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2章
☆レイと片喰 ※片喰が攻められる表現があるので注意
しおりを挟む薬を飲まされても服を脱がされることに抵抗する片喰に、レイは諦めて服の上から体をなぞった。
「う……っ」
ぞわぞわと爪先から脳天まで走るくすぐったさに思わず漏れ出そうになった声を噛み殺してなんとか抑える。
自分でもわかるほど片喰の身体は末端まで熱を帯び、火照っていた。しっとりとする首筋に頬擦りするレイの髪ですらうっかり上擦った声が出そうになるほど感度が高まっている。
片喰は知る由もないが、内科医のレイはルイよりも製薬や調剤が得意だった。
レイは片喰に馬乗りになり、自身のニットを捲りあげると見せつけるように扇情的に腰を揺らして尻を押し付けた。黒いスキニーのようなぴったりとしたパンツごしにレイの冷たい体温が伝わる。
「っ、ん……」
ルイと同じ顔でルイにはないような妖艶さを纏うレイをなるべく見ないようにと片喰は固く目を閉じる。レイはゆるゆると動きながら焦らすように片喰の鼠径部を爪で撫でた。
「あっ…」
片喰のスラックスが震える。硬い生地のスラックスではわかりにくいが、その震えは確実に片喰の興奮が持ち上がっていることを示していた。
レイは自分自身を片喰の持ち上がった部分に当て、擦るように優しく腰を動かす。刺激を与えられた片喰は布越しとは思えないほど跳ねて仰け反った。
「うっ、ぁ…!」
「きもちいい?」
「や、やめ…ろ…!」
拒絶の声も熱く上擦ってねだるようにも聞こえる。
般若心教や新卒時代の大きな失敗などを思い出そうにも頭には霞がかかってはっきりと考えられない。完全に思考が感覚に吸われていた。
「…俺、上手だって。言われるよ。…ね?痛いことしないから、力抜いて…」
「ぁっ…」
レイの指が器用に片喰のスラックスのホックを外してファスナーを下げ、あらわになった張り詰めている群青色の下着に触れる。布越しでもわかるほど熱く、先の方はぬらぬらと光るしみができていた。
弛緩した体では蹴飛ばすこともできず、抵抗できない片喰はレイの腕を掴むと両手に目一杯の魔力を流し込む。勢いよく湧き出した植物の蔦はレイの腕を巻き取り、その細い腰を押さえつけた。
「は、はぁ…っ、レイ、やめ…」
油断すれば間違いが起こってしまいそうな渦巻く興奮を抑え、掠れる声で片喰は懇願する。
糸が切れそうになる瞬間、遠くから心地よい下駄の音が聞こえた。
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