今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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やっぱりこの学校は

エレベーター

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 「聞きたいこといっぱいあり過ぎてなにを聞いて良いのか・・・うーん。」
 「10階に着くまでに聞けるだけ聞いて良いよ。」
 七宮しちみや君はエレベーターに着いている椅子にお姉さんを座らせる。
 「じゃあ質問。神瀬かみせはどうした?」
 その質問に委御すおが笑った。「つまらない」と言いながら。
 「直也なおやは家だよ。」
 その答えに何か口にしようとしていた。僕は聞く前に続ける。
 「直也と離れる時期が早まっただけ。直也もこのことはわかってる。今は外が緊急事態だから。・・・そっか。スマホ持っていないのか。これを」
 スマホを取り出して学校から来たメールを七宮に見せる。
 「・・・そんなことが。」
 「それから七宮君はどうして、僕がこんな格好で、しかもボスとか言っていたのが気になるんでしょう?」
 「まぁ、ね。」
 「それはこれからわかる。他に質問は?」
 「この女達と知り合いなのか?」
 エレベーターに乗ってから白鳥しらとりは大人しい。少しばかりガタガタ震えている。それに反して委御は白鳥を叩きながらゲラゲラ笑っている。
 「それもこれからわかると思うよ。・・・もう8階か。お姉さん。これを飲んで。気持ち悪さと足のおぼつきが治るよ。」
 胸ポケットから薬を一粒渡す。
 「飲み物はないから唾で飲んで。」
 お姉さんは「ありがとう」と言って言った通りにした。咳き込みふぅと息を吐く。
 「弘人ひろと
 「なに?とも姉。」
 「聞いてなかったから聞きたいんだけど、どうして退学になったの?」
 「・・・ここにいる都瀬みやせ君を襲っちゃったんだ。パートナーがいるのに。それで退学になった。」
 「もう、僕も直也も許してるよ。」
 「うん・・ありがとう。」
 「弘人・・大丈夫?」
 「うん。俺が心配なのは智弘ともひろこう兄にちゃんと見といてって言っておいた。でも、俺のせいで・・・」
 「大丈夫よ。兄さんに任せとけば。それにとも君は・・私より何倍も強い。」

 2人の会話を僕は聞く。2人に言いたいことがあったが、丁度10階に着いた。

 「降りて。」
 エレベーターの『開』を押したまま4人に言う。
 何も言わずに4人は降りる。僕もそれに続いて降りた。
 「さて、さて。白白。この3人はどうするの?私達の会話聞かれちゃうよ」
 「・・・」
 3人の方を見てから。
 「この3人なら聞かれてもいい。白鳥はともかく。2人はこれからのこと言いふらしたりしないで欲しい。言いふらした場合。退学よりも重くなるから。」
 それだけ言って僕は先に歩き出した。
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