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やっぱりこの学校は
悪いのは
しおりを挟む静まり返った部屋に響くのは私の啜り泣く音だけだった。そよ風が吹き柔らかく私の心を解す。
カーテンがゆらゆらとゆらめき光沢があるように陽の光で輝いている。そんな気持ちの良い朝だった。
「帰りたい…」
思わず呟いてしまった。混乱している。落ち着きたい、戻りたい。苦しい。
「そうだよね」
そう言うと優しく頭を撫でてくれる。その手は少し震えていた。
こんな姿を見せたかったわけじゃなかった。見ないで欲しい。何故か心の真ん中にその思いがあった。後悔なんかしてないはずなのに何故かその思いが邪魔してパニックになり、涙が止まらないとは言えない。何故なら私は幸せなんだ。好きな人と未来で結ばれたんだ。
「みみ、きっと記憶錯誤になって混乱してるかもしれない。だから、少し横になっておいで」
「煩い、煩い煩い…!」
気が付くと耳を塞いでいた。助けて欲しい、喉が干枯らびる程乾いたように必死に求める。不安から解放して欲しいと願う。そんな時だった、視界が反転し息が出来なくなった。するとあの事故の当日のことがフラッシュバックで鮮明に甦る。飛び出した直後女の人の悲鳴とともに聞こえたのは楓先輩の声。
その後の記憶はほとんど無かった。
目が覚めるとそこは病院だった。
「えっ…」
確か私は今の今まであの憎たらしい男の妻として、その家に居たはず。それなのに視界が開けた先に見えるのはただ真っ白な天井。そして、カーテンが開けてあり風が差し込んでいる。視界では確認できないが少し網戸を空けているようだ。
カーテンがゆらゆらとゆらめき光沢があるように陽の光で輝いている。そんな気持ちの良い朝だった。
「帰りたい…」
思わず呟いてしまった。混乱している。落ち着きたい、戻りたい。苦しい。
「そうだよね」
そう言うと優しく頭を撫でてくれる。その手は少し震えていた。
こんな姿を見せたかったわけじゃなかった。見ないで欲しい。何故か心の真ん中にその思いがあった。後悔なんかしてないはずなのに何故かその思いが邪魔してパニックになり、涙が止まらないとは言えない。何故なら私は幸せなんだ。好きな人と未来で結ばれたんだ。
「みみ、きっと記憶錯誤になって混乱してるかもしれない。だから、少し横になっておいで」
「煩い、煩い煩い…!」
気が付くと耳を塞いでいた。助けて欲しい、喉が干枯らびる程乾いたように必死に求める。不安から解放して欲しいと願う。そんな時だった、視界が反転し息が出来なくなった。するとあの事故の当日のことがフラッシュバックで鮮明に甦る。飛び出した直後女の人の悲鳴とともに聞こえたのは楓先輩の声。
その後の記憶はほとんど無かった。
目が覚めるとそこは病院だった。
「えっ…」
確か私は今の今まであの憎たらしい男の妻として、その家に居たはず。それなのに視界が開けた先に見えるのはただ真っ白な天井。そして、カーテンが開けてあり風が差し込んでいる。視界では確認できないが少し網戸を空けているようだ。
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