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最後の選択
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「ごめんなさい。関係ない話を持ち込んでしまって。神瀬君、都瀬君。本当に弟がごめんなさい。弘人のことは退学にしてもらうよう言うから。無かったことにっていうのは無理かもしれないけど、智弘とも仲良くしてあげて。」
最後に頭を下げる。
「先生は何もしてないんだから、頭を下げなくていいんです。」
直也が言う。隣でその言葉に白斗は頷いた。
ゆっくり頭を上げて、頬を緩ます。
「そう言ってくれるだけで肩の荷がおりるよ。ありがとう。神瀬君」
「話がてんてんと変わってるから戻させてもらうよ。」
そう冷たい声で弥生が言う。
「ヤヨちゃん・・・なんとかならないの?」
「コウ。生徒に甘いからよく他の先生に陰口を言われるんだ。それが分かっていないのなら、弘人と一緒にこの学校からの出て行くことをお勧めするよ。」
「そんなこと弥生さんに言われる筋合いないですよ。」
「はぁ。取り敢えず、戻すよ。コウが話の間に入って悪かったね。それで、『多数番計画』に賛同してくれるってことでいいのかな?」
「直也・・・」
白斗が直也を見る。直也は見られていることに気がつくが白斗を見ることはしなかった。
「俺は・・・したくはないです。」
「『したくはない』ってことはしてもいいってことかな?」
「ヤヨちゃん!」
「考える時間は」
「十分にあげたはずだよ。」
直也は焦ってる。焦って結論を出そうとしている。
「もう少しだけ待ってくれませんか?」
直也を見ていた白斗が弥生にゆっくりと視線を移して聞く。
「だからさ。言ったはずだよ。」
「2人には考える時間をあげた。それがどう言う意味かわかる?学年主席の頭で考えてみて。」
「・・・・」
静かに直也は考える。
「なにか・・・なにか条件があったんですか?」
そう答えると弥生は満足そうにため息をついた。
「校長・・・祖父にもう少し時間をくださいと言う度に1人。『多数番計画』を反対するとまた1人。君達にどれだけの人が犠牲になったと思う?」
「えっ」
体がゾワッとした。
「もう待ちくたびれた。」
予想にない唐突な言葉。
最後に頭を下げる。
「先生は何もしてないんだから、頭を下げなくていいんです。」
直也が言う。隣でその言葉に白斗は頷いた。
ゆっくり頭を上げて、頬を緩ます。
「そう言ってくれるだけで肩の荷がおりるよ。ありがとう。神瀬君」
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そう冷たい声で弥生が言う。
「ヤヨちゃん・・・なんとかならないの?」
「コウ。生徒に甘いからよく他の先生に陰口を言われるんだ。それが分かっていないのなら、弘人と一緒にこの学校からの出て行くことをお勧めするよ。」
「そんなこと弥生さんに言われる筋合いないですよ。」
「はぁ。取り敢えず、戻すよ。コウが話の間に入って悪かったね。それで、『多数番計画』に賛同してくれるってことでいいのかな?」
「直也・・・」
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「俺は・・・したくはないです。」
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「もう少しだけ待ってくれませんか?」
直也を見ていた白斗が弥生にゆっくりと視線を移して聞く。
「だからさ。言ったはずだよ。」
「2人には考える時間をあげた。それがどう言う意味かわかる?学年主席の頭で考えてみて。」
「・・・・」
静かに直也は考える。
「なにか・・・なにか条件があったんですか?」
そう答えると弥生は満足そうにため息をついた。
「校長・・・祖父にもう少し時間をくださいと言う度に1人。『多数番計画』を反対するとまた1人。君達にどれだけの人が犠牲になったと思う?」
「えっ」
体がゾワッとした。
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予想にない唐突な言葉。
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