今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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真実

いつか、いつか分かれば良い

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 直也なおやの家の明かりは24時になると同時に消えた。それでも布団の中で誰かのスマホの明かりがみんなの目を覚ます。
 「誰ですか?スマホを弄ってる馬鹿は」
 あずさが声を上げる。誰も反応しないため梓続ける。
 「白斗の目が悪くなります。消してください。」

 この家に来てから白鳥しらとりの情緒がおかしい。姉になる時間と召使、メイド、執事になる時間が短かったり長かったり、一言で言うなら不安定。

 「白鳥。大丈夫だから。スマホ使ってるの僕だし。」
 その言葉に梓が「すみません」と謝った。
 「ね、白斗。やっぱり部屋で寝よう。一緒に2人だけで寝ようよ」
 
 直也が白斗に甘えた声で言う。後ろから「きも~」と夕姫ゆうひめの声が聞こえるが直也は無視。


 「直也。こんなふうに皆んなで川の字に寝れることなんって多分ない。だから今日だけは、皆んなで寝よう。」
 白斗の言葉に直也は不満そうだが、「じゃあ明日は俺の部屋で寝てもらうから」と言い目をつぶった。
 白斗は笑って「うん。」と嬉しそうに言う。

 「・・・?」

 そのタイミングで横から手が伸び白斗の頭を触った。
 「白鳥。」
 「私はまだ神瀬かみせ直也を白斗の婚約者とは許していない。でも、白斗は幸せ?」

 白鳥のその質問に白斗はスマホを閉じた。

 「白鳥。僕はね。白鳥と兄さん・・父さんのこと大好きだよ。でもそれは家族として。直也は、僕の居場所。家族の次に住める場所。」
 「ごめんね。私にはまだわからない」
 「いつか白鳥もわかる時が来るよ。白鳥にはちゃんと大事にしたい人がいるでしょ。白鳥。今はわからなくてもわかる時が来る。」

 白鳥は頭から顔に手を動かす。白鳥の白い肌に小さくて可愛らしい顔が触れる。白鳥の顔は無意識に赤くなる。照れているのではなく愛おしいがために赤くなる。

 「私はいつになっても白斗の意味はわからない気がします。」

 白斗は手を伸ばして白鳥の目元に触れる。

 一雫白斗の指に乗った。
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