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第六層 馬鹿っプル無双 編

エリートダンジョン。

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 俺が回帰してから今まで潜ってきたダンジョンと言えば。

 無双百足ダンジョンだとか。
 餓鬼ダンジョンだとか。
 ダンジョン統合体とかだったけど。

 言っとくが、あれらは結構珍しい部類だからな。

 今の段階だと、多くのダンジョンはゴブリンやコボルト、オークといった、いわゆる『低級モンスター』を、それも一種族のみを戦力の主軸としていて、それが主流となってるはずだ。

 何故そうなっているのかと言えば、ダンジョンコアを魂に組み込み、ダンジョンマスターだった無垢朗太と魂を共有するようになったから分かるようになったんだが、『それはそれでメリットがあるから』らしい。

 そのメリットというのは、

 まず、生まれたばかりのダンジョンが低級モンスターを選ぶのは創造のコストがかからないからだ。さらに一種族に絞るのは、繁殖の環境を整えやすいからで、つまりはこれもコストを抑えつつモンスターの数を揃えやすくするためらしい。

 このセオリーに反して強すぎるモンスターを最初から創造してしまったり、数合わせに他の種属を同時に創造してしまったりするとどうなるか。
 ダンジョン内の秩序を整える前にそれらが共食いを始めたり、違う生態の種族が混合しては繁殖するに適した環境を整えにくくなったりと…つまりはコストがかかり過ぎてしまうしそれに、強すぎる敵を敬遠して人間が寄り付かなくなってしまう等、デメリットが多くある。これでは運営事態が難しくなるし、魂を吸収しにくくもなるしで悪循環に陥る。

 それが低級モンスターの単一種族となれば創造のコストと繁殖促進のコスト両方が安く済み、人間側としても狩りやすく訪れやすくもなり、それはダンジョン側としても魂を集めやすいという事となり、モンスターを多く狩られても元が低級なので補充も利きやすい。

 それに弱いモンスターというのは成長しやすいし進化もしやすいからな。

 『進化して強くなった個体が増えたら、新たな階層を増やしてそこに住まわせる』という事を繰り返していくうちに元がとれるようになる。
 そうなる頃にはダンジョン内の秩序も整っているから中級モンスターや上級モンスターを創造して迎え入れる余裕も出来ている…と、このようにメリットは多い。

「だから、生まれたばかりのダンジョンっていうのは…」

 例えば生前から無属性魔力を使えていた無垢朗太がダンジョンマスターであるとか。
 雷属性の権化のようなヌエが封印されていた場所だとか。
 毒属性の魔力を引き受ける宿命に生きたキヌさんが封印されていた場所だとか。

 他にも、

 霊力や魔力が淀みやすい廃坑や湖だとか。生命力に溢れた森や海だとか。曰くつきの…古戦場や事故物件などの恐怖スポットだとか。地脈が交差するパワースポットや結界に守られた寺社仏閣だとか。曰くつきの物品がアイテム化してダンジョンコアとなる場合だとか。 

「──そういった、特殊かつ有利な立地条件にないなら、大概のダンジョンが単一種族かつ、ゴブリンやコボルトやオークなどのポピュラーな低級モンスターを戦力の主軸としています。」

「ふむふむ…」

 
 と大家さんへの指導も兼ねて俺は今、そのありふれた?ダンジョンの一つに訪れている。


 ──ここはゴブリンダンジョン。


 ゴブリンダンジョンとはその名の通り、生息するモンスターがゴブリンのみで構成されたダンジョンの事で、ここまで説明した様にダンジョンとしてありふれた部類とされている。

「それでも、馬鹿にしたもんではありません」

 低級モンスターの中でゴブリンという種族は、小さいとか醜いとか色狂いだとか繁殖力が凄いけど弱いとか、だから群れるんだ、とか…そんな弱点ばかりに目が行きがちだが。

 ゴブリンという種族は弱いだけに創意工夫を凝らす事を普通としていて…そう、欲深いだけでなく貪欲に学びとる事もする。
 しかも群れでの行動が基本となっているのでそうやって身に付けた知恵をすぐ共有してしまう。それを機に文明らしきものを築いて纏まって進化する場合まである。 
 それは鍛冶師や薬師のような、他のモンスターにあまり見ない生産系のジョブ特性を持つ進化種が生まれるほどだ。

