今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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君のために

話し合い

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 今日は日曜日。朝から直也なおやの視線が痛い。
 「直也?」
 「?」
 「なんでもない」
 見てくるくせになにも分かってない返事の仕方に僕は耐えることにした。

 視線はお昼過ぎになっても何かするごとに視線を送ってくる。

 そろそろ耐えきれなくなり
 「直也。視線が痛い。なに?」
 「え、俺、そんなに見てた?」
 「見てた。」
 「ごめん。」
 「何かあるの?」
 「う、ううん。ないよ・・・」
 絶対何かあるのに直也は口にしない。僕はなにも聞けずにまた直也の視線に耐えた。

 一日中、直也の視線に耐えながら、日曜日を終えそうになっていた。
 「白斗はくと。話がある。」
 夕飯を作っているとキッチンに来て真面目な顔した直也が言う。手を拭いて「ソファ行こう」と直也の手を引っ張った。
 「白斗・・・」
 「直也。」
 僕は恥ずかしさを我慢して下を向いている直也の顔を上げて自分と目を合わさせる。
 「直也。言いたくないなら無理に話さなくて良いんだよ。無理してまで聞きたいとは思ってないからさ。そりゃあ、あんなに視線を喰らってたら気になっちゃうけど、直也が無理してるなら話さなくて良い。」
 頬に触れている僕の手の上に直也は手を重ねる。
 「無理はしてない。いつ切り出して良いのか、言って良いのか分からない。俺はどこまで白斗を頼って良いの?」
 「・・・・頼って欲しいのは事実だよ。でも、僕は頼られるほどの人間じゃないし、頼られたとしても返せる自信がない。直也は僕に話したい?」
 「話したいよ。白斗に言いたい。でも・・・」
 「直也!」
 僕は声を上げた。直也はビックっと肩を上げる。
 「直也のバカ!話したいなら、でもって言わないで話してよ!どんな話か大体話はわかる。でも、僕が言うのは違う。直也の言葉で、直也自身から聞きたい。話してよ・・」
 直也の頬から手を離す。僕は下を向く。直也が僕の前髪を上に上げておでこにキスをした。理解が出来なくて顔を上げる。
 「白斗を悲しませちゃったね。」
 涙目で僕をみる。
 「うんん。」
 僕もまた涙が出てくる。
 「話を聞いて?」
 「聞く、聞くよ」
 直也に抱きつく。直也はそれを受け入れる。

 


 

 白斗に思ってること全てを吐いた。
 はつてんに言ったこと。
 「・・・直也。僕は今も幸せだよ。そりゃあ、子供を産むのは痛いし、辛いかもしれない。・・それでも僕がここに来れたのは子供を産むためだから。」
 
 そう言われて直也はなにも言えなかった。
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