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第二十話 今回はマライアとサロンへ(一)
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ダリルにサロンへ連れて行って貰ってから半月後。
俺は今、マライアと二人でサロンへ訪れている。時刻は午後の六時だ。
二度目の今回はマライアに連れて来て貰った。
俺ことエルシーはまだ未成年。
いくらサロンへ入る資格があっても、未成年の場合は成人年齢に達している誰かに連れて来て貰わなねばならない。
その点、マライアは成人しているし、前回、演劇関係者に顔を売りまくってサロンへは出入り自由。
だから、今回はマライアと二人で来たワケだ。
ダリルはマーチャント商会で、何やら残業をやっているらしい。
しかし、マーチャント商会は残業無しのはずなんだが……?
ダリルは何をやってるんだろう?
俺は、エルシーの両親がダリルに残業させるとは思えない。
短期間の出張みたいなものはあるんだが。
残業は……あ、この王国では時間外労働って言い方が定着してるんだった。
うちの屋敷にも、時間外労働を強いられている使用人はいない。
ちゃんと、仕事の時間が決まってるんだ。
本当に……ダリルは何をやってるんだろう?
ダリルはシロに近いグレーだったな。
でもダリルに限って――って考え方が不味いか……。
う~ん。どうしてもクロとは思えないけど……シロとも言い切れない感じになって来たなぁ。
「あっ! エルシー! モニカ・ホワイト先生がいらっしゃったみたいよ」
赤紫のマーメイドドレスを着たマライアの声で我に返る。
長い栗色の髪、青い瞳、知的で優しげな微笑を浮かべたモニカ・ホワイト先生……。
今度は……プロットはエルシーだけど、俺が書いた短編と長編……どんな評価をされるんだろう……。
ごくり、と唾を飲み込んで、俺はホワイト先生のほうへと歩き始めた。
「あらあら、エルシーじゃないの! いつサロンに来るかと心待ちにしていたのよ!」
ホワイト先生は俺を見つけて笑顔でこちらに歩いて来る。
「今日は私の同僚と担当編集者も一緒に来ているの。ちょうど良かったわ」
同僚と担当編集者……!
以前の俺が生きていた世界で……渾身の作品を公募に送ったら……二次選考落ちで……めちゃくちゃキツい選評が返って来たことがあったな……。
それ以来、編集者って聞くと、自然に体が強張ってしまう。
既にプロになった友人から、
「あ~、この人言葉はキツいけど、的を射た意見くれるから、ちゃんと読んでみな?」
と言われたので、泣きながら読んだ苦い記憶が蘇る。
確かに……選評は全て正論だった。
『悪くはないから、この結果にめげず、またチャレンジして欲しいですね』
と最後に書いてあったが、俺はあの公募に二度とチャレンジすることはなかった。
正論だろうが言い方があるだろう!? 言い方が!!
俺の渾身の作品を上から目線で選評して! 一体、何様なんだ!!
……とか怒ったところで意味は無いんだけどな。
何様って……編集者様なんだよ。
しかも友人曰く、有能な編集者だそうだ。
「エルシー……どうしたの? 具合でも悪いのかしら? さっきから顔色が青くなったり赤くなったりしてるわよ」
「あ! はい! ごめんなさい! ちょっと立ち眩みしちゃってて……。二週間振りですね。お会い出来て嬉しいです。ホワイト先生」
俺は気を取り直してペコリと頭を下げた。
「あらまあ、そうなの? あなたはまだ若いんだから、体調が不安定な時もあるんでしょうね? 無理しちゃダメよ?」
ホワイト先生が俺を気遣ってくれる。
改めて……優しい先生だなあ。と思う。
「始めまして、エルシー嬢。僕はホワイトと同僚のクレイグ・デンゼルです」
ワイアットと同じくらいの年齢で、黒髪の紳士が俺に声を掛ける。
「で、デンゼル先生!?」
俺は思わず白いワンピースの袖口を握り締めた。
ホワイト先生の同僚!? 先輩じゃなくてか!? ホワイト先生より年齢上……あ、デビューの時期が同じなのかもだ。
クレイグ・デンゼル先生はミステリーを書いているベテラン小説家だ。
エルシーも全部ではないけれど、デンゼル先生のミステリー小説はかなりの冊数を読んでいる。
「ホワイトから聞いた通りの美少女だ。隣の美女もこれまた美しい。私の舞台化作品の主演を頼みたいくらいだ」
デンゼル先生はマライアを見て嬉しそうに笑った。
「あ! 今度、フラワー・サークルシリーズの『リラ殺人事件』が舞台化されると聞きました。マライアは主役のイメージにぴったりだと思います」
俺はエルシーの記憶からデンゼル先生の作品の情報を引っ張り出して言った。
デンゼル先生のフラワー・サークルシリーズは花の名前がタイトルに入っていて、主役はパンジーって名前の華のある美女だ。
しかも魔法使いの子孫って設定なんだ。
これほどマライアに相応しい役があるだろうか!?
