今から君を守るのに理由が必要ですか・・？（仮）

真実

2人で

　「それじゃあまた。」

　家から少し歩いて父さんとは別れる。

　父さんが見えなくなるまで手を振る。ゆっくり手を下ろす。それでも尚、見えなくなった父さんの後ろ姿を探している自分がいた。



　「男高の生徒でもない貴方が夜に外出ですか・・・」

　急に耳元で後ろから声をかけられた。びっくりして叫びそうになったのを口を塞いだ。

　「ご、五碌ごろく錦にしきさん！」
　「どうも。こんばんは。」
改めて錦は手を振りながら挨拶をする。
　「錦さん・・何かよ、用ですか？」
　「いえ、ただ見かけただけですよ。いいでしょう。送っていきます。」
　「えっ、いや、大丈夫で・・」
　「生徒でもない人が1人で男高の敷地に入っていると他に知られるとこちらも迷惑なのでね。それに多少彼に嫉妬というものを味わってもらいたい」

　よくわからないことを最後に呟き、結局流されるように送ってもらうことになった。