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3章

竜王国

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お見送りに、ゴードンが慌てて出てくる。「義兄上、急なご出立で」
「すまん。ゴードン、詳細は、ヴィに聞いてくれ!では、行ってくる。すぐに戻る!」
俺、カン、ミゲルは最速で行く為馬車ではなく馬に乗って走る。ミゲルの後に続き前だけを見て!日が真上に来る頃屋敷についた。
使用人達は、ミゲルを見つけビックリしたように1人の侍女が寄ってくる。
「ミゲル様、どうされたのです!?」
「先王様にお目通り願う。大至急だ」
「は、はいィ~」声を裏返しながら、ミゲルの剣幕に驚き屋敷の中へ走り去る。
ミゲルさん、ご健在ですね‥‥‥
すぐに、さっきの侍女が走ってきてこちらへと促す。
応接室に通される。
俺はソファーに座り後ろに、ミゲルとカンが立つ。
数刻、応接室にお爺様が入って来る。
「おお、ハロルドか!久しいではないか」
久しぶりの再会を喜び合い、そそくさと本題に入る。
「お爺様、神威へ連れて行ってください」
「なんと!?なんだ!?何かあるのか!?」
嬉しそうだ。目を輝かせて俺をみる。
お爺様ってこんなお人だったか!?
俺の中のお爺様像がガタガタと音を立てて崩れる。
「こっちだ」と、隠し通路を通り魔法陣の間へつく。
行動ハヤッ!!
とにかくクレアに会ってヴィのことを相談しなければ。
お爺様を押し除けて魔法陣に乗る。
「クレア!!クレア!」
神域についてすぐ、声を張って名前を呼ぶ。

「こっち。ハロルド久しぶり」
と、声のする方へ走る。
「待て!ハロルド」と、お爺様も追いかけて来る。
いつもの東屋に座りヴィの現状を話す。
クレアは、考え込み、お爺様はオロオロと泣き出してしまう。
お爺様、本当にどうなされたのか‥
威厳に満ちたあのお姿は何処へ‥‥‥

「ハロルド、ヴィの元へ連れて行ってくれる!?その前にちょっと準備して来る。シリウスと、屋敷で待ってて~」
と言い残し消えた。
お爺様の屋敷へと戻り、お茶を頂きながら近況報告。
もう、3度目だが何度話しても泣きたくなる。
早く帰りたい。
ちょうど話を終えた頃クレアが現れて
「行こう~」
やっぱり、気が抜ける。
急ぎヴィの元へと馬を飛ばす。

辺境伯邸に着いたのは、日も暮れ晩餐の時間も大分過ぎた頃だった。
すぐにゴードンの元に向かった。
「ヴィとは、話できたか!?」
と問うと、「はい」と真剣な返事が返ってきた。
「では、話を聞いてくれる!?」
とクレアはいつにもなく真剣だ。
「ヴィは、身籠っているのよね。なぜ早く報告してくれなかったの!?知らせてくれさえすれば苦しませずに済んだのに」
と、わけわからん。
隣でお爺様もウンウンと頷いている。
俺とゴードンは何を言っているのかハテナマークだぞ!
「どういうことだ。クレア」
「ヴィは、半神半竜人」
何を言い出すのか!?俺はわからず問い返す。
「どういうことだ!?さっぱりわからん」
「はぁ、ハロルドはそうよね。あのダイアナでさえアシェルがお腹にいる時はリアムが神威に毎晩連れてきた」
ん!?頭の中を整理する。アシェルは、母上のお腹から生まれたが父王とクレアの子。
お腹の子が半神半竜人。うん。
ヴィは、半神半竜人。
あ、そうか。母上のように神域で過ごせば
体調も安定するということか!?
クレアさん、言葉足らずですよ。俺でさえわけわからん話にゴードンはもっとわけわからんだろうに‥
とゴードンに視線をやると、ウンウンとクレアに話の続きを促す。
「この館に魔法陣を置く。ヴィは自分で神域に来るの」
と言ってのける。
そんな簡単に置けるの!?魔法陣!
それで解決なの!?
俺だけが話についていけないみたいです。
やはり俺は脳筋だ!脳筋なんだ!!





















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