今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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欲発剤

会いたかったから

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 「百々目とどめ君。俺は・・・
 「ゆき!」
 遠くから男の子を呼び声が聞こえた。
 「雪、何してるんだ?体に悪い戻ろ?」
 「え、ちょっと待って・・」
 百々目は振り返るが来た男の子が車椅子を押して戻ろうとしている。
 「百々目君。ありがとう。話聞いてくれて」
直也なおやが声を上げた。百々目はニコッと笑って「こちらこそ」と言った。車椅子を押す子はお辞儀をしてまた車椅子を押して行ってしまった。直也は突っ立ったまま見送る。
 「はぁ。情けない。男の子に。戻ろ。白斗に怪しまれる。」
 帰り際に医者を呼んで容態を聞きながら白斗のところに戻った。
 「白斗。」
 「・・・」
 睨んでくる白斗を見て苦笑いをする。
 「もう少し、入院しておきましょう。では。」
 数分して医者達が出て行った。
 「直也!」
 怒ってる白斗は近づいてくる直也の胸ぐらをまた掴む。
 「激しい運動をするなと言われただろ?ほら」
 強くない手を優しく離して座らせた。
 「何が聞きたい?」
 「僕が気絶した後、何があったの?」
 「・・・白斗が倒れた後、お母さんが駆け付けてきた。八重やえが呼んできてくれたんだ。ついでに検査もしてくれた。お腹の」
 「!・・・・直也。ごめんなさい。」
 「うんん、無事で良かった。検査も異常ないって。あいつは俺のクラスメイトで七宮しちみや 弘人ひろと。」
 「七宮・・・もしかして直也のことが好きな相手かもな・・・八重君と同じで・・・あはは」
 冗談のつもりで言ったのだが直也を見たら寂しそうな顔をした。
 「な、直也・・・」
 「あ、・・・ほかに・・・
 「なおやくん!」
 病室の扉から声がした。
 「「八重(君)!」」
 「やっほ~直也くん。ついでに白斗くんも」
 「八重、学校は?」
 「直也くんに会いたくて休んじゃった」
 お気楽な口調で言う。
 「八重君、直也。病院では静かに」
 「白斗。俺は飲み物買ってくるよ。八重といて」
 「え、直也・・・」
 「はーい!直也くん、僕にも」
 「分かってるから」
 ため息をついて病室を出た。
 「白斗。」
 「よ、呼び捨て・・・」
 「白斗、これを気に家を出て行ってくれない?迷惑。」
 「・・・・」
 「直也くんの迷惑だと思わないの?」
 「分かってる・・・」
 「じゃあなんで?なんで離れないの?離れてくれなきゃ、僕にチャンスが来ないじゃん!」
 八重は白斗に想いをぶつける。白斗は思う。
 (本当に直也のことを思っているんだな)と。
 思ってしまった。
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