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第一章

第十五話 終わりの日

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国王による王妃及び第二王子殺害の事件ののち、フィー家ら三公を筆頭に、王家の変更要求が議会に提出された。

しかし現王ゼシウスは、それを一瞥して退ける。


「つまらん」


そして、反乱は起こった。

もはや王家に集まる不満は、抑えようがないほどに膨らんでいた。それはゼシウスにだけではなく、すでにこの世にいない王妃の散財による財政難からくる増税なども含まれていた。王家につくものはほとんどおらず、しかし長い歴史の中で切れない絆もあったのか、王家の為に剣を取るものたちも確かにいた。

それらを武で退け、ザルバロはゼシウスの前に立つ。


「ベレロフォーン家は、これで終わりだ」

「ザルバロか」

「私利私欲でしか動かない王は、もう必要ない」

「そうか、まあいい」


ゼシウスは、自分を討つものが来るのを玉座に座り待っていた。周りには、散々抱いた女たちの死体が転がっている。その中には、聖女ミアの姿もあった。


「……何か、言い残したことはあるか」

「……あれは……ジスは、どうしてる」

「もう、ここにはいない」

「そうか」


そういうと、ふっと笑んで血塗られた剣を構えザルバロに突進してきた。


「っ!!」


咄嗟に剣を構えるザルバロ。


ゼシウスは、自身の剣を交えることなく、ザルバロの剣に身を沈めた。



「ゼシウス王……」

「ああ……俺は、好き勝手やらせて、もらった……。先に行って、待っていると……ジス、に……」

「…………」


ずるりと崩れ落ちるゼシウス。


床に倒れ動かなくなった王に向けて、ザルバロはひと言「はい」と言葉を落とした。





ゼシウスは、王としては失格者だった。仕事は全て臣下に任せ、政治にはまるで関わってこなかった。

王家の役割は血を繋ぐことと思っていたので、子を成すことはしていた。豪胆な性格と容姿は女に好まれたので、それが仕事ならばまさに天職である。ゼシウスは、誰もが惹かれ体を差し出すほどに魅力的な男であった。


ただ、それだけだった……。




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