64 / 96
第5話(17)
しおりを挟む
「本当っ!? 約束だよ、修助君!」
「ああ。約束」
それを聞いて、レートの顔にようやくいつもの微笑みが戻った。視線も、再び僕の目へと戻る。
「……ずっと、いつ言えばいいか悩んでたんだけど、逃げずに言えて良かった」
「レート……」
「な、なんだかほっとしたら眠くなっちゃった。ぼ、ボク、先にお休みするね」
「ああ」
いそいそと窓を閉めて室内に入るレート。
その姿を見て、僕は誰にも聞こえないように呟いた。
「ホント、優しいな」
さっきまでの話、あれは一部を除いて嘘だ。自分では気付いてないようだけど、僕にはすぐわかる。
レートの視線を逸らす仕草は、困っている時や悩んでいる時、いけないことをした時に起こる。
僕が初めてそれを見たのは、レートが来てくれてから五日目の日曜日。
当時は、新しい環境への不安から食が細かったレートのために、僕は三食一緒に食べていた。そしてその日の晩ご飯、から揚げを食べていた時、初めてレートが食べ物に興味を示しよだれを出した。でも、ちょっぴり分泌量が多くって地面に置いてた皿にあったから揚げがびしょびしょに。結局、それは食べれなくなっちゃった。
そんな時、レートが「くぅ~ん」って鳴いて、視線を逸らした。
僕はおかずが無くなったことより食欲が出てくれた方が嬉しかったから気にしないように撫でてあげたら、僕の目を見て小さく「ワン」って吠えたあと、顔を舐めてくれた。
その姿がレートの優しさを物語っているようで、すごく印象的で忘れることができなかった。
ようするに。あの話で真実は、僕とマシマロを大切って言ってくれたことと、悩んでいたけど逃げずに言えて良かったの二つ。
レートはあえて悪役になって、僕を幻滅させようとしていたんだ。今までの自分の立場を、積みあげてきたモノを捨ててでも、お姉ちゃんを推したかったのだ。
「ああ。約束」
それを聞いて、レートの顔にようやくいつもの微笑みが戻った。視線も、再び僕の目へと戻る。
「……ずっと、いつ言えばいいか悩んでたんだけど、逃げずに言えて良かった」
「レート……」
「な、なんだかほっとしたら眠くなっちゃった。ぼ、ボク、先にお休みするね」
「ああ」
いそいそと窓を閉めて室内に入るレート。
その姿を見て、僕は誰にも聞こえないように呟いた。
「ホント、優しいな」
さっきまでの話、あれは一部を除いて嘘だ。自分では気付いてないようだけど、僕にはすぐわかる。
レートの視線を逸らす仕草は、困っている時や悩んでいる時、いけないことをした時に起こる。
僕が初めてそれを見たのは、レートが来てくれてから五日目の日曜日。
当時は、新しい環境への不安から食が細かったレートのために、僕は三食一緒に食べていた。そしてその日の晩ご飯、から揚げを食べていた時、初めてレートが食べ物に興味を示しよだれを出した。でも、ちょっぴり分泌量が多くって地面に置いてた皿にあったから揚げがびしょびしょに。結局、それは食べれなくなっちゃった。
そんな時、レートが「くぅ~ん」って鳴いて、視線を逸らした。
僕はおかずが無くなったことより食欲が出てくれた方が嬉しかったから気にしないように撫でてあげたら、僕の目を見て小さく「ワン」って吠えたあと、顔を舐めてくれた。
その姿がレートの優しさを物語っているようで、すごく印象的で忘れることができなかった。
ようするに。あの話で真実は、僕とマシマロを大切って言ってくれたことと、悩んでいたけど逃げずに言えて良かったの二つ。
レートはあえて悪役になって、僕を幻滅させようとしていたんだ。今までの自分の立場を、積みあげてきたモノを捨ててでも、お姉ちゃんを推したかったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる