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気がついたらレベル1000のダンジョンをプレイ

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俺の名前は、レッド・チャン。

みんなからはレッドと呼ばれている。

そして、レベル1だ。

だから誰からも期待されず、ダンジョンに行くことも依頼されることも殆どない。

あっても、初心者が挑むレベル1ダンジョン。

所謂、チュートリアル的なダンジョンばかりだ。

この世界には、勇者が10000人以上いる。

しかも、毎日勇者志願者が現れ、勇者の数は日々増えていく。

勇者ブーム到来ってところだ。

俺はもう7年も勇者をやっている。

10歳の頃からずっとレベル1なんだけど…

そして今日はこの世界に何か大きなダンジョンが出てきたみたいだ。

聞くところによるとレベル1000のダンジョン。

そんなダンジョン今までなかった。

あっても、レベル100のダンジョンまでだったはず。

だから町中では誰が挑むのかという話で持ちきりだ。

レベル100の勇者は7人しかいない。

レベル90代になると、30人くらいだったかな。

とにかく、レベルを上げることは尋常なく難しい。

だけど、ずっとレベル1って奴も俺くらいなんだけどね。

レベル1000のダンジョンが出てきたところで俺には無関係ということだ。

なーんて思ってた時、町の中心地にある大きなモニターから映像が流れ出した。

そこには、パンテ・イズキが映っていた。

イズキは喋り出す。

「皆さんこんにちは、パンテ・イズキです。今回、皆さんもご存知のはず突如現れたレベル1000のダンジョンについての発表があります。このダンジョンはどうやら7人で挑むダンジョンみたいです。本来なら、レベル100の勇者7人に頼みたいところではありますが、このダンジョンがあまりにもレベルが違いすぎて、勇者全員歯が立たない可能性も否めません。そうなった時に、レベル100の勇者全員を失うのは痛すぎます。このダンジョンは何度も挑むことが出来そうなのでまずは様子見として、低レベル勇者と高レベル勇者の混合編成で試したいと思います。」

相変わらず酷い奴だ。

犠牲者を簡単に出そうと考えていやがる。

まぁ、裏でこそこそとしてる連中や、綺麗事を言っているようで、やってる事は異常な奴とは違い、ハッキリとしてるところだけは評価する。

が、それでも犠牲者を出そうとする考えが正解なんてとても言えない。

でも、イズキを支持する勇者は多過ぎる。

奴の言動を心底正しいと崇拝している奴が多く、信者の団体まである始末。

イズキはまだ何か喋っていやがる。

「長くなったが、最後にこのダンジョンに挑む7人をここで発表する。

1人目レベル96勇者、ブルータス。
2人目レベル92勇者、紫・ピィメン。
3人目レベル70勇者、イエ・ロージィ。
4人目レベル44勇者、ブラック・マホ。
5人目レベル35勇者、オレン・ジィサン。
6人目レベル13勇者、ホワイト・ロリータ。
7人目レベル1勇者、レッド・チャン。


以上7名は、12時にアルタ前まで来るように。」

…………はぁ!?

ムリムリムリムリムリムリ!!!!

でも、行かなかったら殺される。

行っても殺される。

初めて挑むなんて無謀すぎる。

どう考えても、、

初めが肝心!詰んだ詰んだ。

詰みましたね。


取り敢えず、行くしかないか。

アルタ前に行くことにした。

道中でいくつかの装備品とアイテムを購入して、11時55分にアルタ前に到着した。

そこには、スーツにサングラスがトレンドマークのパンテ・イズキと先程発表のあった6名とギャラリーが大勢いた。

「これで揃いましたね。行きましょうか」

イズキが勇者を先導する。

ここでギャラリーのみんなと離れることになった。

最後にイズキはギャラリーに向かって語りかけた。

「応援してくれるかな?」


「いいとも!!!!!」

すごい声援が湧き上がった。

歩いて徒歩5分。

レベル1000ダンジョンに続く扉が見えた。

この扉の先は異空間に通じていて、1度に入れる人数は決まっている。

そして扉には数字と星マークと時計が書かれている。

この扉の場合、1000の数字。

これがレベルを表している。

そして数字の下にある星のマークが7つ。

これが1度に入れる人数を表す。

最後に時計マークだが、この時計マークは単にマークなわけでなく、針は動いている。

普通の時計と違うのは1日に1メモリが動く。

12日後にこの扉は崩壊する。

もし扉が崩壊するとどうなるか。

過去に2度崩壊したことがある。

1度目は最初に出てきた扉らしい。

ちなみに、50年程前のことらしい。

その時は崩壊した扉から、その扉の先に通じているダンジョンのモンスターが出てきて、相当な被害を受けたらしい。

ただ、レベルもまだ低いダンジョンだったから、最悪な事態にはならなかったみたいだ。

それでも、その時代は勇者がいなかったから、大変なことだったには違いない。

そして、2度目は3年前の話だ。

これは忘れることの出来ない記憶。

まだ、最近の最悪な記憶だ。



このような扉が何故出てくるのかは、さっぱり分からない。

ただ、ダンジョンからモンスターを出さない為に、俺たち勇者はダンジョンを攻略して、封印の鍵を手に入れる。

そして扉を封印する。

封印すると扉は鍵の中へと消える。

大体こんな感じだ。

扉の説明をしたところで、ダンジョンの恐ろしさは入ってみないと分からない。

この7人で攻略するしか道はない。

レベル96勇者のブルータスがリーダーとなり、俺たちはダンジョンの扉の先に入った。
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