今から君を守るのに理由が必要ですか・・?(仮)

綾瑪 東暢

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婚約者

ただいまを言われる生活

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 直也なおやは最後の最後まで「白斗といたいよ」と言いながら遅刻をして学校に向かった。
 学校では無表情な顔で過ごす。頭の中では白斗のことばかり考えている。
 「直也。放課後、暇?」
 「暇じゃない。」
 「そっか、みんなで後輩の家に行こうかなって話してたんだよ。後輩の彼氏、最近薬を投与したばかりで物足りないらしいからみんなの力も借りたいみたいで。暇な時教えて、直也。彼氏いないから発散出来てないでしょう?だからさ」
 聞いてもいないことをペラペラと喋った後、どこかに消えていった。直也はため息をついて「白斗がいるから俺には関係ない」と小さく呟いた。
 次に近くに寄って来たのは女の格好をした男の娘だった。
 「ねぇ~な、おやくん。私と結婚して~私は直也君を見上げるのでも良いし上から可愛い直也君を見るのでも良いよ~」
 「しない。話しかけるな」
 そう言われた男の娘は鼻血を出し、倒れた。
 

 直也にとってつまらない授業が終わった。駆け足で家に帰る。
 扉を開けて「ただいま」と呟くと奥から「おかえり」と返ってくる。直也は久しぶりの「おかえり」だった。それが嬉しくてやっぱり駆け足でリビングに行くと箸を持った白斗がいた。
 「夕飯、作ったんだけど・・・食べる?」
 「食べるよ。もちろん、」
 手を洗いに行き素早く席に着いた。
 「いただきます。」
 手を合わせて直也はご飯を食べ始めた。
 「ん!美味しい。白斗。ありがとう。」
 「うんん、これぐらいさせて、他は何も出来ないから・・・」
 「給料を出しても良いぐらいだよ!」
 「直也。学校お疲れ様。」
 「白斗も家事全般やってくれてありがとう。」

 二人は夕飯を一緒に片した。テレビでも見ようとしていた時直也のスマホが鳴った。そのスマホは学校支給のものだから外部から電話できないはずだった。白斗に「電話してくる」と言って自分の部屋に行った。
 「もしもし・・・どちら様ですか?」
 『ああ、よかった繋がった。』
 「!お母さん!どうやったの?」
 『お金払って2時間だけ許可してもらった。それで、白斗君もう、会った?』
 「会って、一緒に住んでるよ。」
 『早いな。』
 「まあ、お母さんの子供なので・・・」
 調子良く話していると電話越しの雰囲気が変わった。
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