今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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やっぱりこの学校は

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 「白斗はくと。」
 真斗まさとはつが廊下でしゃべっている。直也なおやは先に白斗の元に戻った。
 戻ると白斗はソファでムスッと座っていた。申し訳ない感を出して優しく声をかける。
 「白斗さん。あの。」
 「僕だけ除け者にして。」
 もう一度ムスッと顔を作る。直也は顔を隠していた。
 「かっ!」
 「か?」
 「白斗。ごめんね。白斗のことお母さんは守ろうとしてるんだ。それは・・
 「分かってるよ。」
 直也の言葉を遮って白斗が言う。「でも」と直也の方を見る。
 「・・・」
 「は、白斗・・な、何かな~」
 じっーと見るだけで何も言わない。
 「直也は自分勝手だよね。」
 「なっ!」
 「僕に対して自分勝手だよ。」
 「・・・」
 「僕は、ただ・・直也は直也のために自分勝手になるべきだよ。僕に対してじゃなくて」
 「・・・」
 話を聞いている直也の顔は笑顔だった。ニコニコして嬉しそうだった。
 「・・なんでそんな嬉しそうなの。」
 「あぁ、ごめん。顔に出てた。白斗が俺のこと見ててくれたのが嬉しいんだよ。見ててくれていたことがね。白斗。ありがとう。」
 「な、なんだよ急に。」
 直也に抱きつかれた。ギュッと抱きしめられた時白斗は思った。

 (これは一緒、直也から離れられない気がする)

と。












 「あらやだ~いちゃっいてるの。」
 すると葉が入ってきた。葉の表情はどこか寂しそうだった。
 「葉さん?」
 「ん?白斗君。もう大丈夫?」
 「うん。直也と父さんと葉さんがいてくれたからもう大丈夫。」
 ちょうど真斗がリビングに入ってきた。
 「白斗。今からでも俺と来ないかい?」
 「父さん。学校にいる限り会えるから。父さんは仕事頑張って。あの時のように失わないでね。」
 「そう、だな。あぁ。そうだ。分かった。もうあの頃の俺じゃないってお前に証明しないとな。」
 白斗が頷く。今までで一番の笑顔だ。

 真斗が白斗に近づいて頭を撫でる。少し乱暴に。


 理想の親子の図

 白斗が夢を見ていた図

 真斗がやりたかった図

 そこに白音しろねはいない。

 それでも幸せな図
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