「デンゼル先生。私の大親友であるマライアの演技を見て下さい!」
俺はデンゼル先生にも頭を下げる。
「マライアくんと言うのかね! 是非とも見せて貰いたい! ここに私が書いた脚本がある。その中のこの役の演技を――」
デンゼル先生とマライアが話し始めた。
「あらあら、デンゼルったら……うふふ」
ホワイト先生が楽しげに笑う。
俺、ホワイト先生の笑顔好きだなあ。美人だけど、笑顔が可愛くて優しい感じで。
「で、私がホワイト先生の担当編集者のジェニー・ミリオンよ。あなたがホワイト先生のお気に入りのエルシーさんね」
うぉう! 編集者だ! サーヤより若い女性だ!
「は、初めまして。エルシー・マーチャントと申します」
俺は声が上擦らないように気を付けながら挨拶をする。
怖い人じゃなさそうだけど。見た感じ明るい朗らかな雰囲気の人だ。
仕事もデキる人だろうな……。
「こ、これが原稿です」
俺は緊張を抑え付けながら、バッグから出した原稿をジェニー・ミリオン編集者に渡した。
……それから一分後……。
「あらあら。この短編面白いわ。超年の差の恋愛ね……うふふふ」
ホワイト先生が、かつてキャラハン女史も笑ってくれた年の差恋愛コメディ作品を読みながら笑ってくれている。
……良かったぁ~。ベテランのホワイト先生が笑ってくれてるってことは、もう少し自信持って良いのか……な?
「ふふふふ……マーガレットの両親が慌てふためく様ったら……ふふふ」
「ええ、これは面白いですね。今度の短編集に収録を検討しましょうか?」
ジェニー・ミリオン編集者が……編集者が! 面白いって言ってくれた!!
嬉しい! めちゃくちゃ嬉しい!
「構成もテーマもコンセプトもしっかりしてますねー。ちょっと荒削りですが、添削して校正にかけて何回か推敲して貰えれば……」
ミリオン編集者がホワイト先生と共に短編を読みつつ思案しながら言う。
「でしょう? 人物の掛け合いが面白いし、それぞれの個性も出ているわ。私を筆頭に女性小説家数人の作品が収録される短編集に良いと思うの」
「そうですね。短編集のテーマは結婚ですからね……エルシー・マーチャントさん。この短編は一度校正者に見て貰いたいから預かって良いかしら?」
えっ! なんかトントン拍子で話が進んで行くんだが!
「は、はい。構いません。お願いします」
俺は戸惑いながらもうなずいて答えた。
「これは私の名刺ね。渡して置くわ」
ミリオン編集者がポケットから出した名刺入れから名刺を渡してくれた。
『ジェニー・ミリオン
◯◯出発社 ✕✕部門 編集者 ……」
編集者のあとに、連絡先が書かれてあった。連絡先はミリオン編集者が勤めている出発社の編集部だ。
う、うおお! ◯◯出発社と言ったらこの王国では最大手の出発社じゃないか!
