今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

文字の大きさ
上 下
11 / 550
欲発剤

似てる手

しおりを挟む
 今日は直也なおやに内緒で申請した欲発剤の投与日。直也が学校に行ってから10分もしないで研究者らしき人達がやって来た。
 「おはようございます。」
 「おはようございます。白斗はくと様。朝ご飯は食べましたか?
 「はい」
 一人の研究者と喋っていると奥から「通して」と言う声が聞こえた。
 「はつさん!?」
 白斗が声を上げた。
 「久しぶり。白斗君。」
 顔を見せたのは直也の母親神瀬かみせ葉。
 「葉さん、ここの研究者だったの?」
 「去年からここの配属になったんだよ。」
 「葉さんがいるならホッとする。」
 「あれ?直也は?」
 「葉さん。これを」
 「日時決めてもらったやつじゃない。それがどうかした?」
 「下のところを」
 白斗が入力したやつを研究者の一人と確認している。
 「白斗君!直也に内緒でやるの?」
 「家に帰って来たらバレちゃうけど、学校に行ってる間だけは僕のことより学業に集中して欲しい。ダメかな?」
 「ダメではないけど、最初、この薬めちゃくちゃ辛いの。それに投与した直前にやることしないと赤ちゃん出来ないかもしれないから。する前に報告しない?」
 「でも・・・」
 「大丈夫。ついでに早退できないようにしておくから、ね?投与した5分前ぐらい早退できるようにする。それでいい?」
 「・・・怒られないかな?」
 「え?」
 「直也が僕のこと気を使って学校から貰った投与の手紙僕に見つからないようなところに隠してあったから。まぁ見つけちゃったけど・・・僕は本来、このために売られたんだからって」
 下を向いて自分の服をギュッと握る。葉は頭を撫でた。
 「直也に似てる手。」
 「家族だからね。もちろん、白斗君も。」
 「・・・」
 「怒られないよ。怒られたら言って、直也の頭にたんこぶ作ってあげるからさ。」
 「昔の人みたいだよ。」
 「まだ、昔の人だよ。」
 「・・・うん。怒られたら葉さんに相談する。」
 「そうして、白斗君が言う?」
 「うん!」
 そう言うと葉はスマホを取り出してどこかにかけた。その後に「直也にかけてみな」と白斗に言った。白斗はスマホを取り出して電話をかける。緊張しているのか指が震えてる。
 「もしもし?」
 『白斗?どうかした?担任に呼び出されて言ってみたら待ってろって言われたけど白斗のこと?』 
 「う、うん。」
 『嬉しい。で、どうかした?』
 直也は本当に嬉しそうに聞く。白斗は申し訳なさそうに言葉にした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

なんで俺の周りはイケメン高身長が多いんだ!!!!

柑橘
BL
王道詰め合わせ。 ジャンルをお確かめの上お進み下さい。 7/7以降、サブストーリー(土谷虹の隣は決まってる!!!!)を公開しました!!読んでいただけると嬉しいです! ※目線が度々変わります。 ※登場人物の紹介が途中から増えるかもです。 ※火曜日20:00  金曜日19:00  日曜日17:00更新

越えられない壁で僕らの幸せは・・・

綾瑪 東暢
BL
 繋家に産まれた繋 志飛(つなぎ しと)は男だった。残念なことに繋家に男は不要だった。両親は初めての子供だと言うことで志飛を女として育てることにし繋 志綾(つなぎ しあ)と名前を変えた。  繋家と違って女を不要としている要家。要家とはお隣同士の家であり両家の決まりで必ず繋家と要家の子供同士は結婚しないといけなかった。  それは伝統で昔からやって来ていること。誰も変えることの出来ない伝統。  要家の三男として要 荼泉(かなめ とい)が産まれた。  この流れで行くと荼泉と志綾は結婚することになる。が、どっちらも男。  伝統を守り、性別を隠しながら結婚するのか、伝統を破り、性別を明かして追い出されるか・・・

王道にはしたくないので

八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉 幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。 これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

弟が生まれて両親に売られたけど、売られた先で溺愛されました

にがり
BL
貴族の家に生まれたが、弟が生まれたことによって両親に売られた少年が、自分を溺愛している人と出会う話です

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

嫌われものの僕について…

相沢京
BL
平穏な学校生活を送っていたはずなのに、ある日突然全てが壊れていった。何が原因なのかわからなくて気がつけば存在しない扱いになっていた。 だか、ある日事態は急変する 主人公が暗いです

処理中です...