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4章

竜王国へ  〜アン編〜

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基本的な薬草の知識と、マナの扱い方を教え。依頼達成の報告をしてから、宿に戻る。
宿に戻ると、アルが待っていた。
夕食には少し早いが、場所をかりて食堂の奥の席につく。

「カミーユさんと話たよ。
そんな危険な旅になんで行かなきゃならないんだよ。なんのために…」
とアルは苦しそうに言う。

「納得がいかないってこと!?」
「あぁ。そうだよ。納得いかない」
「あなたが決めることじゃないわ」
「た、確かにそうだがカミーユさんが決めることでもないじゃないか」
はぁ。少し面倒だわ。
「あなたに説明する必要を感じないわ」
「俺にはあるんだ」
と小さくつぶやく。


と、私とアルが睨み合っていたら今まで口を挟まなかったセレンが話出した。

「あなたはこの町で生まれた。
この町で育った。

私は、どこで生まれたのか自分の種族さえ知らない。知りたい」

「危険な旅になるのに!?」

「竜王国に渡れるチャンスは、そうそう来ない」

「じゃあ、いつ帰って来れるかもわからないじゃないか」


「私の故郷はここじゃない」

「じゃあ、2度と会えないってことじゃないか」


「それでいい」
とセレンは、部屋に戻ると私にいい階段の方へむかう。

「あなたの気持ちはただの押し付け。人を思うってそんな簡単なことじゃないわ」

「俺らは、長寿なんだ。そんなに急がなくてもチャンスはあるだろう」

「だから、押し付けよ。自分の種族がわからない以上時間があるかどうかもわからないわ。人間かもしれないのよ」

ハッと目を見開き、びっくりしている。

「そうなの!!?人間!?
俺、人間に会ったことないからわかんないけど…」


「とにかく、私達の旅にあなたを連れては行けない。足手纏いだもの。
悔しかったら自分を磨きなさいな。
セレンが振り向いてくれるような素敵な人になればいい」


「わかったよ」

不貞腐れた様にいうと、去っていった。
会う人会う人に、分かってもらおうとは思わないけれどこういうのはありがた迷惑だわ。
無駄に疲れる。

少しして、カミーユが帰ってきた。
すぐに、私を見つけて席につく。

「セレンは!?」

「2階よ」

「呼んでくるか!?」

「お腹が空いたら、降りて来るわよ。
小さい子供じゃないんだし」

「そうだな。何かあったのか!?」
「アルがね、、」
「あぁ、そうか。お疲れさん」

「すんませ~ん、エール2杯ください」

そうね。
こんな時くらい、飲んでいいわよね。


「ところで、今日は何してたの!?」

「情報収集と、俺の拠点引き払う手続きとか、色々」
そうよね。カミーユにも生活があったのよね。
「拠点はこの町じゃないのよね。手続き面倒くさかったんじゃないの!?」
「そうでもないさ、荷物はアイテムボックスに全部入ってるから」
「そっか。冒険者はいつでも身の回りの片付けはしとかなきゃだったわね」
「そう、そう」
「で、情報は!?」
「うん。そのことなんだけどさ、俺向こう行くのやばいかも」
「え、どうして!?」
「全然、関与とかしてないしむしろ今日知ったくらいだから。
けど、ハリー拉致したの俺の兄貴らしいんだよ。あっち着いたらいきなり捕まったりしないよな!?」
えっ!?そうなんだ。お兄さん。
でも、チェイスの話だと私自身も捕まるかもしれないのよね。
「向こうに着いたら2人で牢屋行き!?」
とカミーユを見ると、ハハハと笑い
「そうならないための情報ですよ。お姉さん。今日は港で聴き込みしてみてそんなこと聞いたからさ、情報もらえそうなとこには鳩便飛ばしておいた。明日には、帰って来るだろ」
「そう、じゃあ明日も別行動ね。
また、薬草採取にでも行って来ようかしら」
「そうだな。船も3日後とは言ったけど予定通りに入って来るかもわかんないし」

船に乗れるまでは薬草採取とマナの扱い方の練習でいいかもしれない。
あ、教会。
忘れないうちに明日行ってこようかしら。









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