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やっぱりこの学校は
戯言
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真斗は混乱していた。白斗の言った言葉が頭で整理されない。
「白斗を買う?俺が?」
白斗は真斗を見る。そしてため息をつく。
「あれ?父さん。言わなかった?俺と一緒に男高を出て暮らさないか?って。あれはただの冗談だったの?」
白斗は嫌な顔をする。口角を上げて真斗を憐れむような目で見ている。
「は、白斗?」
「僕は、ボスの命令を守れなかった。だから、きっと今よりも酷い仕打ちを受ける。それはきっと僕には耐えられない。」
口角が引き攣っている。わざと、無理している。
「僕はここに残りたくない。父さん。」
「む、無理なんだ。」
「え?」
「白斗。ごめんな。俺は白斗を買ってやれない。あの時は確かに買えだけのお金を持っていただけど、ごろ・・・
「そうです。そうです。」
真斗の言葉を遮って誰かが勝手に入ってきた。手を叩きながら。
「八代真斗は私に借金を返すため稼いだお金をすべて私にくれています。なので、八代真斗に貴方を買うお金は残っていない。」
「五碌錦さん・・・。」
2人の目の前に現れたのは男高生徒会長五碌錦。
「どうやって入ったんですか?鍵は直也君が閉めていったと思いますが?」
「それは、私の可愛可愛い婚約者様が開けてくれたんですよ。ねぇ?そーくん」
「円堂君。」
「すまない」
円堂爽はそっぽを向いた。
「そう言えば、都瀬白斗君。鵺瀬夜丘君はどうしました?」
「っ、もしかして貴方が!」
「怒らないでください。私は正論を言ってあげただけですよ。『お前がいることで大事な白斗君は檻の中だ。』ね?正論でしょう?」
「そうか。だから。夜丘は」
「鵺瀬夜丘は貴方を檻から出すため、元に戻ったんですー。良かったですね。元に戻れて」
五碌錦は白斗の胸あたりをトントンと突く。
「戻れた?」
「そうです。戻れたんです。別人格なんってないただの一般人に。良かったですねー。」
「そ、そうゆう?」
「白斗!そいつの戯言には耳を貸すな」
「戯言?八代真斗。言葉には気をつけろ。俺の言葉一つでお前なんってどうとでも出来るんだからな。」
雰囲気がガラリと変わる。
「錦さん。帰りましょう?もう、夜も遅いですし。」
円堂が錦にそう言う。真斗を睨んでいた目は円堂に行く。ビックと肩が上がる。
「そーくん。帰りたい?」
片腕を握りガタガタ震える。
「か、帰りたいです・・・」
「・・・ん!じゃあ帰ろうっか。そーくん。後で」
五碌錦は自分の唇を2回人差し指で触れた。
「っ。」
顔を逸らした。五碌錦は「あー、あー。残念」と言って真斗の方を向いた。
「言葉には気をつけてね。まーさーとさん。」
「白斗を買う?俺が?」
白斗は真斗を見る。そしてため息をつく。
「あれ?父さん。言わなかった?俺と一緒に男高を出て暮らさないか?って。あれはただの冗談だったの?」
白斗は嫌な顔をする。口角を上げて真斗を憐れむような目で見ている。
「は、白斗?」
「僕は、ボスの命令を守れなかった。だから、きっと今よりも酷い仕打ちを受ける。それはきっと僕には耐えられない。」
口角が引き攣っている。わざと、無理している。
「僕はここに残りたくない。父さん。」
「む、無理なんだ。」
「え?」
「白斗。ごめんな。俺は白斗を買ってやれない。あの時は確かに買えだけのお金を持っていただけど、ごろ・・・
「そうです。そうです。」
真斗の言葉を遮って誰かが勝手に入ってきた。手を叩きながら。
「八代真斗は私に借金を返すため稼いだお金をすべて私にくれています。なので、八代真斗に貴方を買うお金は残っていない。」
「五碌錦さん・・・。」
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「どうやって入ったんですか?鍵は直也君が閉めていったと思いますが?」
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「っ、もしかして貴方が!」
「怒らないでください。私は正論を言ってあげただけですよ。『お前がいることで大事な白斗君は檻の中だ。』ね?正論でしょう?」
「そうか。だから。夜丘は」
「鵺瀬夜丘は貴方を檻から出すため、元に戻ったんですー。良かったですね。元に戻れて」
五碌錦は白斗の胸あたりをトントンと突く。
「戻れた?」
「そうです。戻れたんです。別人格なんってないただの一般人に。良かったですねー。」
「そ、そうゆう?」
「白斗!そいつの戯言には耳を貸すな」
「戯言?八代真斗。言葉には気をつけろ。俺の言葉一つでお前なんってどうとでも出来るんだからな。」
雰囲気がガラリと変わる。
「錦さん。帰りましょう?もう、夜も遅いですし。」
円堂が錦にそう言う。真斗を睨んでいた目は円堂に行く。ビックと肩が上がる。
「そーくん。帰りたい?」
片腕を握りガタガタ震える。
「か、帰りたいです・・・」
「・・・ん!じゃあ帰ろうっか。そーくん。後で」
五碌錦は自分の唇を2回人差し指で触れた。
「っ。」
顔を逸らした。五碌錦は「あー、あー。残念」と言って真斗の方を向いた。
「言葉には気をつけてね。まーさーとさん。」
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