今から君を守るのに理由が必要ですか・・？（仮）

終わった？

『家族』

　「白斗はくとは？」

　直木なおきが槇てんと葉はつを見る。
　「白斗君。」
　槇は見られている視線に緊張しながら白斗を呼ぶ。
　「槇さん・・。」
　「悪かった。」
　「へぇ？」
　「俺の勝手な嫉妬？で白斗君に嫌な思いをさせてしまった。直木も直也なおやも話せる立派な人間。話を聞けば良かった。話を聞かず一方的に家族にしようとした。2人ともすまなかった。直木には俺達なんかよりも家族がいたんだな。多分、俺は認めたくなかったんだ。直木は俺達の家族だって。もう、大丈夫。2人の言葉で聞けたから。直木は白斗君の兄なんだな。」
　「て、槇さんっ。あり、ありがとうございます。僕っ。槇さんに嫌われたかと思ってたから。でも、その理由がわからなくて。ごめんなさい。兄さん取ってしまって。」

　白斗は泣く。そんな白斗の頭を槇は撫でる。

　「いいんだ。ちゃんと直木に兄さんと呼んでくれる弟がいて良かった。」
　「白斗。俺達と少しの間過ごさないか？」
　直木が目元を少し赤くして言う。
　「兄さん・・。うんん。辞めておく。僕がいないと委御すおは腹を空かして倒れちゃいそうだから。」
　「そうか・・分かった。梓あずさ。ありがとう。」
　「うんん。直木も来てくれてありがとう。」

　梓が直木の近くに行く。

　「お父さんに2人とも元気だったよと言っておいて。後で顔出しに行くとも。」
　「分かった。」
　「兄さん！兄さんもたまには家に来てご飯食べよう。」
　「うん、来るよ。それじゃあ。帰るよ。」

　直木は廊下に出る扉の取手を掴もうとした。

　「直木。」
　葉が後ろから声をかける。直木は振り向かずになに？と聞く。
　「家族になれないとしても、私達は直木の両親なんだからね。直木を好きだって気持ちは忘れないで。」

　直木はなにも言わずに扉を開けて玄関に向かって行った。







　玄関を出た直木は少し進んで、路地に入って床にうずくまった。
　「・・くそっ・・」