今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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終わった?

誰が誰のために

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 「そういえば、病院は今年もあれをやるらしいね」
 夕飯を準備していると弘人ひろとが思い出したかのように言う。
 「あれ?」
 白斗はくとが不思議に思い聞く。
 「病院主催のお祭りのこと。病院に入院してる生徒、子供達は文化祭に参加できない。だから病院が入院してる人と混ざりたい人限定で開催されるお祭り。いつも病院は忙しくないんだけどその時期は大忙し。」
 弘人がそう説明する。
 「楽しいそう!」
 「まぁ参加したことないんだけどね。」
 「しないの?」
 「参加するには入院してる人に知り合いがいることが条件」
 「ならとも君は参加したことがあるのかもね」
 智寧ともねがもしかしてと言う。


 病院のお祭りのことを話している間。白斗は次々に机に料理を運ぶ。あずさが様子を伺って手伝いに行く。
 「ありがとう梓。」
 「白斗ばかり、ごめんね。」
 「何言ってるの?僕は嬉しいんだよ。みんな、食べようか。」
 「お、今日も相変わらず美味しいそうだな。」
 「こっちもお風呂洗ってきたよ。」
 体がほかほかしている直也なおやが戻ってきた。
 「ありがとう直也。食べてから順に入ろうか。」

 夕飯をみんなで食べる。それぞれ感想言う。それを聞いているだけで白斗はとても嬉しくなっていた。
 「白斗?」
 箸が進んでいない白斗に直也が首を傾げる。
 「なんでもないよ。ただ楽しいなぁって。男高に入ってこんなに楽しい夕飯は来ないと思ってたから。みんなに美味しいって言ってもらえるだけとっても嬉しいんだ。」
 そう白斗が嬉しそうに微笑む。
 「都瀬みやせ。迷惑だと思っていたが、とっても美味しからこそみんなで食べたいって俺は思う。ありがとう。」
 弘人が美味しいともう一度言い顔いっぱいに笑顔になる。
 「今度私にも手伝わせて欲しいです。こんなに美味しいものをいただいて食べているだけでは申し訳ないです。」
 智寧が一緒に作りましょうと言う。
 「白斗のご飯はずっと食べていたい。でも、またには私達に任せてよ。」
 梓がね?と心配そうな顔をして言う。
 「白白ー。白白のご飯はどんだけ食べてもお腹いっぱいにならないよぉ。」
 委御すおが茶碗を上にあげおかわりと吐白斗に差し出す。

 「みんな。ありがとう。」
 委御の茶碗を受け取りながらお礼を言う。

 「白斗。いつも美味しいものを作ってくれてありがとう。」

 直也が白斗から茶碗を奪いながら言う。

 「それから、おかわりぐらい自分でやれ!」
と、委御に茶碗を差し出す。
 「はいはーい」
 「俺もおかわりしよう」
 弘人が立ち上がりそう言う。
 「弘人。私にも入れてきて」
 智寧がね?っと首を傾げる。
 「ヘイヘーイ姉さんの頼みならやりますよー」
 少しめんどくさそうな声を出して2つのお椀を持って言う。
 「えー、弘人~。私のも」
 委御が叫ぶ。
 「嫌だねぇー」
べっーと弘人は舌を出す。
 「ちっ!」

 そのやりとりを見て白斗は笑い出した。

 「うん!楽しい。」


 白斗がみんなのために
 
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