55 / 550
君のために
話し合い
しおりを挟む
今日は日曜日。朝から直也の視線が痛い。
「直也?」
「?」
「なんでもない」
見てくるくせになにも分かってない返事の仕方に僕は耐えることにした。
視線はお昼過ぎになっても何かするごとに視線を送ってくる。
そろそろ耐えきれなくなり
「直也。視線が痛い。なに?」
「え、俺、そんなに見てた?」
「見てた。」
「ごめん。」
「何かあるの?」
「う、ううん。ないよ・・・」
絶対何かあるのに直也は口にしない。僕はなにも聞けずにまた直也の視線に耐えた。
一日中、直也の視線に耐えながら、日曜日を終えそうになっていた。
「白斗。話がある。」
夕飯を作っているとキッチンに来て真面目な顔した直也が言う。手を拭いて「ソファ行こう」と直也の手を引っ張った。
「白斗・・・」
「直也。」
僕は恥ずかしさを我慢して下を向いている直也の顔を上げて自分と目を合わさせる。
「直也。言いたくないなら無理に話さなくて良いんだよ。無理してまで聞きたいとは思ってないからさ。そりゃあ、あんなに視線を喰らってたら気になっちゃうけど、直也が無理してるなら話さなくて良い。」
頬に触れている僕の手の上に直也は手を重ねる。
「無理はしてない。いつ切り出して良いのか、言って良いのか分からない。俺はどこまで白斗を頼って良いの?」
「・・・・頼って欲しいのは事実だよ。でも、僕は頼られるほどの人間じゃないし、頼られたとしても返せる自信がない。直也は僕に話したい?」
「話したいよ。白斗に言いたい。でも・・・」
「直也!」
僕は声を上げた。直也はビックっと肩を上げる。
「直也のバカ!話したいなら、でもって言わないで話してよ!どんな話か大体話はわかる。でも、僕が言うのは違う。直也の言葉で、直也自身から聞きたい。話してよ・・」
直也の頬から手を離す。僕は下を向く。直也が僕の前髪を上に上げておでこにキスをした。理解が出来なくて顔を上げる。
「白斗を悲しませちゃったね。」
涙目で僕をみる。
「うんん。」
僕もまた涙が出てくる。
「話を聞いて?」
「聞く、聞くよ」
直也に抱きつく。直也はそれを受け入れる。
白斗に思ってること全てを吐いた。
葉と槇に言ったこと。
「・・・直也。僕は今も幸せだよ。そりゃあ、子供を産むのは痛いし、辛いかもしれない。・・それでも僕がここに来れたのは子供を産むためだから。」
そう言われて直也はなにも言えなかった。
「直也?」
「?」
「なんでもない」
見てくるくせになにも分かってない返事の仕方に僕は耐えることにした。
視線はお昼過ぎになっても何かするごとに視線を送ってくる。
そろそろ耐えきれなくなり
「直也。視線が痛い。なに?」
「え、俺、そんなに見てた?」
「見てた。」
「ごめん。」
「何かあるの?」
「う、ううん。ないよ・・・」
絶対何かあるのに直也は口にしない。僕はなにも聞けずにまた直也の視線に耐えた。
一日中、直也の視線に耐えながら、日曜日を終えそうになっていた。
「白斗。話がある。」
夕飯を作っているとキッチンに来て真面目な顔した直也が言う。手を拭いて「ソファ行こう」と直也の手を引っ張った。
「白斗・・・」
「直也。」
僕は恥ずかしさを我慢して下を向いている直也の顔を上げて自分と目を合わさせる。
「直也。言いたくないなら無理に話さなくて良いんだよ。無理してまで聞きたいとは思ってないからさ。そりゃあ、あんなに視線を喰らってたら気になっちゃうけど、直也が無理してるなら話さなくて良い。」
頬に触れている僕の手の上に直也は手を重ねる。
「無理はしてない。いつ切り出して良いのか、言って良いのか分からない。俺はどこまで白斗を頼って良いの?」
「・・・・頼って欲しいのは事実だよ。でも、僕は頼られるほどの人間じゃないし、頼られたとしても返せる自信がない。直也は僕に話したい?」
「話したいよ。白斗に言いたい。でも・・・」
「直也!」
僕は声を上げた。直也はビックっと肩を上げる。
「直也のバカ!話したいなら、でもって言わないで話してよ!どんな話か大体話はわかる。でも、僕が言うのは違う。直也の言葉で、直也自身から聞きたい。話してよ・・」
直也の頬から手を離す。僕は下を向く。直也が僕の前髪を上に上げておでこにキスをした。理解が出来なくて顔を上げる。
「白斗を悲しませちゃったね。」
涙目で僕をみる。
「うんん。」
僕もまた涙が出てくる。
「話を聞いて?」
「聞く、聞くよ」
直也に抱きつく。直也はそれを受け入れる。
白斗に思ってること全てを吐いた。
葉と槇に言ったこと。
「・・・直也。僕は今も幸せだよ。そりゃあ、子供を産むのは痛いし、辛いかもしれない。・・それでも僕がここに来れたのは子供を産むためだから。」
そう言われて直也はなにも言えなかった。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

なんで俺の周りはイケメン高身長が多いんだ!!!!
柑橘
BL
王道詰め合わせ。
ジャンルをお確かめの上お進み下さい。
7/7以降、サブストーリー(土谷虹の隣は決まってる!!!!)を公開しました!!読んでいただけると嬉しいです!
※目線が度々変わります。
※登場人物の紹介が途中から増えるかもです。
※火曜日20:00
金曜日19:00
日曜日17:00更新

越えられない壁で僕らの幸せは・・・
綾瑪 東暢
BL
繋家に産まれた繋 志飛(つなぎ しと)は男だった。残念なことに繋家に男は不要だった。両親は初めての子供だと言うことで志飛を女として育てることにし繋 志綾(つなぎ しあ)と名前を変えた。
繋家と違って女を不要としている要家。要家とはお隣同士の家であり両家の決まりで必ず繋家と要家の子供同士は結婚しないといけなかった。
それは伝統で昔からやって来ていること。誰も変えることの出来ない伝統。
要家の三男として要 荼泉(かなめ とい)が産まれた。
この流れで行くと荼泉と志綾は結婚することになる。が、どっちらも男。
伝統を守り、性別を隠しながら結婚するのか、伝統を破り、性別を明かして追い出されるか・・・

王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。


ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です

嫌われものの僕について…
相沢京
BL
平穏な学校生活を送っていたはずなのに、ある日突然全てが壊れていった。何が原因なのかわからなくて気がつけば存在しない扱いになっていた。
だか、ある日事態は急変する
主人公が暗いです

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる