今から君を守るのに理由が必要ですか・・？（仮）

真実

愛してる

　突然、白斗はくとに抱きつかれて固まってしまう。でも、白斗の温まりで白斗の背に手を回す。

　「愛してる」


　白斗の耳元でそう呟いた。白斗は何も言わずに肩で頷いた。









　白斗は離れてしまう。目を擦って目を合わせる。

　「父さん。また来てよ。直也なおやと一緒にご飯を食べよう。」

　そう言ってくれることに神様にでも感謝しないといけないと心から思う。

　「ありがとう。」


　もう18時を回ろうとする。

　「じゃあ、俺はそろそろ帰るよ。直也君も帰ってきてるみたいだしね。」

　立ち上がり玄関の方を見た。

　「あっ、直也・・おかえり」
　白斗の嬉しそうな表情に本当に大好きなんだなと感じた。

　「真斗まさとさん。ご飯食べていきませんか？」
　「今日はやめておくよ。」

　2人を見て首を横に振った。

　「近くまで送る。もう誰も外に出ないと思うから。それに父さんいるし」
　白斗が玄関に向かう。
　「ちょっと行ってくるね。」
　「うん。」


　


　
まだ外は明るい。父さんと2人で歩く。

　「・・・」

誰も話をしない。それでも気まずいことはなく居心地の良い隣。

　だんだんと日が落ちていくのを感じる。方向を変えれば暗い空が見える。オレンジ色、水色、黒。そんな空の色を隣にいる家族ではない。大事な人と見る。

　家族ではないけど、隣のいる人は父さんだ。ずっと、仲良く隣を歩きかった人。それが今、この学校で叶ってる。