今から君を守るのに理由が必要ですか・・？（仮）

真実

まだ終わらない説得

　白鳥しらとりは白斗はくとの手を握ったまま。白斗は白鳥を見て

　「ありがとう。白鳥。」

と。白鳥の手をギュッと握り返した。

　「それで、俺はこの家に住んでいいのか？白鳥だけがあっちに行けばいいよね？」
　夕姫ゆうひめが口を挟む。白斗が言葉を発しようとした時、白鳥が立ち上がり目で『私に任せて』と合図を出した。白斗は心配ながらも頷いた。

　「夕姫さん。隣の家に行きましょう？ここに居ては白斗と神瀬かみせ直也なおやに迷惑です。」
　「迷惑なら、神瀬直也を隣の家に住めば良くない？ここには俺と白斗様で住むから。ほら、篠秋しのあきも言っていただろ？会いたければ来ればいいと。神瀬直也も来ればいい。」
　「いえ、ここは神瀬直也の家です。白斗の家ではないのです。なので神瀬直也を隣の家にすることは出来ません。」
　「ふーん。じゃあ、いいよ。俺と白斗様が隣の家に行けば。他はここで。」

　夕姫は淡々と顔を変えずに言う。

　「夕姫さん。喜んでいたじゃないですか。白斗のお隣さんになれたこと。今更どうしたんですか？」
　「お隣さんより俺は白斗様の近くにいたい。と思っただけだ。」

　余裕そうな夕姫。少しだけ言葉に詰まっている白鳥。

　「わ、悪い。」

　ずっと聞くだけに徹していた弘人ひろとが恐る恐る話の間に入った。
　「俺と智姉は隣の家に住んでいいのと研究者と言う仕事をもらう代わりに隣の家に白鳥とゆ、桜紅さくらもみ達一緒に住むと言う条件がある。だから・・」
　
　弘人が夕姫の顔をチラッと見る。物凄い表情で弘人を見ていて弘人はそれ以上何も言えなかった。

　「だから何？お前達が仕事と家を失うことに俺は関係ない。」