です。でも、百合姫様の方がこの学校を統制できるとも思っています。私に選ばせないでください・・」

 「そうですか・・お前を聞いても良いですか?フルネームで。」
 「えっ?」
 「お願いします。覚えておきたいんです。」
 「大心たいしんめいです。」
 「大心命さん。良い名前です。命。だからですか・・」
 「?」
 「いえ、では、私はこれで。」

 「あ、ゆ、百合姫様。ごめんなさい。」
 「貴方が自責することはありません。私が全て悪いので。」

 百合姫はバックを持ち教室から出て行った。もう彼女を止められる生徒はいない。
 百合姫に横を通り過ぎられた生徒は耳を塞ぐ。

 「どうかした?」
 他の生徒が耳を塞ぐ生徒に声をかけた。
 「最後に・・あぁ、やっぱり百合姫様がこの学校を収めるべきだった・・」


 百合姫は通り過ぎる際
 「決して、めいさんを責めてはいけませんよ。これは私の判断です」

と生徒に言っていた。











 ルビが降ってあるめいはそのままでルビが降っていない命は『いのち』と読んでもらえるとありがたいです。


 
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