「エルシーさんはマーチャント商会の娘さんよね?」
ミリオン編集者の問いに、俺は思わず、こくこくとうなずく。
言葉にせずうなずいたのは驚き過ぎて声が出なかったからだ。
「では添削と校正が終わったら、この原稿と共に私が気になった箇所も手紙で送るわね。それを踏まえて推敲をしてちょうだい」
「は……はい!」
こ、今度は声が出たぞ!
「ミリオンさん。エルシーさんは才能のある子でしょう? 私の見る目も中々だと思わない?」
ホワイト先生がご満悦の表情で、ミリオン編集者に問い掛ける。
「はい。これで短編集に収録する作品が一つ決まりましたよ」
ミリオン編集者がホワイト先生に笑顔で答える。
「うふふ……そうでしょう。……ああ、ところでエルシーさんとのお話しは全て終わったかしら?」
「はい。必要なことは終わりました。私はエルシーさんの長編を読ませて頂きますね」
「ええ。あちらにソファがあるから、座りましょう。そして三人で、エルシーさんの長編の良い点と改善点をお話しして行きましょうね?」
え、だ、ダメ出しされるのか?
俺はとたんに怖気づいてしまう。
「あらあら、そんなに怯えた表情をしないでちょうだい。キツい言い方はしないから。ねえ? ミリオンさん」
俺の様子に気付いて、ホワイト先生が優しい言葉を掛けてくれる。
「ええ。言うべきことは言いますけど、キツい言い方はしないわ。人は褒めて伸ばすものですから」
「は、はい! ありがとうございます。宜しくお願いします」
二人の気遣いに感謝しながら俺は頭を下げた。
「エルシー! 頑張ってー! 私もチャンスを掴んでみせるからー!」
はっ、と気付くと、マライアとデンゼル先生が何やら飲みながら談笑している。
どうやら、マライアはデンゼル先生に気に入られたみたいだ。
よ、良し! 次は俺だ!
俺はホワイト先生とミリオン編集者を追って歩き出した。
(続く
俺は今、マライアと二人でサロンへ訪れている。時刻は午後の六時だ。
二度目の今回はマライアに連れて来て貰った。
俺ことエルシーはまだ未成年。
いくらサロンへ入る資格があっても、未成年の場合は成人年齢に達している誰かに連れて来て貰わなねばならない。
その点、マライアは成人しているし、前回、演劇関係者に顔を売りまくってサロンへは出入り自由。
だから、今回はマライアと二人で来たワケだ。
ダリルはマーチャント商会で、何やら残業をやっているらしい。
しかし、マーチャント商会は残業無しのはずなんだが……?
ダリルは何をやってるんだろう?
俺は、エルシーの両親がダリルに残業させるとは思えない。
短期間の出張みたいなものはあるんだが。
残業は……あ、この王国では時間外労働って言い方が定着してるんだった。
うちの屋敷にも、時間外労働を強いられている使用人はいない。
ちゃんと、仕事の時間が決まってるんだ。
本当に……ダリルは何をやってるんだろう?
ダリルはシロに近いグレーだったな。
でもダリルに限って――って考え方が不味いか……。
う~ん。どうしてもクロとは思えないけど……シロとも言い切れない感じになって来たなぁ。
「あっ! エルシー! モニカ・ホワイト先生がいらっしゃったみたいよ」
赤紫のマーメイドドレスを着たマライアの声で我に返る。
長い栗色の髪、青い瞳、知的で優しげな微笑を浮かべたモニカ・ホワイト先生……。
今度は……プロットはエルシーだけど、俺が書いた短編と長編……どんな評価をされるんだろう……。
ごくり、と唾を飲み込んで、俺はホワイト先生のほうへと歩き始めた。
「あらあら、エルシーじゃないの! いつサロンに来るかと心待ちにしていたのよ!」
ホワイト先生は俺を見つけて笑顔でこちらに歩いて来る。
「今日は私の同僚と担当編集者も一緒に来ているの。ちょうど良かったわ」
同僚と担当編集者……!
