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やっぱりこの学校は
一生一緒にいるということは:5
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「直也?」
「ごめん、白斗。今、火山が爆発したような状態だから、落ち着かせて」
なんだか直也の顔が赤い。
「火山が爆発・・・」
不思議な表現をするなと感心して直也をじーっと見ていると直也が視線を逸らした。
「白斗・・・第二波が来そうだから。」
そっぽを向いてしまった。カサっと袋が擦る音がする。
「直也。買ってきてくれたの?」
そう言うと、そうだったと慌てて袋を白斗に渡した。それを持ってキッチンに行く。
「・・・どうしたのこれ」
袋中には夕飯になりそうな弁当が2つ入っていた。あと、もう1つ美味しそうなケーキがあった。
「それは白斗に俺からのお礼かな?」
「お礼?僕は直也に何もしてないよ。」
「してくれたよ。白斗。少し待ってて。着替えてくる。」
「えっ、ちょ!最後まで教えてよ。」
僕の言葉に従わず直也は2階に上がって行った。
白斗が弁当を温めていると
「やっぱり白斗はしてくれていたよ」
と言いながら近づいた。
「だから、何を?」
「掃除。綺麗になってる。俺の部屋と寝室まで。玄関とか廊下とかリビングとか。俺が家を出る前とは違った。」
「・・・それはこれを買った理由にはなんないよ・・・」
「うん、そうだね。掃除をしたって気がついたのはこれを買った後だから。」
「じゃあ、これは?」
「お母さんから、連絡があったんだ。白斗から買い物を頼まれたんだけど行けそうにないから断っちゃったんだって。直也に頼まない理由があるかもだから白斗から連絡が来るのを待って来たら白斗の好きそうなもの買ってあげて。お金は後で返すからって。」
「葉さん。」
僕はスマホを取り出した。一瞬だけ直也を見る。直也は頷いた。
迷惑だろうと思ったからメールで送る。
『葉さん・・忙しいのに頼んでごめんな
その先を送ろうとした時直也がスマホを奪った。
「直也っ」
「こう言う時はありがとうございますで良いんだよ。それとも、お母さんからは貰いたくない?」
奪ったスマホを直也が操作する。僕は首を横に振るう。
「嬉しい、貰いたい・・でも。僕にこんなにしてくれているのに僕は葉さんに何も出来ないから。借りを作りたくなくて。」
「お母さんは借りとかそんなこと思ってないよ。ただ、白斗に喜んでもらえることをしてるんだよ。白斗は素直に受け入れればいいんだよ。白斗が人に奢られるの苦手なのは知ってる。でも、俺達は断らないで。」
僕は直也の顔を見たくなくて下を向く。
「・・ありがとう。ありがとう。僕には勿体無いなぁ。」
自然と涙が溢れてしまう。直也が机に置いていた僕の手と自分の手を重ねる。僕は顔を上げて直也を見る。直也の顔が僕の顔に近づいてくる。僕は目をつぶる。
ピー、ピー
はっとして僕は目を開ける。弁当のことを忘れていた。僕は慌てて直也と離れる。
あわわ。直也が言ってたのはこう言うことか。
火山が爆発したような気持ち・・
僕の顔はきっと赤くほてっている。
「ごめん、白斗。今、火山が爆発したような状態だから、落ち着かせて」
なんだか直也の顔が赤い。
「火山が爆発・・・」
不思議な表現をするなと感心して直也をじーっと見ていると直也が視線を逸らした。
「白斗・・・第二波が来そうだから。」
そっぽを向いてしまった。カサっと袋が擦る音がする。
「直也。買ってきてくれたの?」
そう言うと、そうだったと慌てて袋を白斗に渡した。それを持ってキッチンに行く。
「・・・どうしたのこれ」
袋中には夕飯になりそうな弁当が2つ入っていた。あと、もう1つ美味しそうなケーキがあった。
「それは白斗に俺からのお礼かな?」
「お礼?僕は直也に何もしてないよ。」
「してくれたよ。白斗。少し待ってて。着替えてくる。」
「えっ、ちょ!最後まで教えてよ。」
僕の言葉に従わず直也は2階に上がって行った。
白斗が弁当を温めていると
「やっぱり白斗はしてくれていたよ」
と言いながら近づいた。
「だから、何を?」
「掃除。綺麗になってる。俺の部屋と寝室まで。玄関とか廊下とかリビングとか。俺が家を出る前とは違った。」
「・・・それはこれを買った理由にはなんないよ・・・」
「うん、そうだね。掃除をしたって気がついたのはこれを買った後だから。」
「じゃあ、これは?」
「お母さんから、連絡があったんだ。白斗から買い物を頼まれたんだけど行けそうにないから断っちゃったんだって。直也に頼まない理由があるかもだから白斗から連絡が来るのを待って来たら白斗の好きそうなもの買ってあげて。お金は後で返すからって。」
「葉さん。」
僕はスマホを取り出した。一瞬だけ直也を見る。直也は頷いた。
迷惑だろうと思ったからメールで送る。
『葉さん・・忙しいのに頼んでごめんな
その先を送ろうとした時直也がスマホを奪った。
「直也っ」
「こう言う時はありがとうございますで良いんだよ。それとも、お母さんからは貰いたくない?」
奪ったスマホを直也が操作する。僕は首を横に振るう。
「嬉しい、貰いたい・・でも。僕にこんなにしてくれているのに僕は葉さんに何も出来ないから。借りを作りたくなくて。」
「お母さんは借りとかそんなこと思ってないよ。ただ、白斗に喜んでもらえることをしてるんだよ。白斗は素直に受け入れればいいんだよ。白斗が人に奢られるの苦手なのは知ってる。でも、俺達は断らないで。」
僕は直也の顔を見たくなくて下を向く。
「・・ありがとう。ありがとう。僕には勿体無いなぁ。」
自然と涙が溢れてしまう。直也が机に置いていた僕の手と自分の手を重ねる。僕は顔を上げて直也を見る。直也の顔が僕の顔に近づいてくる。僕は目をつぶる。
ピー、ピー
はっとして僕は目を開ける。弁当のことを忘れていた。僕は慌てて直也と離れる。
あわわ。直也が言ってたのはこう言うことか。
火山が爆発したような気持ち・・
僕の顔はきっと赤くほてっている。
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