今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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婚約者

事情が・・

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 『・・・直也なおや。先生達から聞いた?』
 「売られてここに来たことは」
 『売られたのは本当なんだけど、ある条件着き。』
 「それは一生男高で暮らすじゃないの?」
 『それもそうなんだけど、これは神瀬かみせだから知ってること。白斗はくと君は男高で唯一、薬が効きやすい体をしているの。』
 「それがどうしたの?」
 『それって大事よ。白斗君を大事にしたいなら白斗君を外に出さない方がいい。薬を飲んだ後はね。』
 「それは普通のことじゃあ?欲発してるから男は襲いたくなるって」
 『白斗君は薬が切れてもその状態になり続けるの。一生、男高にいることっていうのは、一生、その薬の効果がキレることがないってこと。だから外に出したり、他の人に近づけたりすると欲の強い者に白斗君、襲われるよ。気をつけてね。もう2時間経ったからごめん。切る。じゃあ直也、頑張って!』
 「まって!」
 電話に向かって叫ぶが切れてしまっていた。
 「な、おや?大丈夫?誰だった?」
 ドアからひょこっと顔を出して聞く。
 「大丈夫だよ。」
 「?」
 「テレビみよう。」
 「う、うん」
 白斗の手を引っ張ってリビングに戻る。
 少しだけ曇った顔をした直也だったがすぐに笑顔に戻った。
 「そういえば、手紙が来てたよ。学校から見ていいか分からなかった・・・」
 「え、」
 手紙を貰い広げてみる。
 「!」
 「何が書いてあったの?」
 「いや、なんでもないよ。ただ、先生に呼び出されただけ。この手紙しまってくるね。」
 「あ、うん。」
 リビングに戻りすぐにまた部屋を出て行ってしまった。
 白斗はソファに置いてあったクッションをギュッと握りしめた。

 部屋に行った直也はまた手紙をもう一度開いて読んだ。
 『神瀬 直也様。
   ここに薬の申請が出来たことをご報告します。直也様、白斗様のご都合が良い時間帯に白斗様に薬を投与しに伺います。以下のメールアドレスに登録して、時間帯をお知らせください。
   学校研究より』
 「チッ」
 直也は白斗に見つからなさそうなところに隠した。すぐにリビングに戻って来てテレビをつけた。クッションを握りしめていた白斗を見て悶えた。
 
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