今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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最後の選択

どこか楽しそう

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 家にいる全員が黙り込んでしまった。
 はつ白斗はくとから離れた元の場所に座る。その場の空気に気まずさを感じてしまう。
 
 ギュッと白斗は裾を握った。

 「ぼ、僕はっ・・・

 白斗が何かを言おうとした時、インターホンが鳴った。タイミングが悪い。白斗は言えなかった恥ずかしさで、「出てくる」と言って玄関に向かって行ってしまった。



 玄関に行った白斗が戻って来ない。直也なおやが立ち上がった。
 「見てくる。」
 簡単にそう言って玄関に向かって行った。すると、玄関から直也の怒鳴り声が聞こえて来た。
 「どうしてここに来た!」

 葉と真斗まさとは見合ってから、急いで玄関に行く。

 「何があった・・・の?」
 
 質問する前に葉は理解した。

 「七宮しちみや弘人ひろと君・・・」
 「お前っ謹慎中じゃなかったのかよ。」
 「神瀬かみせっ俺は退学になった。最後に2人に謝りに・・
 「謝りに来たって?最後まで会いにくるなよ!」
 胸倉を掴む勢いで怒鳴る。
 「な、直也。」
 白斗が直也の服を引っ張る。
 「白斗も白斗だよ。どうしてこいつと喋ってる。」


 直也が白斗の様子を見に行った時、白斗は弘人と世間話をしていた。
 「あっ、直也。七宮君が謝りに・・
 「どうしてここに来た!」
 いきなり直也が白斗の前に出て怒鳴ったのだった。


 「七宮君。謝りに来てくれてありがとう。」
 直也の言うことを無視して弘人と喋る。直也は横で「白斗」と言っている。


 「葉さん。どう言う状況?」 
 「あぁ、真斗はいなかったからね。簡単に言うと七宮、あの男の子が直也より先に白斗君を強姦したってこと。あっ、意味違うかな?まぁ、でも簡単に言うとそう言うこと。」
 「そりゃああなるわな。」
 「あら?真斗は以外と怒らないのね。大好きな白斗が襲われたのよ?」
 「俺は別に。白斗は家族だから。白斗を近くに置いておきたいだけ。どんな姿であってもね。」
 「それって死体でもってこと?」
 「そうだな。」
 軽く笑う。
 「怖いわよ。」
 「俺よりあっちの方が怖いけどな。あいつの目は監禁でもしようとする目だ。まぁ、この生活自体白斗にとって軟禁だがな。」
 
 「そうね」と腕を組みながら葉は答える。

 目の前の3人はどこか本気で言い争いをしているようには見えなかった。

 「楽しそうね。」

 「そうだな。」

 今の白斗は笑ってる。男高に来て久しぶりに見る可愛い笑顔だ。
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