今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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やっぱりこの学校は

番外編:4

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 今日は3月14日。ホワイトデーともう一つ大事な日。
 直也なおやは何食わぬ顔で、学校に行った。それと入れ替わりのタイミングではつてんが家に来た。
 「おはよう!白斗はくと君!」
 「元気だね。葉さん、相変わらず。」
 「みんなが辛気臭い顔してたら直也が喜んでくれないでしょう。」
 「そうだな。葉さんありがとう。」
 「白斗君。これ。頼まれてたやつね。」

 槇から紙袋を貰う。
 
 「ありがとう。槇さん。」

 「真斗まさとはこれから?」
 「葉さん。今日は平日だよ。」
 「仕事か。あれでも先生だもんね。」
 「うん。」






 「白斗~。」
 夕方になり、真斗が家に入ってきた。
 「あれ?真斗。あんた鍵持っていたの?」
 「ん?白斗にもらった。」
 「白斗君。」
 葉がなるほどねと腰に手を置いた。
 「・・・こんな豪華にやる?」
 「・・僕がやりたいんだ。」



 もう夜も近い。すると鍵を開けようとする音が聞こえた。でも、上手くいかなかったのかドアを開ける。
 「あれ?鍵かけ忘れた?」
 独り言を呟いた。
 「てか、くらっ!白斗?」
 何も知らない直也はリビングに歩いてくる。扉を開けた瞬間、直也に向かってクラッカーが四つ鳴った。
 「「直也(君)」」


 今日は直也の誕生日だった。


 「え、えっ」
 「あっ!ありがとう。円堂えんどう君。直也を引き止めてくれて。一緒に食べて行かない?」

 外で中の様子を見ていた円堂えんどうそうに白斗は気がついた。

 「俺は大丈夫。怖い人いるから。それじゃあ。直也。誕生日おめでとう。」

 「ありがとう。」

 「白斗も、お母さんもお父さんも・・・ついでに真斗さんも。」
 
 真斗はうんうんと頷いて直也の頭を撫でた。直也は真斗の手を払う。

 「直也。これ、誕生日プレゼント。」
 「これって」
 「うん!

 綺麗に包まれているものは白斗がショッピングモールに行った時白斗が買っていたもの。

 「お金は?」
 確かにあの時直也はお金を出していなかった。
 「葉さんが・・」
 「違うでしょう。白斗君がお金を稼いで直也のプレゼントを買いたいって言ったから、私がバイトとして、私たちの家の掃除を任せていたの。1時間千円でね。」
 「白斗・・・」

 直也は白斗を抱きしめた。

 「今日が1番の誕生日だよ!ありがとう。」


 「私達も男高に入ってから直也に誕生日会なんってしてあげられなかったから。白斗君が男高にきてくれてありがとう。」
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