上 下
157 / 497
最後の選択

可愛くない

しおりを挟む
 俺自身、これからどうなるのか全く検討がつかない。契約書の意味が分からない。
 
 契約書を抜粋して大事なところだけ言うと

 一、七宮しちみや弘人ひろとに何があろうと女高は一切の責任を取らないものとする。

 二、七宮弘人の今後の生活は女高校長花盛に一任する。

 三、女高の者に逆らってはいけない。

 紙には30以上のことが書かれていた。最後に
 『貴方はこれから女に食われていただきます。』
 と書いてあった。 


 花盛さなざかり校長について行くのは抵抗がある。だが、ここに来てしまった以上逃げる選択もできない。ここに来たのは俺が退学になったせい。俺に拒否権は本当にない。


 花盛校長と俺は部屋から出て廊下に出た。出た瞬間、俺は「うわっ!」と叫んでしまった。ドアの横にもういないと思っていた、ここまで案内した女が立っていた。確か・・花盛に百合姫ゆりひめと呼ばれていた。

 「お疲れ様です。七宮弘人様。」
 「百合姫さん。もう様は不要ですよ。我々のおもちゃになった方ですから。これでやっとあの子も大人しくなります。」 
 「そうでしたか・・お名前?」
 「うーん・・・百合姫さん何か案はありますか?」
 「七番なんってどうですか?昔に名前をつけるのか面倒くさくて数でつけていた話もありますし、今は六番までしかいませんから。」
 百合姫の言葉に花盛が手を叩いた。
 「さすが百合姫さん。七宮・・七番とこれから彼をお呼びしましょう。」

 俺を置いてどんどん会話が進む。

 おもちゃ?

 あの子?

 七番?

 六番?

 「・・お話中申し訳ございません。花盛校長。あの子が起きてしまいました。」
 そこに男ぽい女の子が来て頭を下げた。
 「はぁ。百合姫さん。私は先に行くので七番を案内してあげてください。行きましょう。桜姫川さくらひめがわさん。」

 男ぽい女の子と一緒に花盛は俺の前からいなくなった。

 「では七番行きましょう。この建物を案内します。」

 百合姫の後をついて行く。離しながら。やっぱり男が誰もいなく目立つ。すれ違う女達はみんな鼻をつまんで嫌そうな顔をする。

 「あぁ。私の服に汚物がついた。」
 すれ違いざまにぶつかってしまった女が床に座って嘆く。百合姫がハンカチを取り出して「はい。汚物は全てこのハンカチが取ってくれました。もう綺麗ですよ。はやさん。・・・林?」
 「ちょと早く立って、女高の4人高女こうじょ様だよ。」
 床に座った友達なのか、女を立たせる。
 「4人高女?」
 「知らないの!?とりあえず。すみませんでした。」
 「す、すませんでした。」
 「林・・」 
 百合姫は『林』と呟く。
 「あ、あの。」
 女の友達が申し訳なさそうに百合姫を見る。
 「貴方、林って苗字よね?」
 「は、はい」
 「可愛くない。可愛くない。美しくない。美しくない。貴方女高の生徒に相応しくない。私の前から消えて。林友奈ともな・・名前もそこまでね。後で花盛校長に報告しないと。」
 目の前の女達は百合姫に怯えてる。百合姫はクルッと回って俺に「行きましょう」と行った。 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

処理中です...