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叱ってほしかったのに
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*
「ねぇ、もうすぐ死ぬの?」
玄関まで出てきた彼を見て、新年の挨拶より何より真っ先に、縁起でもない質問を投げてしまった。
だって最近、会うといつもひどい顔をしているから。
私の言葉に、彼は「そんなにヤバそうに見える?」なんて苦笑して、
「二日酔いだって言ったじゃん。頭痛いだけだよ」
表情を崩さず、「どうぞ」と私を室内へ通す。
よかった。思ったよりも元気みたいだ。
とはいえ、私に言われなくてもおとなしくベッドに向かったあたり、重だるさはあるのだろうけれど。
「二日酔いに効きそうなヨーグルトとかスポーツドリンクとか買ってきたけど、どうする?」
「ありがと。でも今はやめとこうかな。万が一、吐き気がぶり返したら困るし」
「おーけー。じゃあ、冷蔵庫に入れとく」
言って、見舞い品をキッチンの冷蔵庫にしまい、
「起き上がらなくていいからね」
そう前置きしながら、あらかじめベッドの傍らに用意されていたダイニングチェアに腰をおろす。
それからしばらく、お互いにどう切り出したものかと悩むような沈黙が続いたが、
「……春川サクラって作家、知ってる?」
やがて、こちらに背を向けていた彼が仰向けに姿勢を変え、ゆっくりと口を開いた。
「あっ、うん。私は読んだことないけど、たしか、母が好きで」
数年前によく読んでいた気がする。まだ高校生なんですって、なんて言いながら。
書店でも、何度か平積みにされているのを見かけたことがある。
「光栄だな」
「えっ? 何が?」
「それ、俺なんだ」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
「……マジ?」
「うん。マジ」
作者名から女性だと思い込んでいたし、にわかには信じがたい話だが、先日でもあるまいし、こんなときにおふざけは言わないだろう。彼が小説を書いている姿は……まあ想像できなくもない。
「でも、ここ何年も新刊出てないよね? なんで?」
母が残念がっている姿が、うっすら記憶に残っていた。
「やめたんだ。――うんざりしたから」
*
俺は昔から、変わった子だと言われることが多かった。
保育園の頃から、ブロックで遊ぶより空を眺めたり絵本を読んだりするほうが好きで、仲のいい友だちは女の子ばかり。
成長とともに孤立しないよう空気を読むことを覚え、男子とつるむことも増えたが、野球も秘密基地も、別段楽しいとは思えなかった。
でも、わざわざ断る理由もないから、誘われれば仲間に入って、一緒に騒いで。
学力は中の上。遊び人な母親とのことを除けば、人間関係も概ね良好。流されるままに生きるのは、楽だけどなんだかつまらなかった。
味気ない自分の人生に転機が訪れたのは、高校一年のとき。部活にも入っていなかったので、夏休み中に時間を持て余して読書に明け暮れるうち、自分でもやってみたくなって、衝動的に一作書き上げた。
せっかくだからどこかに応募しよう。
締め切り近いからここでいいや。
ペンネームは……自分の名前が嫌いだから、真逆のあったかそうな感じで。
そんな軽い気持ちで送った作品が、どういうわけか特別賞に引っかかり、そのままデビューが決まった。
受賞作が恋愛あり家族愛ありの青春ものだったこと、ペンネームが女性的だったことから、イメージ保持のために素顔と性別は非公開。
だが、そのわりに現役高校生であることはやたらアピールするし、受賞者インタビューで、
「この作品を書いたきっかけはなんですか?」
と訊かれ、
「なんとなくです。夏休み中暇だったので、書いてみようかなと。単に、普段から思ってる不満や疑問を、誰にでも分かりやすい形に落とし込んだっていうか」