 前世では、素早さと連携を強みとするコボルトはオークに強く、力押しが強みのオークはゴブリンに強く、知恵に富んで罠の活用も得意とするゴブリンはコボルトに強いと考えられていて、『低級メジャーモンスター三竦み』と揶揄する風潮があったが…とんでもない。

 俺の経験的には、ゴブリンとは『低級モンスターの中で飛び抜けて厄介な種族』という認識だ。 

「そんな厄介な生態なので、ゴブリンの場合は群れごとに特徴があったりします。
 なので『ゴブリンなんてどれも同じ』なんて高を括っていると簡単に足をすくわれてしまいますからね。気を付けるべし、です」

「んっ、さすが均次くんっ、ためになるっ」

 と、こうして大家さんにアドバイスする度にフスフスと鼻息荒く可愛らしいリアクションが返ってくるのを楽しみながら、もう結構な距離を歩いているのだが、

「…ゴブリン、中々現れてくれない…ね」

 と、少し残念そうにもしている大家さん。でも、

「それはここが、普通のゴブリンダンジョンではないからです」

 そう、ここは前世では『ありふれたゴブリンダンジョンに類しながら特別に凶悪なダンジョン』として有名だった。

 ──その名も『ゴブリンエリートダンジョン』。

 ここは僻地で人里からも遠く、いわく付きの土地でもなければパワースポットでもない。つまりはダンジョン的には不利な立地条件に在る。

 でも、そんな場所に根差してしまったからこそ、このダンジョンなりに考えた。

 かかるコストを度外視して、ゴブリンはゴブリンでも最初から進化種のみを創造したのだ。

 だからの『ゴブリンエリートダンジョン』なのであり、だから今のところ生息するゴブリンの絶対数は少ない。だから俺達は中々遭遇出来ずにいる。

 実際に『これは…実に忌々しい事だがと付け加えるが、良い狙いではあった…な』と付け加えながら【学者】ジョブの人が言っていた事だが。

 ゴブリンは種族特性として【繁殖力強化】というスキルを必ず持っている。

 これは同じく繁殖力の強い餓鬼ですら持たないスキルで、ゴブリンをゴブリンたらしめる特別なスキルと言える。

 ただし、進化種ともなれば通常種より強くなるのは当然で、強い生物ほど繁殖力が弱くなるのは世界の理。

 ここに生息する進化ゴブリンもその例に漏れず、このスキルの効果を低下させていた。

 しかし、それでもだ。

 一段階や二段階の進化であるなら弱体化した効果でも発揮はされる。

 他の低級モンスターの通常種より下回ると言っても、殆んど変わらないくらいの繁殖力を残していた。

 そして進化種同士で交配すれば?次に生まれるゴブリンは必ず進化種となるのだから恐ろしい。

 このダンジョンは僻地であるここが人間から発見されにくい事や、旨味のない土地として他ダンジョンから軽視される事を逆に利用し、ぬけぬけと進化ゴブリンのみで構成された大戦力を整えようとした。

 そして前世では実際に人間側の発見は遅れていた。他ダンジョンも侮って相手にしていなかった。そうしてこのダンジョンに戦力増強の準備を完全に近く整えさせてしまった。

 多種多様な進化を遂げたゴブリンのみで構成された大軍勢。

 それを率いるは群れの全てを極限まで強化する上、配下の数だけ能力を上昇させるゴブリンキング。

 しかも繁殖に特化したクイーン種まで生まれていた。それも複数、ダンジョン最深部で守られていた。

 
 …つまり状況は最悪だった。


 人間側も中堅以上の魔力覚醒者、つまりは強者のみ、しかも軍隊単位で揃えなければならなかった。

 それでも激戦…いや、倒しても倒してもクイーン達によって追加される進化ゴブリンの大軍勢を前にして、さらにはその配下の数によって強さが決まるキングは強力さを失わず、ゆえに悪夢のような大苦戦とならざるを得ず……討伐を完了させた頃には、大勢いた強者達も半数以下に減ってしまった。

