383 / 512
終わった?
家族になれない者
しおりを挟む
男高に親がいるのがそもそも珍しい。葉と槇が直也の両親であると知っているとはごく僅かだろう。
「槇さんっ。」
「白斗君。態度に出して悪かった。俺も隠せるようにしないとな。そこの嫉妬深いやつと違ってな。」
「嫉妬深いって俺のこと?俺は白斗にだけだよ。他の人に嫉妬を見せたこない。」
ムッと膨れ顔になる。
「槇さんも直也も似てるよ。とっても。やっぱり親子だね。」
「あぁ。似てるな。嫉妬深いのか受け継がれてしまったな。」
軽く槇は笑う。白斗も一緒に笑った。
「お母さん?」
直也が葉を呼ぶ。ボッーっとしている葉の目の前で手を振る。
「大丈夫?」
「あっ、うん。大丈夫。」
「葉さん。」
「白斗君。巻き込んでごめんね。」
「うんん。僕は巻き込んで欲しかった・・」
「?」
「う、ううん!葉さん。槇さんは帰るみたいですけど」
「あ、槇帰るの?」
「あぁ、葉は?」
「流石に帰るよ。仕事あるしね。白斗君また来るね。」
「うん、またご飯食べよう。」
「ありがとう」
葉と槇は家を出ていく。
「あぁ~。私は除け者かぁ。まぁいいけどね~」
2階の手すりに手を置いて眺めていた委御が手をひらひらさせる。
「委御。ごめんね。」
「全然~。白白が元気になったならいいよぉ~」
「ありがとう。委御。」
委御が頬に手をついてはぁとため息をついた。
「お前が一時的に仕事を放棄したことは不問にしてやろう。もう、出るとは思うなよ。」
ここは暗闇だ。光の入らない暗闇だ。もう光を浴びることはないだろう。
でも、俺はこれでいい。俺があの人のために決めたことだ。これでいいんだ。
「槇さんっ。」
「白斗君。態度に出して悪かった。俺も隠せるようにしないとな。そこの嫉妬深いやつと違ってな。」
「嫉妬深いって俺のこと?俺は白斗にだけだよ。他の人に嫉妬を見せたこない。」
ムッと膨れ顔になる。
「槇さんも直也も似てるよ。とっても。やっぱり親子だね。」
「あぁ。似てるな。嫉妬深いのか受け継がれてしまったな。」
軽く槇は笑う。白斗も一緒に笑った。
「お母さん?」
直也が葉を呼ぶ。ボッーっとしている葉の目の前で手を振る。
「大丈夫?」
「あっ、うん。大丈夫。」
「葉さん。」
「白斗君。巻き込んでごめんね。」
「うんん。僕は巻き込んで欲しかった・・」
「?」
「う、ううん!葉さん。槇さんは帰るみたいですけど」
「あ、槇帰るの?」
「あぁ、葉は?」
「流石に帰るよ。仕事あるしね。白斗君また来るね。」
「うん、またご飯食べよう。」
「ありがとう」
葉と槇は家を出ていく。
「あぁ~。私は除け者かぁ。まぁいいけどね~」
2階の手すりに手を置いて眺めていた委御が手をひらひらさせる。
「委御。ごめんね。」
「全然~。白白が元気になったならいいよぉ~」
「ありがとう。委御。」
委御が頬に手をついてはぁとため息をついた。
「お前が一時的に仕事を放棄したことは不問にしてやろう。もう、出るとは思うなよ。」
ここは暗闇だ。光の入らない暗闇だ。もう光を浴びることはないだろう。
でも、俺はこれでいい。俺があの人のために決めたことだ。これでいいんだ。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
なんで俺の周りはイケメン高身長が多いんだ!!!!
柑橘
BL
王道詰め合わせ。
ジャンルをお確かめの上お進み下さい。
7/7以降、サブストーリー(土谷虹の隣は決まってる!!!!)を公開しました!!読んでいただけると嬉しいです!
※目線が度々変わります。
※登場人物の紹介が途中から増えるかもです。
※火曜日20:00
金曜日19:00
日曜日17:00更新
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!?
※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。
いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。
しかしまだ問題が残っていた。
その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。
果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか?
また、恋の行方は如何に。
悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる