今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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やっぱりこの学校は

桜紅夕姫

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 「はぁ、はぁ、はあぁ。」
 息遣いが荒い。桜紅さくらもみ夕姫ゆうひめ

 『私立女高等学校』の高女1位の座に座っている。高女の誇りであり、その姿は女高の生徒でさえも見たことがない。

 「ゆう
 白斗はくとのその言葉で、さっきまでの口調と表情が変わる。ただの一言で。
 「大丈夫です。大丈夫です。私は!ちゃーんと貴方様の偉さを証明できますよ。そこの下っ端なんかよりね?」
 委御すおの方をみてニヤッと口角を上げる。
 「ね!何あいつ。白白。私の方が優秀だよね?ね?」
 「はぁ。疲れた・・・。夕。早くしてくれ。これ以上、ボスのところに遅れたくない。」
 「ははぁあぁい!」
 夕は百合姫ゆりひめに近づく。百合姫は臆することなく、目を見合う。
 「2位。お前は今一度誰がボスが確認してきた方がいい。それからこれを」
 口調が『俺』と言っていた時に戻る。ポケットに入っていた何かを百合姫に渡した。
 「な!そんなことは!」
 「・・・分かったなら、潔くどいて。」
 「っ。・・・都瀬みやせ白斗はくと様。申し訳ございません。」
 悔しそうな顔。百合姫はお辞儀したものの目だけは白斗を睨んでいる。
 「夕。何を見せたの?」
 「うはぁわあぁ。」
 変な声を上げる。
 「そんなことはどうでもいい。早く行こう。」
 
 しれっと桜紅夕姫もついてくる。変な声を上げながら。

 終始、声を出さなかった3人。白鳥しらとりは単に声を出す必要がなかっただけ、弘人ひろと智寧ともねはいまいちこの状況が飲み込めていなかった。ろくな説明もなしに白斗についていく。

 白斗がある部屋につきノックをする。中から入れと聞こえた。
 「失礼します。」
 全員が入り終わり白鳥が音を立てずにドアを閉めた。
 「大人数だな。」
 ボス・・・篠秋しのあき信秋のぶあきが白斗の後ろを見て言う。
 「途中で会いました。」
 「そうか。そこに座ってくれ。」
 ソファに行くと「白斗君」と聞き覚えのある声が聞こえた。
 「はつさん、それとてんさん。」
 「待っていたよ。」
 葉はニコニコで白斗を見ている。それと違って槇は腕を組んで難しい顔をしていた。
 「白斗。」
 2人の迎え側から声がする。
 「
 白斗がそう呼ぶ。槇の眉がピクリと動いた。
 「どうだ?体調は治ったか?」
 「うん、兄さんが持ってきたで大分マシになった。」
 「本当はあの水を飲んだ方が効き目は早かったんだが」
 「あの時はしょうがないよ。兄さんの計らいで飲み口にも薬をんでしょう?」
 「災厄の可能性を考えてのこと。」
 「ありがとう。兄さん。」
 「そんな話をしている暇はない。白斗。この5人をどうする。」
 「僕は事情がよく分かってないんだけど、七宮しちみや君はどうして5階にいたの?」
 「退学になったから。」
 答えたのは葉。
 「退学になった者は花盛の所有物になる。そういう決まりがある。」
 続けたのは篠秋。
 「所有物になった者は・・・話が変わってしまった。その話はまた後でた。今は侵入者についてだ。」
 篠秋は頭を抑えながらため息をついた。
 「ボス。それも大事かもしれないけど白鳥。」
 「・・はい。」
 白鳥が返事をしそばまで来た。
 「どうしてここにいるの?」
 「・・それはですね。私が・・白斗様のお手伝いをしたくて。すみません。」
 「ボス。白鳥をここに呼んだのはボス?」
 「違う。白鳥自身の判断だ。」 
 「白鳥はどうしてここに来たの?いた方が安全なのに。」
 「私は・・・なにも出来ない私より、なにかしら白斗様の手伝いしていたいのです。」
 「白斗。それぐらいに。」
 会話を制したのは『兄さん』だ。 
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