今から君を守るのに理由が必要ですか・・？（仮）

君のために

誰？

　白斗はくとの部屋に行く。極力足を音は立てずに。
　白斗の部屋をノックせずに優しく開ける。音を立てていないからか、気づいていない。
　
　「白斗」と声を出しそうになるのを止めて白斗を見る。

　白斗は机に向かってないかをやっている。何もない机のはずなのに、白斗の背であまり見えないが、パソコンでもいじっているみたいだ。
　

　「白斗・・・」
　話しかけたくて、声をかけてしまった。その途端白斗は慌てた様子でふりかえり後ろで机に優しく触れた。
　「お前は誰だ？」
　振り向いた白斗の口からはそうな言葉が出た。俺は「は？」と溢してしまった。
　「白斗？どうしたの？」
　「・・そう言うことか・・・白斗のか・・・後で怒られそう。」
　どこか白斗のじゃない喋り方でも、体も声も全て白斗。口調が違う。
　「白斗だよね？」
　「白斗ではある。」
　まだ落ち着けない俺は白斗に近づく。
　「白斗は」
　俺はピタッと足が止まる。白斗は自分のことを「白斗」とは言わない。
　「お前が思っている白斗はまだ寝ている。」
　「じゃあお前は誰だ？」
　「・・ 鵺瀬やせ　 夜丘やおか。」

　どこかで聞いたことがある。でも、どこだっけ？