以前の俺が生きていた世界で……渾身の作品を公募に送ったら……二次選考落ちで……めちゃくちゃキツい選評が返って来たことがあったな……。
それ以来、編集者って聞くと、自然に体が強張ってしまう。
既にプロになった友人から、
「あ~、この人言葉はキツいけど、的を射た意見くれるから、ちゃんと読んでみな?」
と言われたので、泣きながら読んだ苦い記憶が蘇る。
確かに……選評は全て正論だった。
『悪くはないから、この結果にめげず、またチャレンジして欲しいですね』
と最後に書いてあったが、俺はあの公募に二度とチャレンジすることはなかった。
正論だろうが言い方があるだろう!? 言い方が!!
俺の渾身の作品を上から目線で選評して! 一体、何様なんだ!!
……とか怒ったところで意味は無いんだけどな。
何様って……編集者様なんだよ。
しかも友人曰く、有能な編集者だそうだ。
「エルシー……どうしたの? 具合でも悪いのかしら? さっきから顔色が青くなったり赤くなったりしてるわよ」
「あ! はい! ごめんなさい! ちょっと立ち眩みしちゃってて……。二週間振りですね。お会い出来て嬉しいです。ホワイト先生」
俺は気を取り直してペコリと頭を下げた。
「あらまあ、そうなの? あなたはまだ若いんだから、体調が不安定な時もあるんでしょうね? 無理しちゃダメよ?」
ホワイト先生が俺を気遣ってくれる。
改めて……優しい先生だなあ。と思う。
「始めまして、エルシー嬢。僕はホワイトと同僚のクレイグ・デンゼルです」
ワイアットと同じくらいの年齢で、黒髪の紳士が俺に声を掛ける。
「で、デンゼル先生!?」
俺は思わず白いワンピースの袖口を握り締めた。
ホワイト先生の同僚!? 先輩じゃなくてか!? ホワイト先生より年齢上……あ、デビューの時期が同じなのかもだ。
クレイグ・デンゼル先生はミステリーを書いているベテラン小説家だ。
エルシーも全部ではないけれど、デンゼル先生のミステリー小説はかなりの冊数を読んでいる。
「ホワイトから聞いた通りの美少女だ。隣の美女もこれまた美しい。私の舞台化作品の主演を頼みたいくらいだ」
デンゼル先生はマライアを見て嬉しそうに笑った。
「あ! 今度、フラワー・サークルシリーズの『リラ殺人事件』が舞台化されると聞きました。マライアは主役のイメージにぴったりだと思います」
俺はエルシーの記憶からデンゼル先生の作品の情報を引っ張り出して言った。
デンゼル先生のフラワー・サークルシリーズは花の名前がタイトルに入っていて、主役はパンジーって名前の華のある美女だ。
しかも魔法使いの子孫って設定なんだ。
これほどマライアに相応しい役があるだろうか!?
「デンゼル先生。私の大親友であるマライアの演技を見て下さい!」
俺はデンゼル先生にも頭を下げる。
「マライアくんと言うのかね! 是非とも見せて貰いたい! ここに私が書いた脚本がある。その中のこの役の演技を――」
デンゼル先生とマライアが話し始めた。
「あらあら、デンゼルったら……うふふ」
ホワイト先生が楽しげに笑う。
俺、ホワイト先生の笑顔好きだなあ。美人だけど、笑顔が可愛くて優しい感じで。
「で、私がホワイト先生の担当編集者のジェニー・ミリオンよ。あなたがホワイト先生のお気に入りのエルシーさんね」
うぉう! 編集者だ! サーヤより若い女性だ!
