今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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やっぱりこの学校は

帰ってくる

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 「白斗はくと。大丈夫だから。」

 五碌ごろくにしき円堂えんどうそうが家を後にした後。真斗まさとは白斗に駆け寄っていた。床に座っている白斗の顔は青白くなっていた。顔面蒼白。

 「夜丘やおかは・・僕のために?別人格?違う。違う。夜丘は、夜丘は」

 「白斗。白斗。」
 「夜丘は・・どこにいるの?」
 「大丈夫。大丈夫。きっと側にいるから。白斗。」
 ギュッと、白斗を抱きしめる。それは昔叶わなかった真斗のやりたいことの一つだった。でも、こんな状態での達成は違う。

 「ごめんな。ごめんな。俺が、お前に暴力を振るって、白音と離婚したから。お前は夜瀬やせを作ったんだよな。全部。俺のせいだ。思ってること全て吐き出してくれ。」

 白斗にそう訴えかける。白斗は黙った。そして口を開けた。
 「なんで、なんで僕とお母さんに暴力を振るったの?なんで、お母さんと離婚したの?なんで、なんで会いに来てくれなかったの?なんで、男高に来たの?なんで、僕を買おうとしたの?なんで、まだ、僕を息子だと思ってるの?」

 真斗は悲しくなった。悲しくて、静かに涙を流している。抱き締めているから白斗に顔は見られない。

 真斗は一つ一つ、ちゃんと向き合おうと白斗に話し出した。
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