今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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欲発剤

怒鳴ってしまった

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 朝、直也は朝早く起きてしまった。リビングに行くと机の上に昨日食べなかった夕飯がラップされていた。持ち上げると紙が置いてあり読む。
 『直也へ。ご飯は温めてから食べてください。』
 読み上げた後ため息を吐いてご飯を温め始めた。
 「白斗・・・」
 温め終わった音がして我に戻った。取り出して机に並べた。一口ずつ味わって食べる。段々と直也の瞳から雫が溢れ落ちた。
 「あぁ、あの時ちゃんと話しておけばよかったのかな・・でも昨日は話したくはなかった。そもそもあのこと自体話したくない。どうすれば・・」
 全て食べ終わる。立ち上がって白斗の部屋に向かった。白斗の部屋を開けるとすやすや寝ている白斗がちゃんといた。ベットの端に腰を下ろした。頭を撫でる。
 「ごめん、白斗。お前を守るって約束したのに守れていないな。白斗が起きたらちゃんと話すから・・もうどこにも行かないで・・俺の前から消えないで。お願いだから・・。・・・・・・うぅ・・苦しいって・・白斗。」
 「だから!勝手に僕を守らないでって病院で言ったでしょう?忘れたの?」
 「なんで?なんで白斗僕に守られたくないの?」
 「ない!守られたくない!僕は直也に頼らなくても大丈夫!」
 「じゃあ、俺が白斗の婚約者にならなかったら白斗はどうなってたと思う?」
 「それはっ」
 「白斗だって分かってるはずだ。ここでは白斗は俺に守られてなければ幸せになれない!だから・・もっと・・
 「何それ・・・」
 「え?」
 「直也に守られていなかったら僕は幸せになれないの?直也が僕の幸せを決めつけるの?」
 「そう言うことじゃなくて」
 「そう言うことだよ。直也が言っているのはそう言うことだって。」
 「白斗。」 
 部屋から出て行こうと立ち上がった白斗の腕を掴む。
 「離して」
 「今離したら白斗は家を出て行くでしょう?」
 「外の空気が吸いたいの。ねぇ、離して?いいじゃん。少しだけだから・・」
 「白斗!」
 思いっきり怒鳴ってしまった。ビクッと白斗の肩が上がった。
 「薬を投与した自覚ある?お母さんが言ってた。白斗の体は薬の効果が切れないんだって。だから外に出ただけで男達は寄ってくる。白斗の体はずっと熱が下がらない状態。ひどい時に白斗は気づく。そい言う体になってしまったんだよ。だから、外に行くな。だから、白斗は俺に守られていて・・俺から離れないで・・俺に全てを委ねて、お願いだから・・」
 「・・・な・・直也は・・僕を軟禁したいの?直也は・・・・」
 言いかけたところで白斗は黙った。
 「・・・」
 「白斗・・」
 「離して。外には出ないから・・一人にさせて」
 「分かった。」
 白斗は自分の部屋をでた。同じ家にいる以上、一人になれる場所は自分の部屋以外になかった。でも部屋には直也がいるため・・リビングに向かった。
 
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