今から君を守るのに理由が必要ですか・・？（仮）

真実

家の準備

　白鳥しらとりが篠秋しのあきと白斗はくとの前にカップを置いた。白い湯気が上がっている。

　「それで父さん。どうしたの？」
　「隣の家の準備が出来たことを伝えにきた。」
　「父さん自ら？」
　「悪いか？」
　「うんん。でも、なんでいるの？」
　真斗まさとをチラ見にながら聞く。
　「こいつには、家の準備をしてもらっていたんだ。七宮しちみや姉弟。夕姫ゆうひめ、梓あずさ。お礼を言え。」
　「「ありがとうございます」」
　七宮姉弟は真斗が白斗の父親だとは知らない。だから、お礼を口にした。夕姫と白鳥は口を閉ざしたまま。
　「夕姫、梓。」
　篠秋がもう一度、名前を呼ぶ。白鳥だけが、頭を下げた。夕姫は頬杖をついてずっと白斗を見ている。
　「夕姫」
　「いいですよ。2人は俺が誰か分かってるみたいなので。お礼を言いたくないのも分かります。」
　真斗が手を上げ降参と示した。夕姫がポツリ「弱っ」とこぼした。

　「夕姫。そろそろ態度を改めないと檻に戻すぞ？」
　「どうやって？俺は強いよ？」
　「梓に簡単に気絶させられたのなら簡単だろうな」

　篠秋が「どうだ？」と夕姫に笑顔を向ける。