今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

文字の大きさ
上 下
248 / 550
やっぱりこの学校は

男高、女高の裏

しおりを挟む
 「この学校は子供を作るための学校。それは2人も知ってるよね?」
 その言葉に2人は頷く。
 「男高は『妊娠欲発剤』を飲んで子供を作れる体にする。その代償として体から襲いたくなる匂いが出る。毎日飲んでいれば免疫が出来るため、1ヶ月に1週間程度で匂いは治る。でも、薬を飲んだだけじゃ子供はできない。それは女でも同じ。ここまでは七宮しちみや君は知ってるよね?」
 「あぁ。質問をいいか?」
 「うん、いいよ。」
 「男高は退学者とかじゃなくて生徒同士がパートナーになるだろう?女高はどうして退学者なんだ?」
 「女同士で行為をしても子供は出来ない。『妊娠欲発剤』を女に使ったとて、そもそも女には子供を産める場所があるわけで必要ない。でも、産める場所があるからって女同士では出来ないから。」
 「女に『妊娠欲発剤』を飲ませると死に至ると言われています。想像してみてください。女には子供を作るための場所がある。薬を飲んでもう1つその場所を作ろうとしたら?」
 「辞めて、辞めて。」
 智寧ともねが体を抑える。身震いしていた。
 「そう言うことです。」
 「なるほど。」
 「説明を続けるね。男高で生まれた子供がどこに行くのかだけど、確か七宮君はまだ子供を作ったことなかったよね?」
 白鳥の方を見ると白鳥は頷く。
 「子供を選抜して男高に残す子供と孤児院に引き取ってもらう子供。それから産んだ生徒が男高から一時的に離れて外で暮らす子供。大抵の生徒は子供を育てたいって思っていないから。基本的には男高で育つ子と孤児院で過ごすことが多い。直也なおやは3つ目の外で暮らしていたんだよ。外で暮らすとなると色々問題が出てくるんだけど。それはまぁいいかな。追々ね。」
 「白斗様。男高の説明はそれほどにして多分七宮様達は私達の関係を知りたいんだと思います。」
 「うん、そうだね。僕はボスに買われてここに入った。」
 「私も同じようなものです。」
 「し、質問。」
 今度は智寧の方が声を出した。
 「あずさちゃんは女高の生徒じゃないの?」
 「はい。それから私は謝らないといけないことが、智寧。智寧を退学にしたのは私。大ボスから、女高に合わない生徒を選抜して欲しいと役目を貰っていました。そのため、名前、それから見た目。可愛さと美しさを持っていなかった智寧を私大ボスに報告したんです。ごめんなさい。」
 「うんん。そっか。梓ちゃんは違うのか。もしかして、私が退学になったのって。私が梓ちゃんを外に出したのも関係してる?」
 「その通りです。大ボスはもう1つ私に言いました。『貴方が外に出た場合、外に出した人間を退学にする』と。大ボスはわたしが自分から外に出るとは思っていないみたいです。」
 「・・じゃあ梓ちゃんのせいじゃないよ。私が遊びに誘ったから、自業自得だよ。気にしないで。」
 智寧は穏やかに微笑んだ。
 「智姉。」
 「ボスに買われて、僕は1ヶ月白鳥の弟になった。これはボスの実験ね。」
 「実験?」
 「そう。いい?説明して」
 「あぁ。もう終わった実験だ。」
 「白鳥には感情がない。感情がない者に歳の離れている者を与えたらどんな愛情を与えるのか。そう言う実験。」
 「・・・ごめん。分かるようで分かんないや。」
 「うんん。そうだよね。えっーと簡単に言うと『愛情の与え方』の実験かな?」
 「なるほど?」
 「まぁ、それは置いておいて。次にボスが実験したのは弟として見ていた者が急に主人、主になったらどうなるのかっていう実験で僕は白鳥の主になった。」
 「・・壮大過ぎてついて行けない」
 智寧が溢す。
 「ごめんね。白鳥はそのせいか、僕はまだ弟であり主であるらしい」
 横目で白鳥を見る。白斗を守ると言う意思表示が見えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

なんで俺の周りはイケメン高身長が多いんだ!!!!

柑橘
BL
王道詰め合わせ。 ジャンルをお確かめの上お進み下さい。 7/7以降、サブストーリー(土谷虹の隣は決まってる!!!!)を公開しました!!読んでいただけると嬉しいです! ※目線が度々変わります。 ※登場人物の紹介が途中から増えるかもです。 ※火曜日20:00  金曜日19:00  日曜日17:00更新

越えられない壁で僕らの幸せは・・・

綾瑪 東暢
BL
 繋家に産まれた繋 志飛(つなぎ しと)は男だった。残念なことに繋家に男は不要だった。両親は初めての子供だと言うことで志飛を女として育てることにし繋 志綾(つなぎ しあ)と名前を変えた。  繋家と違って女を不要としている要家。要家とはお隣同士の家であり両家の決まりで必ず繋家と要家の子供同士は結婚しないといけなかった。  それは伝統で昔からやって来ていること。誰も変えることの出来ない伝統。  要家の三男として要 荼泉(かなめ とい)が産まれた。  この流れで行くと荼泉と志綾は結婚することになる。が、どっちらも男。  伝統を守り、性別を隠しながら結婚するのか、伝統を破り、性別を明かして追い出されるか・・・

王道にはしたくないので

八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉 幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。 これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

弟が生まれて両親に売られたけど、売られた先で溺愛されました

にがり
BL
貴族の家に生まれたが、弟が生まれたことによって両親に売られた少年が、自分を溺愛している人と出会う話です

○○に求婚されたおっさん、逃げる・・

相沢京
BL
小さな町でギルドに所属していた30過ぎのおっさんのオレに王都のギルマスから招集命令が下される。 といっても、何か罪を犯したからとかではなくてオレに会いたい人がいるらしい。そいつは事情があって王都から出れないとか、特に何の用事もなかったオレは承諾して王都へと向かうのだった。 しかし、そこに待ち受けていたのは―――・・

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

処理中です...