今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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欲発剤

待ってて

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 『手紙来てたじゃん?投与する日、今日にしたの。』
 「は?」
 『学校からこの前、来て直也なおや呼び出しの手紙って言って隠したやつ。』
 「白斗はくと、見つけたの?」
 『簡単だったよ。』
 「待って!今日?」
 『もう、研究者達、僕の目の前にいるよ』
 「今から、家に帰る。」
 『帰ってこなくていい!』
 「え?なんで?」
 『・・・直也に、直也に投与した後の僕をみて欲しくないッ』
 白斗は電話の向こうで涙を流す。
 「白斗。」
 『だから、ズッ。勉強頑張って。帰ってこなくていいからね?僕はだ、大丈夫だから。』
 電話を切られてしまった直也は考える。どうすべきか。考えていると違う人から電話がかかる。
 『帰って来な。』
 「お母さん!」
 『白斗君。これから苦しい思いするから帰って来なさい。でも、帰って来たら白斗君のところは来ないで、玄関の前で人を立たせるからその人の指示に従って、従わなかったら、婚約破棄をするって学校側が言ってるから。』
 「分かった。」
 直也は教室には戻らずにそのまま家まで走った。3分もかからずに家には着く。玄関の前で待機している人に挨拶をした。
 「直也様。こちらに」
 「白斗は?」
 「これから投与です。」
 「どこに行くんですか?」
 「直也様にはあることをしてもらいます。」
 「あること?」
 「着いてからのお楽しみです。」
 不思議に思いつつも着いて行く。
 ある建物に入ると白衣を着た人が待っていた。
 「直也様、これを」 
 「これは?」
 「これから白斗様は動物で言うところのに入ります。直也様自身が白斗様とやる気分でない時、やりたくない時に飲んでください。1年間分出しておきますから。」
 「効果を説明してください。」
 「簡単ですよ。発情期は男を襲いたい気分にさせる物です。この薬は襲いたいと言う気分を無くす薬です。その代わり白斗様は・・・いいえ、使ってみてから実感してみてください。取り敢えず、一錠飲みましょう。今日は白斗様の体を様子を見るだけなので襲わないで上げてください。」
 研究者達はお辞儀をしていなくなってしまった。
 また、来た道も戻る。家の前にはまた違う研究者がいる。 
 「もう始まりました。欲発防止剤は飲みましたか?」
 「はい、ではどうぞ。」
 直也はドキドキした胸を抑えて家の扉を開けた。
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