と答えたら、「高校生作家」の前に、「天才」の枕詞がつけられるようになった。
意味が分からない。
夜遅くまで身勝手に遊び歩いていた母親も、家で俺の帰りを待っているようになったし。
大人って、変な生き物だ。
拭えない不信感を抱きながらも、俺が筆を折らなかったのは、担当編集者である栗本恵美――メグさんの存在があったからだ。
ある日の打ち合わせで、デビュー作が発売したら作家を引退しようと思っていることを何気なくこぼすと、彼女は「えー、もったいない!」と叫んだ。
「だって、もともと書くのがそんなに好きだったわけじゃないし……」
そのときに聞かされたのが、例の「好き嫌い理論」だった。
「まずは踏み込んでみようよ。きちんと向き合った上で、ハルくんがそれでも嫌いだって思うなら、やめればいいからさ」
最初こそ、「やけに暑苦しい人だな」とか、「彼女もどうせこの会社の人間なんだから、腹の中ではよからぬことを考えてるんだろうな」なんて思っていたが、一緒に仕事をするうちに、情の深さに気づかされた。
俺の文章をより伝わりやすく添削し、俺の妄想でしかないキャラクターを、まるで生きた人間のように慈しんでくれる。シーンひとつひとつを丁寧に読み込んで、ときに涙し、ときに熱く語り合う。締め切りに追われて手を抜いた部分は、すぐに見透かされてしまう。
これは後から聞いた話だが、彼女は最終選考の手前で落ちかけていた俺の作品を猛プッシュし、担当も自ら名乗り出てくれたのだそうだ。
ひとりのファンとして作品を敬愛してくれる彼女と、切磋琢磨していけるのが、作家として成長していけるのが、何よりの喜びだった。
この人の誠意に、全力で応えたい。ただその一心だった。
だけど、満ち足りた日々は、突然終わりを告げる。
デビューして二年が過ぎた頃、人事異動の関係で担当替えがあった。
今度の人はこの道十年のベテラン男性で、本人曰く、「褒めて伸ばすタイプ」らしい。
いざメールで原稿を提出してみると、言葉通り、誤字脱字以外の欠点をまったくと言っていいほど指摘せず、称賛の嵐で。
これはこれで心地いい――とは思えなかった。
久しぶりに沸き上がってきた大人への猜疑心。
俺はその直感に従い、本命が校了したタイミングを見計らって、三十分ほどで書き殴った短編を送ってみた。
数日後、
『作風変えたの? いいね。今までのは文芸寄りだったけど、うちはラノベレーベルも持ってるし、読者層変更すればいけると思うよ。なんてったって春川サクラが書いたんだし』
返信の文面を読んで、開いた口が塞がらなかった。
……はっ? なんだよそれ?
ちょっと読めばわかるだろ。適当に書いたってことくらい。
俺が書けばなんでもいいのかよ? 売れればなんでもいいのかよ?
叱ってほしかったのに。
メグさんなら、「全然キャラに寄り添えてない!」って、「らしくないよ」って、言ってくれただろうに。
――あぁ、思い出した。大半の大人って、こんなもんだ。
それからは、心の糸がぷつんと切れたように、何をするにも無気力になってしまって。
「反りが合わなかっただけだよ。また担当替えてもらえばいいじゃない」
メグさんはそう言って励ましてくれたけど、ここにいてもあなた以上の人とはめぐり合えない気がすると伝え、出版社との契約を解除した。
母親は、作家という看板を失った息子にすっかり興味を示さなくなり、以前のように逆戻り。追い討ちをかけるように、自分の誕生に関して想像のはるか上を行く事実を聞かされたのも、この頃だ。
それまで、父親がいないことについては、あえて触れないようにしてきた。母親の性格上、ろくな理由じゃないことだけは察しがついたから。
周囲からときたま、「目の色が変わってる」だの、「顔立ちが日本人離れしてる」だのと言われることはあった。
でもまさかと思っていた。日本人でも端正な顔立ちの人はいるし、ちょっと色素が薄いだけだろうと。
なのに。
なんなんだよ、この仕打ちは。俺が何をしたっていうんだ。
身も心もボロボロな状態で、高校卒業と同時に家を出た。