「は、初めまして。エルシー・マーチャントと申します」
俺は声が上擦らないように気を付けながら挨拶をする。
怖い人じゃなさそうだけど。見た感じ明るい朗らかな雰囲気の人だ。
仕事もデキる人だろうな……。
「こ、これが原稿です」
俺は緊張を抑え付けながら、バッグから出した原稿をジェニー・ミリオン編集者に渡した。
……それから一分後……。
「あらあら。この短編面白いわ。超年の差の恋愛ね……うふふふ」
ホワイト先生が、かつてキャラハン女史も笑ってくれた年の差恋愛コメディ作品を読みながら笑ってくれている。
……良かったぁ~。ベテランのホワイト先生が笑ってくれてるってことは、もう少し自信持って良いのか……な?
「ふふふふ……マーガレットの両親が慌てふためく様ったら……ふふふ」
「ええ、これは面白いですね。今度の短編集に収録を検討しましょうか?」
ジェニー・ミリオン編集者が……編集者が! 面白いって言ってくれた!!
嬉しい! めちゃくちゃ嬉しい!
「構成もテーマもコンセプトもしっかりしてますねー。ちょっと荒削りですが、添削して校正にかけて何回か推敲して貰えれば……」
ミリオン編集者がホワイト先生と共に短編を読みつつ思案しながら言う。
「でしょう? 人物の掛け合いが面白いし、それぞれの個性も出ているわ。私を筆頭に女性小説家数人の作品が収録される短編集に良いと思うの」
「そうですね。短編集のテーマは結婚ですからね……エルシー・マーチャントさん。この短編は一度校正者に見て貰いたいから預かって良いかしら?」
えっ! なんかトントン拍子で話が進んで行くんだが!
「は、はい。構いません。お願いします」
俺は戸惑いながらもうなずいて答えた。
「これは私の名刺ね。渡して置くわ」
ミリオン編集者がポケットから出した名刺入れから名刺を渡してくれた。
『ジェニー・ミリオン
◯◯出発社 ✕✕部門 編集者 ……」
編集者のあとに、連絡先が書かれてあった。連絡先はミリオン編集者が勤めている出発社の編集部だ。
う、うおお! ◯◯出発社と言ったらこの王国では最大手の出発社じゃないか!
「エルシーさんはマーチャント商会の娘さんよね?」
ミリオン編集者の問いに、俺は思わず、こくこくとうなずく。
言葉にせずうなずいたのは驚き過ぎて声が出なかったからだ。
「では添削と校正が終わったら、この原稿と共に私が気になった箇所も手紙で送るわね。それを踏まえて推敲をしてちょうだい」
「は……はい!」
こ、今度は声が出たぞ!
「ミリオンさん。エルシーさんは才能のある子でしょう? 私の見る目も中々だと思わない?」
ホワイト先生がご満悦の表情で、ミリオン編集者に問い掛ける。
「はい。これで短編集に収録する作品が一つ決まりましたよ」
ミリオン編集者がホワイト先生に笑顔で答える。
「うふふ……そうでしょう。……ああ、ところでエルシーさんとのお話しは全て終わったかしら?」
「はい。必要なことは終わりました。私はエルシーさんの長編を読ませて頂きますね」
「ええ。あちらにソファがあるから、座りましょう。そして三人で、エルシーさんの長編の良い点と改善点をお話しして行きましょうね?」
え、だ、ダメ出しされるのか?
俺はとたんに怖気づいてしまう。
「あらあら、そんなに怯えた表情をしないでちょうだい。キツい言い方はしないから。ねえ? ミリオンさん」
俺の様子に気付いて、ホワイト先生が優しい言葉を掛けてくれる。
「ええ。言うべきことは言いますけど、キツい言い方はしないわ。人は褒めて伸ばすものですから」
「は、はい! ありがとうございます。宜しくお願いします」
二人の気遣いに感謝しながら俺は頭を下げた。
「エルシー! 頑張ってー! 私もチャンスを掴んでみせるからー!」
はっ、と気付くと、マライアとデンゼル先生が何やら飲みながら談笑している。
どうやら、マライアはデンゼル先生に気に入られたみたいだ。
よ、良し! 次は俺だ!
俺はホワイト先生とミリオン編集者を追って歩き出した。
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