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日常なんて、ちょっとしたことから、非日常に変わるんだぜ

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水曜日は憂鬱だ。

月曜日が憂鬱と考える人は多いと思うが、俺の場合、水曜日こそ憂鬱になる。

理由をあげるならば、あと1日行けば休みって感覚の木曜日とは違って、あと2日もあると思ってしまうところ。

曜日の勘違いをしてしまうことが、俺の中では1番多いところ。

曜日の勘違いというのは、何故か木曜日のつもりでいる感覚だ。

その時に、今日が水曜日だと気づくと、1日損した気分になってしまう。

今がまさにその瞬間だ。

5時間目の授業が数学だと思い込んでいたが、体育の授業みたいだ。

ここで今日が水曜日だと気づく。

いや、正しく言えば、最初から今日が水曜日だということは知っていた。

知っていたが、何故か木曜日の気持ちになっていた。

この感覚が分かる人は他にもいるのかな?って思う。

ひょっとしたら、このうまく言い表せない感覚を持っているのは世界でたった7人しかいないのかもしれない。

もし、そうだとしたらさっきから語っているこの話が、誰にも通じていないことになるから、意味不明なことを語っているだけの奴になってしまう。

ここら辺で水曜日の憂鬱な理由を語るのはやめにしよう。

因みに、あと13個の理由があるけど、それは聞かれた時に語るとしよう。

因みに4時間目は古典の授業で12時から開始だ。

つまり3分後に始まる。

周りでは5時間目の体育のバスケのチームについて話が盛り上がっている。

俺は体育なんて嫌いだ。

クラスの陽キャラばかりが楽しめる、くだらない授業だと思っている。

古典は好きでも嫌いでもない。

早く下校時間にならないかな。

ぼんやりと窓の外を見つめていた。

特に理由はなかった。

太陽の日差しとは違った光が空にあるのが見えた。

何だあの光?

そう思った時には、俺は光の柱の中にいた。

俺の見つけた光とは別の光だ。

俺の見ていた光もまた、上空から地上にかけて1つの柱となっていた。

周りの奴らがみんなこっちを見ている。

「太郎の周りが光ってやがるぜ」

誰かが俺の名を叫んだ。

そう、俺の名前は太郎。

そんなことより何だこの光。

上を見上げても天井しかない。

だけど上空から光が差している。

窓の外から見える光に他の奴も気づいた。

「なんか、遠くの方にも光があるよ」

「ほんとだ。あっちにもある」

周りの連中が窓の外を見て騒ぎ出す。

廊下に出て、反対の窓を見てる奴が叫び出す。

「あっちにもあるぜ!」

その時だった。

頭の中でハッキリと声が聞こえた。


『選ばれし7人の者よ。ここに集え』

「誰だ!?」
思わず呟いてしまった。


「どうした太郎?」

隣にいた健二が問いかけた。

どうやら俺にしか聞こえなかったらしい。


「いや、何でもない」

身体がふわっと浮いた。

「太郎!?」

健二が俺の姿を見て驚いた。

俺の身体は宙に浮き、そのまま天井にぶつかりそうになった。

だが、天井にぶつかることはなく、俺の身体は天井をすり抜けた。

そのままスピードがどんどんあがり、ついには校舎を飛び出てしまった。

校舎の外に出て、分かった。

俺に差してたこの光もまた、遥か上空から差してた光だった。

雲まで到達して、更にどんどんと上に向かっていく。

遠くに見える光にもきっと、俺と同じように選ばれし者がいるに違いない。

何で俺が選ばれし者なのか疑問だった。

再び頭の中で声がする。

『君達は今日を木曜日と勘違いしていた日本人7人だ』

やっぱりこの感覚を持っている奴は少なかったんだ。

ただ、世界で7人ではなくて、日本で7人だったんだな。

みんなは、知ってるか?

日常なんて、ちょっとしたことから、非日常に変わるんだぜ

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