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やっぱりこの学校は
女高の高女
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「俺は高女1位になるために産まれたから、産まれた時から1位。」
桜紅夕姫がそう言う。その言葉に花盛が「何を言おうとしているのですか」と話を止めようとする。それでも夕姫は止まらない。
「高女の1位は投票で決めてない。だって投票で決めてたら俺ではなくそこの百合姫だ。」
花盛の隣にいた百合姫を夕姫は見る。
「名前は可愛くて、色んな人に好かれてる。俺は生徒の前に出たことすらない。そんなやつ誰が投票する?俺は俺が死ぬまで女高の高女1位。どんなに頑張ったところで1位になるには産まれる前に戻らないといけない。俺は、産まれた時からずっと地獄にいる。それでも百合姫。1位になりたいと思う?」
俺の人生に光をくれたのは都瀬白斗様だ。俺の憧れであり、尊敬する兄。いや、弟かもな。
俺は産まれた時から地獄の底にいた。糸を垂らされても頂上に辿り着く前に糸は切られてしまう。登る前から切られてるかもしれない。頂上を、綺麗な世界を見たことがない。俺の人生は地獄だ。
桜紅夕姫の名付け親は花盛。親は女高と男高の教師。親2人は別に特別な人ではない。2人が俺を育てる選択をしなかったから俺はこの女高で育てられることになった。そこから俺は女高の高女1位。
最初こそ、口調は私だったし、可愛くしようと努力していた。名前に相応しい俺でいようと。でも、学校に通わせてくれなかった。名前だけの存在。いつしか名前さえも消えていた。
百合姫が言った『匿われている』は実質正しい。前までは別邸で軟禁されていたと言ってもいいぐらいだ。
あれは多分俺が17歳だった頃。私の前に神が現れた。都瀬白斗様。白斗様の年齢は多分、13歳の時。白斗様は篠秋と一緒に別邸に訪れた。
この俺に白斗様は言った。
「名前を聞いてもいい?」
と。俺は久しぶりの人に怖さを覚えて、白斗様から逃げてしまった。それでも白斗様は、俺のそばを離れようとしなかった。何度も、何度も俺に名前を聞く。何も言わずに数時間いたら
「桜紅夕姫?」
どこかに書いてあったのか名乗っていないのに白斗様は、私の名前を確認するかのように聞いた。静かに俺は頷いた。
「じゃあ、夕だね。そう呼んでもいい?」
嬉しかったんだと思う。俺は頷いていた。
「夕。僕は都瀬白斗。よろしくね。」
輝いていた。俺の目の前にいるこの人はとても神々しかった。俺の人生の目標であり、手を掴んでいたい存在。
白斗様に会った日から俺はこの性格になった。
一人称を変えて、態度と口調を変える。まだ、白斗様に名前を呼ばれた時の奇行はない。あれが始まったのは、白斗様が俺に会いに来てくれなくなった時から。何度も頭の中で白斗様が俺の名前を呼ぶ声を反復していた。
「夕」「夕」「夕」「夕」「夕」
だんだん俺は狂って来てしまった。
久しぶりに白斗様に会ったのは俺が18歳になった頃。名前を呼ばれるだけで俺は、発狂をしてしまうようになった。
ずっと、俺は白斗様を愛しているのです。発狂するほどに
桜紅夕姫がそう言う。その言葉に花盛が「何を言おうとしているのですか」と話を止めようとする。それでも夕姫は止まらない。
「高女の1位は投票で決めてない。だって投票で決めてたら俺ではなくそこの百合姫だ。」
花盛の隣にいた百合姫を夕姫は見る。
「名前は可愛くて、色んな人に好かれてる。俺は生徒の前に出たことすらない。そんなやつ誰が投票する?俺は俺が死ぬまで女高の高女1位。どんなに頑張ったところで1位になるには産まれる前に戻らないといけない。俺は、産まれた時からずっと地獄にいる。それでも百合姫。1位になりたいと思う?」
俺の人生に光をくれたのは都瀬白斗様だ。俺の憧れであり、尊敬する兄。いや、弟かもな。
俺は産まれた時から地獄の底にいた。糸を垂らされても頂上に辿り着く前に糸は切られてしまう。登る前から切られてるかもしれない。頂上を、綺麗な世界を見たことがない。俺の人生は地獄だ。
桜紅夕姫の名付け親は花盛。親は女高と男高の教師。親2人は別に特別な人ではない。2人が俺を育てる選択をしなかったから俺はこの女高で育てられることになった。そこから俺は女高の高女1位。
最初こそ、口調は私だったし、可愛くしようと努力していた。名前に相応しい俺でいようと。でも、学校に通わせてくれなかった。名前だけの存在。いつしか名前さえも消えていた。
百合姫が言った『匿われている』は実質正しい。前までは別邸で軟禁されていたと言ってもいいぐらいだ。
あれは多分俺が17歳だった頃。私の前に神が現れた。都瀬白斗様。白斗様の年齢は多分、13歳の時。白斗様は篠秋と一緒に別邸に訪れた。
この俺に白斗様は言った。
「名前を聞いてもいい?」
と。俺は久しぶりの人に怖さを覚えて、白斗様から逃げてしまった。それでも白斗様は、俺のそばを離れようとしなかった。何度も、何度も俺に名前を聞く。何も言わずに数時間いたら
「桜紅夕姫?」
どこかに書いてあったのか名乗っていないのに白斗様は、私の名前を確認するかのように聞いた。静かに俺は頷いた。
「じゃあ、夕だね。そう呼んでもいい?」
嬉しかったんだと思う。俺は頷いていた。
「夕。僕は都瀬白斗。よろしくね。」
輝いていた。俺の目の前にいるこの人はとても神々しかった。俺の人生の目標であり、手を掴んでいたい存在。
白斗様に会った日から俺はこの性格になった。
一人称を変えて、態度と口調を変える。まだ、白斗様に名前を呼ばれた時の奇行はない。あれが始まったのは、白斗様が俺に会いに来てくれなくなった時から。何度も頭の中で白斗様が俺の名前を呼ぶ声を反復していた。
「夕」「夕」「夕」「夕」「夕」
だんだん俺は狂って来てしまった。
久しぶりに白斗様に会ったのは俺が18歳になった頃。名前を呼ばれるだけで俺は、発狂をしてしまうようになった。
ずっと、俺は白斗様を愛しているのです。発狂するほどに
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