なんのために生きているのかも、分からないまま。
「ねぇ、もうすぐ死ぬの?」
玄関まで出てきた彼を見て、新年の挨拶より何より真っ先に、縁起でもない質問を投げてしまった。
だって最近、会うといつもひどい顔をしているから。
私の言葉に、彼は「そんなにヤバそうに見える?」なんて苦笑して、
「二日酔いだって言ったじゃん。頭痛いだけだよ」
表情を崩さず、「どうぞ」と私を室内へ通す。
よかった。思ったよりも元気みたいだ。
とはいえ、私に言われなくてもおとなしくベッドに向かったあたり、重だるさはあるのだろうけれど。
「二日酔いに効きそうなヨーグルトとかスポーツドリンクとか買ってきたけど、どうする?」
「ありがと。でも今はやめとこうかな。万が一、吐き気がぶり返したら困るし」
「おーけー。じゃあ、冷蔵庫に入れとく」
言って、見舞い品をキッチンの冷蔵庫にしまい、
「起き上がらなくていいからね」
そう前置きしながら、あらかじめベッドの傍らに用意されていたダイニングチェアに腰をおろす。
それからしばらく、お互いにどう切り出したものかと悩むような沈黙が続いたが、
「……春川サクラって作家、知ってる?」
やがて、こちらに背を向けていた彼が仰向けに姿勢を変え、ゆっくりと口を開いた。
「あっ、うん。私は読んだことないけど、たしか、母が好きで」
数年前によく読んでいた気がする。まだ高校生なんですって、なんて言いながら。
書店でも、何度か平積みにされているのを見かけたことがある。
「光栄だな」
「えっ? 何が?」
「それ、俺なんだ」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
「……マジ?」
「うん。マジ」
作者名から女性だと思い込んでいたし、にわかには信じがたい話だが、先日でもあるまいし、こんなときにおふざけは言わないだろう。彼が小説を書いている姿は……まあ想像できなくもない。
「でも、ここ何年も新刊出てないよね? なんで?」
母が残念がっている姿が、うっすら記憶に残っていた。
「やめたんだ。――うんざりしたから」
*
俺は昔から、変わった子だと言われることが多かった。
保育園の頃から、ブロックで遊ぶより空を眺めたり絵本を読んだりするほうが好きで、仲のいい友だちは女の子ばかり。
成長とともに孤立しないよう空気を読むことを覚え、男子とつるむことも増えたが、野球も秘密基地も、別段楽しいとは思えなかった。
でも、わざわざ断る理由もないから、誘われれば仲間に入って、一緒に騒いで。
学力は中の上。遊び人な母親とのことを除けば、人間関係も概ね良好。流されるままに生きるのは、楽だけどなんだかつまらなかった。
味気ない自分の人生に転機が訪れたのは、高校一年のとき。部活にも入っていなかったので、夏休み中に時間を持て余して読書に明け暮れるうち、自分でもやってみたくなって、衝動的に一作書き上げた。
せっかくだからどこかに応募しよう。
締め切り近いからここでいいや。
ペンネームは……自分の名前が嫌いだから、真逆のあったかそうな感じで。
そんな軽い気持ちで送った作品が、どういうわけか特別賞に引っかかり、そのままデビューが決まった。
受賞作が恋愛あり家族愛ありの青春ものだったこと、ペンネームが女性的だったことから、イメージ保持のために素顔と性別は非公開。
だが、そのわりに現役高校生であることはやたらアピールするし、受賞者インタビューで、
「この作品を書いたきっかけはなんですか?」
と訊かれ、
「なんとなくです。夏休み中暇だったので、書いてみようかなと。単に、普段から思ってる不満や疑問を、誰にでも分かりやすい形に落とし込んだっていうか」
と答えたら、「高校生作家」の前に、「天才」の枕詞がつけられるようになった。
意味が分からない。
夜遅くまで身勝手に遊び歩いていた母親も、家で俺の帰りを待っているようになったし。
大人って、変な生き物だ。
