私の黒歴史倉庫

ネギヲ

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ブラック・マジシャン

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「自動車学校でのことを語る時が来た。

高校3年生の私」


親父に免許は早くから取れと言われ、高校3年生の夏休み、17歳の俺は自動車学校へと通い始めることになった。

まだ、この時期に自動車学校に通う生徒は少なく、周りは大学生や大人ばかりだった。

18歳には8月前半になるから、その時に仮免の試験を受けることができる。

そして今日は2度目の講義の日。

今日の先生は初めて見る人だ。

窓際の席に座り、ぼんやりと外を眺めていた。

外には大きな木が一本あり、そこにいる蝉が鳴いている。

夏だなぁ。

前の席の人から紙を渡された。

周りを見ると、どうやら先生が紙を配ったらしい。

なるほどね。

1枚だけ取り、残りの紙を後ろの席の人に渡した。

何が書いてあるのか、早速裏返して見る。

???

白紙。

表も裏も白紙。

話を聞いていなかった。

まぁ、これからもう一度くらい説明されるだろう。

慌てることもない。

そして再び外を眺めていると、声が聞こえてくる。

あ!先生喋っとるやん!

蝉の鳴き声より小さい声じゃん!

というかまた聞き逃すとこだったわ!

「木を描いて下さい」

は??

最後の一言だけ聞こえたけど、木を描くってどういうことやねん

意味が分からない

隣の人に聞こうにも、コミュ障だから無理!

木って、、、


そうか!!

この木のことじゃん!

窓の外にある木!!

確かに立派な木だし、樹齢何年とか聞いたような気もする!

窓際の席でよかった!

めちゃ有利やん!!

俺は木を描いた

蝉もついでに描いた

そして先生に提出して、授業が再開した

絵を見て、先生は「大体の人は分かってるね」とか言い出した。

「ちなみに正解は左が青で右が赤、真ん中が黄です」

ん???

なんの話??

青赤黄って、信号機か!!!

あ!!!

木を描いてくださいじゃなくて、信号機の赤青黄を描いてください的な感じだったのか!!

バカやん!!!

俺だけじゃん!

木描いたの!!

関係ないけど、最初の日にいくつかのアンケートとちょっとしたテストの結果では、要注意人物って評価されてるし、これはあかん!!!

こんなミスは本当に要注意人物認定やん!!!


まさにブラック・マジック!!


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