 それは、人類側にとって大きすぎる損失だった。

 何故ならこの大戦争を契機に人手が圧倒的に不足したからだ。

 各地でモンスター被害が急増、治安も低下、犯罪こそを当たり前とする悪党勢力が台頭した。ただでさえ進んでいた文明衰退はさらに加速した。


(…でもな。今世ではそうはいかない。)


 だって『二周目知識チート』を持つ俺が来たのだから。今世ではそんなことを許すつもりは、勿論ない。

(今回は大家さんの強化を目的に訪れたが…)

 そのついでに繁殖して軍隊と呼べるくらいに数が揃ってしまう前に、このダンジョンを完全討伐するつもりだ。

 それに、

 俺とは違ってレベルアップが出来る大家さんに、弱いモンスターと無為に戦わす事はしたくなかった。

 何故なら彼女はもう既に強いからだ。それもかなり。このまま弱いモンスターを大量に倒せば大した負荷もなく無駄にレベルだけが上がってしまう。

 つまりはスキルの取得や成長に必要な負荷が得られないまま器礎魔力だけが上がってしまい…その後は?

 そう、さらに負荷を得にくくなってしまってスキルが育ちにくくなる。のちのちに大変な苦労をする事になるだろう。

 もしそうなった場合は才子のように早々にジョブチェンジしてもらうという、あまり旨くはないが逃げ道的な措置もあるにはある。

 だが大家さんが就いた『座敷女将』というジョブは優秀過ぎる。このジョブは是非とも極めてもらいたい。
 
 
 なので、


 大家さんには普通なら格上である進化ゴブリン相手に、俺の木刀(小太刀型)を使ってもらい、俺と同じように【斬撃魔攻】【刺突魔攻】【打撃魔攻】【衝撃魔攻】の基本魔攻スキルを同時発動する訓練を積んでもらう。そうさせるのは、まずは接近戦に強くなってもらうためだ。

 さらに負荷を上げるべく、アクティブスキルである【加速】と【身体強化】を封印してもらう。
 変な話だけど、使わない方が負荷になってスキルレベルが上げやすいんだよな。身体能力強化系は。

 【運属性魔法】の方は使ってもらう。こちらは使わないとスキルレベルが上がらないからな。

 【魔力練生】はスキル習熟に効果があるらしいので発動してもらう。

 そして出来るだけ器礎魔力の相乗効果も駆使してもらう。実はこの相乗効果って戦いながらだと結構難しいんだよな。戦う時にこそ威力を発揮するんだけど、スキルとは別枠の裏技だからな。しょうがない。

 これら俺の注文全てを試してもらうと、当然こうなる。

「…って、出来ないよ!?脳が、焼き切れっそう…に…均次くん、は、いつもこんな事しながら、戦ってる、の?」

 と苦しそうに聞いてくる大家さんに俺はこう答えるのだった。

「俺の場合は器礎魔力の相乗効果は常に利用してますし、パッシブ系スキルのオンオフ切り替え、もしくは強弱を付けたりを同時にやってます。相手が強ければ強いほど良いフェイントになりますからね。
 勿論、他のスキルを使ってる時も全部同時にやってます。そうしないと本当に使いこなせてるとは言えないし、どんなにスキルレベルが上がっても実戦では活きないので。
 最近じゃ【大解析】も同時発動してますよ?それで範囲内の敵の全ての魔力の流れを同時解析しながら戦ったりしてます」

 って答えたら

「化物…?」

 って言われて、 

『化物やめぃっ!』

 って何故か無垢朗太が反応していた。

(まあ、確かに。これはスパルタ過ぎかもしれないな…)

 だって、俺の場合は前世で何年も試行錯誤した経験がある。しかも今世では『魔食』で肉体をアホほど強化している。その肉体には当然、脳も含まれてる訳だから、スキルの恩恵や器礎魔力の相乗効果を抜きにした素の演算能力も人外領域になってきている。

(正直言えば…ステータス的にはこんなにも優遇されてる大家さんよりもさらに、条件が整ってたんだよな…俺は)