拭えない不信感を抱きながらも、俺が筆を折らなかったのは、担当編集者である栗本恵美――メグさんの存在があったからだ。
ある日の打ち合わせで、デビュー作が発売したら作家を引退しようと思っていることを何気なくこぼすと、彼女は「えー、もったいない!」と叫んだ。
「だって、もともと書くのがそんなに好きだったわけじゃないし……」
そのときに聞かされたのが、例の「好き嫌い理論」だった。
「まずは踏み込んでみようよ。きちんと向き合った上で、ハルくんがそれでも嫌いだって思うなら、やめればいいからさ」
最初こそ、「やけに暑苦しい人だな」とか、「彼女もどうせこの会社の人間なんだから、腹の中ではよからぬことを考えてるんだろうな」なんて思っていたが、一緒に仕事をするうちに、情の深さに気づかされた。
俺の文章をより伝わりやすく添削し、俺の妄想でしかないキャラクターを、まるで生きた人間のように慈しんでくれる。シーンひとつひとつを丁寧に読み込んで、ときに涙し、ときに熱く語り合う。締め切りに追われて手を抜いた部分は、すぐに見透かされてしまう。
これは後から聞いた話だが、彼女は最終選考の手前で落ちかけていた俺の作品を猛プッシュし、担当も自ら名乗り出てくれたのだそうだ。
ひとりのファンとして作品を敬愛してくれる彼女と、切磋琢磨していけるのが、作家として成長していけるのが、何よりの喜びだった。
この人の誠意に、全力で応えたい。ただその一心だった。
だけど、満ち足りた日々は、突然終わりを告げる。
デビューして二年が過ぎた頃、人事異動の関係で担当替えがあった。
今度の人はこの道十年のベテラン男性で、本人曰く、「褒めて伸ばすタイプ」らしい。
いざメールで原稿を提出してみると、言葉通り、誤字脱字以外の欠点をまったくと言っていいほど指摘せず、称賛の嵐で。
これはこれで心地いい――とは思えなかった。
久しぶりに沸き上がってきた大人への猜疑心。
俺はその直感に従い、本命が校了したタイミングを見計らって、三十分ほどで書き殴った短編を送ってみた。
数日後、
『作風変えたの? いいね。今までのは文芸寄りだったけど、うちはラノベレーベルも持ってるし、読者層変更すればいけると思うよ。なんてったって春川サクラが書いたんだし』
返信の文面を読んで、開いた口が塞がらなかった。
……はっ? なんだよそれ?
ちょっと読めばわかるだろ。適当に書いたってことくらい。
俺が書けばなんでもいいのかよ? 売れればなんでもいいのかよ?
叱ってほしかったのに。
メグさんなら、「全然キャラに寄り添えてない!」って、「らしくないよ」って、言ってくれただろうに。
――あぁ、思い出した。大半の大人って、こんなもんだ。
それからは、心の糸がぷつんと切れたように、何をするにも無気力になってしまって。
「反りが合わなかっただけだよ。また担当替えてもらえばいいじゃない」
メグさんはそう言って励ましてくれたけど、ここにいてもあなた以上の人とはめぐり合えない気がすると伝え、出版社との契約を解除した。
母親は、作家という看板を失った息子にすっかり興味を示さなくなり、以前のように逆戻り。追い討ちをかけるように、自分の誕生に関して想像のはるか上を行く事実を聞かされたのも、この頃だ。
それまで、父親がいないことについては、あえて触れないようにしてきた。母親の性格上、ろくな理由じゃないことだけは察しがついたから。
周囲からときたま、「目の色が変わってる」だの、「顔立ちが日本人離れしてる」だのと言われることはあった。
でもまさかと思っていた。日本人でも端正な顔立ちの人はいるし、ちょっと色素が薄いだけだろうと。
なのに。
なんなんだよ、この仕打ちは。俺が何をしたっていうんだ。
身も心もボロボロな状態で、高校卒業と同時に家を出た。
なんのために生きているのかも、分からないまま。
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