わるいむし

おととななな

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 新汰が見つめる画面の中で、升谷は恥じらう素振りもなく痴態を晒している。
 なぜどうしてと理由を探すが、思考はすぐに画面の中で繰り広げられる光景に奪われていってしまう。
 升谷は自分の指を口に含むと、ちゅぱちゅぱとしゃぶりはじめた。
 あの時耳に入ってきた粘着質な水音はこの音だったのか。
 まるで甘いアイスクリームでも舐めているのかと思うくらい美味そうに指をぐっしょりと濡らすと、升谷は何の躊躇いもなく自分の後孔につぷりと差し込んだ。
 知識としてはあったが男が後孔を使っている姿を見るのは初めて。
 元々何かを入れる器官ではないため、そんな小さな窄まりになんかに絶対に入らないだろうと思っていた。
 だが、升谷の後孔は柔軟に綻び指を二本飲み込んでいてもまだ余裕がありそうだ。
 ねじ込みたい…
 画面を見つめる新汰の中に強烈な欲望が生まれてくる。
 あのいやらしい孔に、自分の欲望を突き立てて掻き回してやりたい。
 めちゃくちゃに突き上げて泣かせてあの薄い腹の奥にぶち撒けてやりたい。
 新汰は荒々しい手つきでデニムの前を寛げると下着をズラし、昂りを取り出した。
 升谷の痴態に煽られた昂りはしっかり芯を持った状態になっている。
 Tシャツの裾を口枷代わりに咥えると、ふーっと息を吐く。 
 新汰は片手で自身を扱きはじめた。
 本音を言えば升谷なんかでヌキたくなかった。
 この男は新汰にとって邪魔な存在で、排除したい存在。
 そんな相手をオカズにするなんて情けないし悔しくて仕方がない。
 だが、新汰の本能はこの男を犯せと激しく訴えてくる。
 あの小ぶりな尻を掴んで左右に開き、ぽっかりと開いた孔に肉棒を突き立てる。
 きっと升谷は新汰の荒々しい挿入に身悶えるだろう。
 しかし新汰は手加減などしない。
 升谷の腰を引き寄せると同時に自分の腰を押しつけ、奥の奥まで抉るのだ。
 ぐっぽりとハメこんだまま、新汰は巧みに腰を使い締めつけを堪能する。
 『は…あっ…ああっ』
 画面の中の升谷が切なげに腰をくねらせた。
 その升谷の動きに合わせて手を動かすと、まるで本当に挿れているかのように錯覚してくる。
 こんな倒錯的な行為に夢中になるなんて初めてだった。
 いや、二度目だ。
 この時、画面の中の新汰は兄に抱かれる夢を見ていた。
 今と同じように、升谷の痴態に煽られて升谷の立場に自分を重ねていた。
 なぜこんなにも心が掻き乱されるのかわからない。
 新汰は兄に抱かれることを望んでいるのか、それとも升谷を抱くことを望んでいるのか。
 確かなことは一つ。
 その間には必ず升谷糸史がいるということだ。
 
 
 
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