『それでもこれくらいはやってもらわねば。乗り越えられぬようなら…お前と並び立つなど夢のまた夢だろう』

 そう、無垢朗太の言う通り。これは大家さんにとって必要な試練であり、俺と同行する以上はこれくらい乗り越えてもらはなければ困る。

 確かに大家さんの【MPシールド】は分厚く、俺とは違ってそのシールドには中身もある。対物理でも対魔法でも優秀な防衛性能を備えている。

 でもこうして接近戦に強くなっておけば、被弾そのものが少なくなる。つまりは窮地に追い詰められる頻度が減る。もし窮地に追い込まれても死ににくなる。

(多分、おそらく、いやきっと)

 このまま普通に強くなれるだけだと、大家さんはいつか大ダメージを被る日が、必ず来る。そんな確信が、辛い事だが…俺にはある。 

 つまり、俺は大家さんに降りかかるであろうその窮地をこそ、基準に考えている。

俺と共に戦うという事は、普通ではない危険が付きまとうのと同義。もはや必須となりつつある『二周目知識チート』の活用と、その副産物として恒例となりつつある予測不能な展開。あれらはどんなに準備して有利に進めた状況だろうが、簡単にひっくり返されてしまうまでがセットとなっている。

 正真正銘諸刃の剣。つまり俺と同行すればいつか必ず、その窮地に巻き込まれる。

(どんな状況だろうが守ってみせる。そんな事を前に言ったし、確かに格好だけは良かった…けど、)

 ──あの時。

 大家さんに指摘された通りだった。そんなのはきっと不可能な事。そんな事を軽々しく言う事の方がそもそもの無責任。

 少し話が変わるが、鬼怒恵村周辺の資源やダンジョンを調査したのも、才子に誰でも食べれる魔食料理を研究してもらう事にしたのも、急に村人達をチュートリアルダンジョンに挑戦させたのも、その村人全員を集め、面通しして無理矢理にでも繋がりを持とうとしたのも、俺のためだ。

 そう、あれは、俺達の拠点とする以上、俺のとった行動が巡りめぐってあの村に災厄をもたらす場合だってある。そんな事態を想定しての事だった。

 だから、ヌエの俺への警戒も当然の事だと受け止めた。度重なる挑発や襲撃に耐えていたのはそのためだった。

(まぁ結局は返り討ちにしちゃったけど)

 つまりは、俺という爆弾を抱えてもらった事で備えてもらう必要からとった富国強兵ならぬ、『富村強兵』政策だったのだ。

(今頃は俺が渡した資料を元に、義介さんと才子が村の強化に努めてくれてるはずだけど…)

 本来ならそれを大家さんとキヌさんが協力して、多岐に渡ってサポートする手筈だったんだが…。

(正直、そこから大家さんが抜けた穴は、かなりデカい)

 その穴を補填しようにも、ヌエのアホには村を守る役割があるし、才蔵には将来を見据えた自分磨きを兼ねて、チュートリアルダンジョンが消失するその時までは待機してもらわねばならない。つまり、今の段階で手が空いている人材はいない。大家さんが抜けた穴を埋めるのは中々難しいだろう。

(というか、説明会で大家さんがあんな暴挙に出たのは、そういった役割を放棄するためだったんだな)

 だから大家さんには、それ相応に頑張ってもらわねばならない……いや。

(村の事にしたって、大家さんの事にしたって、結局はどれも俺の都合だ)

 それも重々に承知していて、それでも、

(俺はもう、大家さんから離れられない)

 そうだ。こうして生きるも死ぬも一緒と決めた以上は最大限に生きてもらいたい。

 なるべく永く一緒に生きていたい。大家さんが逝く時は俺も逝く時。

 それぐらいにもう、なくてはならない存在。

 ならばそれぐらいに強くなってもらはなければ。

 …重ね重ね自分勝手な話だが、これが本音だった。

「ん、均次くん、気配がする。」

 おっと、いよいよ進化ゴブリン部隊のお出ましか。

「じゃぁ、強くなりましょう大家さん…一緒に」

「……んっ!」

 俺は元気よく返事をする大家さんに、なるべく明るい顔で頷いた。

 そうだ。俺達の未来は俺達で明るくするしかない。

 なんて言うには血生臭いが、今回の戦いはその、第一歩だ。

 
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