今から君を守るのに理由が必要ですか・・？（仮）

最後の選択

一方その頃

　家にいなかった槇てんは校長室にいた。
　「校長先生。すみません。事情を知らない葉はつが・・
　頭を下げている。槇の目の前には睨むような目つきで足を組んでいる篠秋しのあき信秋のぶあきがいる。
　「事情を知らないなら。伝えればよかったものを。はぁ。お前達は常々俺のやる事に反抗してくるなぁ。鬱陶しい。直也なおやをお前達の元に残すのは良い選択ではなかったなあ。直木なおきのように渡して貰えば良かった。」
　「っ。」
　「・・・はぁ。入って来なさい。」
　ドアに向かってそう言う。扉が開いて身長の高い男が入って来た。
　「・・・槇研究員。」
　男は頭を下げている槇の近くにやってくる。槇は恐る恐る顔を上げる。
　「・・・な、直木？」
　「なんでしょうか？」
　「直木なんだな？！」
　「そうですが何か？」
　「良かった。無事だったんだな。」
　「ワタシとどう言うご関係なのですか？ワタシのことをご存知のようですが」
　「あっ・・まぁ、そうか。そうだよな。嫌、なんでもないさ。俺はお前が元気そうで良かったよ。」
　「良く分かりませんが、ありがとうございます？」

　首を傾げながら槇を見る。

　「直木。お前をここに呼んだのはお前にやってもらいたいことがあるからだ。」
　校長が直木を見る。
　「なんでしょうか？ボス。」
　「都瀬みやせ白斗はくとと言う人物にお前の人生を賭けて作った薬を飲ませろ。ただし、お前が直木だとは言ってはならない。」
　「ボスが言っているのは『超超超強力発情誘発薬』？ですか？」
　「それがお前の最高傑作か？」
　「いえ。ワタシの最高傑作は『超✖︎20強力発情誘発剤』です。」
　「だろうな。」
　「名前だけだと分からないので都瀬白斗の資料をください。」
　「用意しておこう。」
　「ありがとうございます。ではワタシはこれで槇研究員。あまり好きに動き過ぎるものじゃないですよ。」
　頭を下げて直木は出て行った。

　「お前はもう出て行け。無能が。」
　「はい・・・失礼します。」