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最後の選択
過ち
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白斗が選んだのは薬を飲むことだった。明日は直也と真剣に話し合うから、発情はない方がいいとも考えた結果。
「どこか痛いとかない?」
槇さんが心配そうな目で白斗を見る。
「はい。どこも痛いはないかな。・・・本当のことを言った方が後々良いんじゃないか?や、夜丘。隠すと、余計2人を・・・3人を心配させてしまう。僕が代わりに言ってあげようか?・・・うんん。大丈夫。僕がちゃんと言うから。槇さん。痛みはないけど、足が痺れる感覚があって」
そう言って槇を見ると腕で目を擦っていた。
「槇さん?」
「あ、いや。ごめんな。白斗君がちゃんと体調不良を俺達に言ってくれるか試したんだ。言ってくれたことが俺は嬉しくて。」
「そんなっ、僕は夜丘に諭されただけで、夜丘に諭されていなかったら黙っていたから。僕のほうこそ謝らないと。」
槇は白斗にこれをと薬を渡した。
「これは足の痺れがとれる薬。それとこれが本命ね。」
白斗は1粒ずつ薬を飲んだ。
「今度はどう?治った?それともまたどこか痛いところある?」
「う、ううん。大丈夫。体が軽い。」
あからさまに槇はほっと息を吐いた。
「都瀬君は」
「白斗でいいよ。」
「白斗君、さっきからや、夜丘?って誰?」
槇と白斗の会話を聞いていて円堂爽だけがついていけてなかった。
「夜丘は・・・なんって言った方がいいのかな?円堂君は鵺瀬夜丘って知ってる?小説読んでいるのなら多分わかる。」
爽は考え込む。
「小説家の」
「うん。」
「それと何が関係あるの?」
「僕の別人格。夜丘。挨拶する?うん。初めまして鵺瀬夜丘。円堂爽。よろしく。」
「はああ。信じるしかないじゃん。夜丘君。よろしく。」
「3人とも。文化祭楽しんできな。」
葉が声を大きくして言った。
3人は家を出た。家には槇と葉だけが残った。
「槇。あの薬って。」
「・・・・あれは、欲発促進剤。」
「どうして!あれは、白斗君にはダメなのに」
「校長先生の命令。白斗君に早く子供を産ませろと。文化祭でなら男がうじゃうじゃいるから一斉にやれば孕むだろうって。殴りかかってやりたかった。でも、やらなかったら直也と葉を男高から追放するって。すまない。すまない。俺はっ。
白斗君を裏切った。」
「どこか痛いとかない?」
槇さんが心配そうな目で白斗を見る。
「はい。どこも痛いはないかな。・・・本当のことを言った方が後々良いんじゃないか?や、夜丘。隠すと、余計2人を・・・3人を心配させてしまう。僕が代わりに言ってあげようか?・・・うんん。大丈夫。僕がちゃんと言うから。槇さん。痛みはないけど、足が痺れる感覚があって」
そう言って槇を見ると腕で目を擦っていた。
「槇さん?」
「あ、いや。ごめんな。白斗君がちゃんと体調不良を俺達に言ってくれるか試したんだ。言ってくれたことが俺は嬉しくて。」
「そんなっ、僕は夜丘に諭されただけで、夜丘に諭されていなかったら黙っていたから。僕のほうこそ謝らないと。」
槇は白斗にこれをと薬を渡した。
「これは足の痺れがとれる薬。それとこれが本命ね。」
白斗は1粒ずつ薬を飲んだ。
「今度はどう?治った?それともまたどこか痛いところある?」
「う、ううん。大丈夫。体が軽い。」
あからさまに槇はほっと息を吐いた。
「都瀬君は」
「白斗でいいよ。」
「白斗君、さっきからや、夜丘?って誰?」
槇と白斗の会話を聞いていて円堂爽だけがついていけてなかった。
「夜丘は・・・なんって言った方がいいのかな?円堂君は鵺瀬夜丘って知ってる?小説読んでいるのなら多分わかる。」
爽は考え込む。
「小説家の」
「うん。」
「それと何が関係あるの?」
「僕の別人格。夜丘。挨拶する?うん。初めまして鵺瀬夜丘。円堂爽。よろしく。」
「はああ。信じるしかないじゃん。夜丘君。よろしく。」
「3人とも。文化祭楽しんできな。」
葉が声を大きくして言った。
3人は家を出た。家には槇と葉だけが残った。
「槇。あの薬って。」
「・・・・あれは、欲発促進剤。」
「どうして!あれは、白斗君にはダメなのに」
「校長先生の命令。白斗君に早く子供を産ませろと。文化祭でなら男がうじゃうじゃいるから一斉にやれば孕むだろうって。殴りかかってやりたかった。でも、やらなかったら直也と葉を男高から追放するって。すまない。すまない。俺はっ。
白斗君を裏切った。」
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