279 / 550
真実
大暴走
しおりを挟む
「夕・・・」
どっからか夕姫の名前を誰かが呼んだ。夕姫はそれを聞いた瞬間、白斗以外を全員睨んだ。
「・・・誰だ?」
低い声が夕姫の口から出た。
「俺と白斗様だけの呼び名を呼んだ人は誰だ?」
低い低い。女じゃ出せないような声。
「冗談では治らないことをした。誰だ!誰が!俺の名前を夕と呼んだ!ふざけんな!俺のことも知らないで!俺のことを知って!それでも夕と呼んでくれる白斗様を侮辱した!許さない!許さない!今すぐ!出てこい!」
夕姫が叫ぶ叫ぶ。地団駄を踏み、顔を赤くして。
「夕。」
夕姫の耳に綺麗な声が聞こえる。夕姫にとってこれは神の声、音色。夕姫だけに効く子守唄。
「だれだ・・俺のことを呼んだのは・・許さない・・俺は許さない・・」
「夕。落ち着いて。夕。聞いて。夕は最後まで聞いてない。確かに声は小さかった。でも夕。夕姫ってちゃんと姫ってついていた。夕って誰も呼んでない。だから。だから。落ち着いて。僕は・・大丈夫だから。」
「だい・・大丈夫?ってなにが?」
「ほら、僕の声はどこから聞こえる?夕の近くから聞こえるでしょう?下を見て。」
夕姫がゆっくり下を見る。白斗が夕姫に抱きついている。
「白斗様?」
「どうかした?」
「なんで、俺は・・私はソファの上にいて、なんで白斗様が私の胸にいるの?」
「夕。落ち着いた?」
「落ち着いたよ。落ち着いたから。白斗様。白斗様は私を止めたの?」
「そうだよ。そうだよ。でも、夕。少しの間、大人しくしていて欲しいな。後で後でいっぱい、僕の良いところ聞くから。だから、少しの間、寝ていて欲しい。」
夕姫の体から力が抜けた。
どっからか夕姫の名前を誰かが呼んだ。夕姫はそれを聞いた瞬間、白斗以外を全員睨んだ。
「・・・誰だ?」
低い声が夕姫の口から出た。
「俺と白斗様だけの呼び名を呼んだ人は誰だ?」
低い低い。女じゃ出せないような声。
「冗談では治らないことをした。誰だ!誰が!俺の名前を夕と呼んだ!ふざけんな!俺のことも知らないで!俺のことを知って!それでも夕と呼んでくれる白斗様を侮辱した!許さない!許さない!今すぐ!出てこい!」
夕姫が叫ぶ叫ぶ。地団駄を踏み、顔を赤くして。
「夕。」
夕姫の耳に綺麗な声が聞こえる。夕姫にとってこれは神の声、音色。夕姫だけに効く子守唄。
「だれだ・・俺のことを呼んだのは・・許さない・・俺は許さない・・」
「夕。落ち着いて。夕。聞いて。夕は最後まで聞いてない。確かに声は小さかった。でも夕。夕姫ってちゃんと姫ってついていた。夕って誰も呼んでない。だから。だから。落ち着いて。僕は・・大丈夫だから。」
「だい・・大丈夫?ってなにが?」
「ほら、僕の声はどこから聞こえる?夕の近くから聞こえるでしょう?下を見て。」
夕姫がゆっくり下を見る。白斗が夕姫に抱きついている。
「白斗様?」
「どうかした?」
「なんで、俺は・・私はソファの上にいて、なんで白斗様が私の胸にいるの?」
「夕。落ち着いた?」
「落ち着いたよ。落ち着いたから。白斗様。白斗様は私を止めたの?」
「そうだよ。そうだよ。でも、夕。少しの間、大人しくしていて欲しいな。後で後でいっぱい、僕の良いところ聞くから。だから、少しの間、寝ていて欲しい。」
夕姫の体から力が抜けた。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

なんで俺の周りはイケメン高身長が多いんだ!!!!
柑橘
BL
王道詰め合わせ。
ジャンルをお確かめの上お進み下さい。
7/7以降、サブストーリー(土谷虹の隣は決まってる!!!!)を公開しました!!読んでいただけると嬉しいです!
※目線が度々変わります。
※登場人物の紹介が途中から増えるかもです。
※火曜日20:00
金曜日19:00
日曜日17:00更新

越えられない壁で僕らの幸せは・・・
綾瑪 東暢
BL
繋家に産まれた繋 志飛(つなぎ しと)は男だった。残念なことに繋家に男は不要だった。両親は初めての子供だと言うことで志飛を女として育てることにし繋 志綾(つなぎ しあ)と名前を変えた。
繋家と違って女を不要としている要家。要家とはお隣同士の家であり両家の決まりで必ず繋家と要家の子供同士は結婚しないといけなかった。
それは伝統で昔からやって来ていること。誰も変えることの出来ない伝統。
要家の三男として要 荼泉(かなめ とい)が産まれた。
この流れで行くと荼泉と志綾は結婚することになる。が、どっちらも男。
伝統を守り、性別を隠しながら結婚するのか、伝統を破り、性別を明かして追い出されるか・・・

王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。



ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です

嫌われものの僕について…
相沢京
BL
平穏な学校生活を送っていたはずなのに、ある日突然全てが壊れていった。何が原因なのかわからなくて気がつけば存在しない扱いになっていた。
だか、ある日事態は急変する
主人公が暗いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる