8 / 9
8
しおりを挟む
「近藤広子さん。蓮本美里さん。滝島奈々さん。そんな皆さんの、お友達。飯田由香がお二人の端末を使って、奈々さんとやり取りしていたんですよ」
「なっ……っ。きょ、今日は……。ずっと……。由香が、してた……」
「いいえ、少し違います。美里さんの裏アカウントはお昼から、広子さんの裏アカウントは、一昨日の深夜から使用していました」
ふふふふふふふふふふ――。
落ち着いた不気味な笑い声と共に、淡々と告げられました。
「実はですね。広子さんがお泊りした、あの日。わたしは真実を知ったのですよ」
「あっ、あの時に……!? ど、どう、やって……」
「お風呂に入る直前にタオルを忘れて戻ってみたら、広子さんがわたしの部屋を勝手に撮っていました。しかも『ブスのくせに』とか『キモ』などと仰っていたので、おかしいと思いましてね。隣の父の部屋にあるデジカメを取ってきて、とりあえず証拠を押さえたのですよ」
ふふふふふふふふふふ――。ひひっ。
落ち着きのなかに、狂気が含まれるようになった。
「それで――。警察の名前を出して問いただしてみたら、広子さんが全て白状してくれました。皆さん裏アカウントで繋がっていて、ずっとわたしで遊んでいたんですね」
「ぁ……。ぁぁ……」
「奈々さん。しっかりと鍵をつけて3人だけの世界を作っても、意味はないんですよ? だってその世界へと入る鍵は、この世界にある端末なんですから」
「ぁぁ……。ぁぁぁ……」
「あの時――。初めて同じクラスになった、中学3年生の時――。声をかけてくれたのはこのためで、ずっと親切にしてくれたのもこのためで、今着ている服を選んでくれたのもこのため。……信頼していた人達…………大事な大事な人達は、偽者だった……。それが悲しくって悲しくって、わたしぃ。ついうっかり、広子さんを殺してしまいましたぁ」
ふふふふふふふ。きひひっ。
落ち着きよりも、狂気の割合が、多くなってしまいました。
「なっ……っ。きょ、今日は……。ずっと……。由香が、してた……」
「いいえ、少し違います。美里さんの裏アカウントはお昼から、広子さんの裏アカウントは、一昨日の深夜から使用していました」
ふふふふふふふふふふ――。
落ち着いた不気味な笑い声と共に、淡々と告げられました。
「実はですね。広子さんがお泊りした、あの日。わたしは真実を知ったのですよ」
「あっ、あの時に……!? ど、どう、やって……」
「お風呂に入る直前にタオルを忘れて戻ってみたら、広子さんがわたしの部屋を勝手に撮っていました。しかも『ブスのくせに』とか『キモ』などと仰っていたので、おかしいと思いましてね。隣の父の部屋にあるデジカメを取ってきて、とりあえず証拠を押さえたのですよ」
ふふふふふふふふふふ――。ひひっ。
落ち着きのなかに、狂気が含まれるようになった。
「それで――。警察の名前を出して問いただしてみたら、広子さんが全て白状してくれました。皆さん裏アカウントで繋がっていて、ずっとわたしで遊んでいたんですね」
「ぁ……。ぁぁ……」
「奈々さん。しっかりと鍵をつけて3人だけの世界を作っても、意味はないんですよ? だってその世界へと入る鍵は、この世界にある端末なんですから」
「ぁぁ……。ぁぁぁ……」
「あの時――。初めて同じクラスになった、中学3年生の時――。声をかけてくれたのはこのためで、ずっと親切にしてくれたのもこのためで、今着ている服を選んでくれたのもこのため。……信頼していた人達…………大事な大事な人達は、偽者だった……。それが悲しくって悲しくって、わたしぃ。ついうっかり、広子さんを殺してしまいましたぁ」
ふふふふふふふ。きひひっ。
落ち着きよりも、狂気の割合が、多くなってしまいました。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
扉の向こうは黒い影
小野 夜
ホラー
古い校舎の3階、突き当たりの隅にある扉。それは「開かずの扉」と呼ばれ、生徒たちの間で恐れられていた。扉の向こう側には、かつて理科室として使われていた部屋があるはずだったが、今は誰も足を踏み入れない禁断の場所となっていた。
夏休みのある日、ユキは友達のケンジとタケシを誘って、学校に忍び込む。目的は、開かずの扉を開けること。好奇心と恐怖心が入り混じる中、3人はついに扉を開ける。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
【完結】人の目嫌い/人嫌い
木月 くろい
ホラー
ひと気の無くなった放課後の学校で、三谷藤若菜(みやふじわかな)は声を掛けられる。若菜は驚いた。自分の名を呼ばれるなど、有り得ないことだったからだ。
◆2020年4月に小説家になろう様にて玄乃光名義で掲載したホラー短編『Scopophobia』を修正し、続きを書いたものになります。
◆やや残酷描写があります。
◆小説家になろう様に同名の作品を同時掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
あるバイク乗りの話~実体験かフィクションかは、ご自由に~
百門一新
ホラー
「私」は仕事が休みの日になると、一人でバイクに乗って沖縄をドライブするのが日課だった。これは「私」という主人公の、とあるホラーなお話。
/1万字ほどの短編です。さくっと読めるホラー小説となっております。お楽しみいただけましたら幸いです! ※他のサイト様にも掲載。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
兵頭さん
大秦頼太
ホラー
鉄道忘れ物市で見かけた古い本皮のバッグを手に入れてから奇妙なことが起こり始める。乗る電車を間違えたり、知らず知らずのうちに廃墟のような元ニュータウンに立っていたりと。そんなある日、ニュータウンの元住人と出会いそのバッグが兵頭さんの物だったと知る。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
白蛇様の祟り
白雪の雫
ホラー
良質の水と温泉に恵まれている若葉村は白蛇様を信仰している村だ。
そんな若葉村に一人の少女が転校してきた。
白蛇信仰を馬鹿にした彼女は儀式の日にご神体を蹴飛ばしてしまう。
ほん〇のように主人公視点による語りで、ホラーものを読んでいたら書きたくなってしまいました。
ゆるふわ設定でご都合主義です。
ホラーのタグがついていますが、そんなに怖くありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる