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《コスメ編は、昨日バッチリ確保したでありまーす! あとは任せましたー!》
《ナナ。頼んだわよ》
《はいはい。腹を抱えて笑えるものを撮ってくるわ》
あれから1日後の午後。
3人で使う裏アカで会話をして、奈々は飯田家のチャイムを押す。そうすればすぐに由香が出てきて、2階にある部屋に案内されました。
「由香、今日もあのワンピースを着てるんだね。似合ってるよ」
「ありがとうございますっ。美里さんも褒めてくださりました」
「そういや、昼間は美里が来てたんだよね? 楽しかった?」
奈々は他愛もない会話を始め、その時を待つ。
カワイイよ――と、心にもない言葉を口にして。
綺麗な部屋だね――と、心にもない言葉を口にして。
20分ほど室内で話しをしていると、下の階にある電話が鳴り響いた。
「ぁ、電話だね。確か、由香の家は共働きだったから……」
「すみません。少し失礼します」
由香はペコリと頭を下げて部屋を出て、その瞬間、奈々のミッションが幕を開けます。
「さって、始めましょっか。アイドル関連のものは、ベッドの下に隠してたんだよね」
奈々は会話をしながら部屋を目で調べており、そこから大きめの箱を取り出しました。
「こんなに大きかったら、グッズがかなり入ってそう。なにがどれだけあるんだろ……?」
ワクワクしながら、箱を開ける。そうしたらそこには、思っていた通り! とある男性アイドルグループの団扇やら生写真やらが、どっさり詰まっていました。
「うわ、コイツってガチのファンじゃん……。あんなヤツに応援されて、可哀想」
奈々はアイドル達を憐れみつつ、スマホで撮影。およそ10分間広子が時間を稼いでくれるので、中身を床に並べて一品ずつ撮っていく。
そうして奈々は引き続き同情と写真撮影を繰り返し、作業は7分でお仕舞い。仕事を終えると慎重に箱を戻して元いた場所に座り、何事もなかったかのように由香を迎えたのでした。
《ナナ。頼んだわよ》
《はいはい。腹を抱えて笑えるものを撮ってくるわ》
あれから1日後の午後。
3人で使う裏アカで会話をして、奈々は飯田家のチャイムを押す。そうすればすぐに由香が出てきて、2階にある部屋に案内されました。
「由香、今日もあのワンピースを着てるんだね。似合ってるよ」
「ありがとうございますっ。美里さんも褒めてくださりました」
「そういや、昼間は美里が来てたんだよね? 楽しかった?」
奈々は他愛もない会話を始め、その時を待つ。
カワイイよ――と、心にもない言葉を口にして。
綺麗な部屋だね――と、心にもない言葉を口にして。
20分ほど室内で話しをしていると、下の階にある電話が鳴り響いた。
「ぁ、電話だね。確か、由香の家は共働きだったから……」
「すみません。少し失礼します」
由香はペコリと頭を下げて部屋を出て、その瞬間、奈々のミッションが幕を開けます。
「さって、始めましょっか。アイドル関連のものは、ベッドの下に隠してたんだよね」
奈々は会話をしながら部屋を目で調べており、そこから大きめの箱を取り出しました。
「こんなに大きかったら、グッズがかなり入ってそう。なにがどれだけあるんだろ……?」
ワクワクしながら、箱を開ける。そうしたらそこには、思っていた通り! とある男性アイドルグループの団扇やら生写真やらが、どっさり詰まっていました。
「うわ、コイツってガチのファンじゃん……。あんなヤツに応援されて、可哀想」
奈々はアイドル達を憐れみつつ、スマホで撮影。およそ10分間広子が時間を稼いでくれるので、中身を床に並べて一品ずつ撮っていく。
そうして奈々は引き続き同情と写真撮影を繰り返し、作業は7分でお仕舞い。仕事を終えると慎重に箱を戻して元いた場所に座り、何事もなかったかのように由香を迎えたのでした。
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