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4.クラフトって言ってみました。
しおりを挟む結論から言うと、昨日の『新品の木』の出どころはアイテムボックスでした。
夜になってステータスを再確認していたら、名称未設定のタブがあったことに気づいた。そこをタップしてみたら、中に何種類かの木材と石材が10個ずつあって、『ブナの木』が×9になっていたから多分これを使ったんだなって理解した。
おそらくアイテムボックス、なのだろうと思って名称未設定のところを『アイテムボックス』にしておいた。
それと、スキルを使うのにたぶんSPを使った。3万あったSP値が29998になっていたから。リメイクで2使ったようだ。
そうしていろいろと整理していて、もう少しスキルについて知りたくなったので、クラフトとカラーも使ってみることにした。
「部屋にはベッドと机と椅子はあるから、そうね。本棚を作ってみようかな。」
元の世界では、仕事用の参考書から漫画に小説まで、結構な量の本を持っていた。こちらの世界に本があるのか、読めるのか疑問だけど棚のひとつくらいあってもいいかな、と思って作ることにした。
「イメージは、この部屋のほかの家具と合うように、西洋アンティーク風? うん、それでいこう。」
私は、赤寄りのマホガニー材を使った本棚を基本に、飾りや戸棚もつけてイメージしていく。
「クラフト!」
-ボボボボボボォン
かざした手から木が現れて組み上がっていく。
時間にして10秒もかからずに完成した。
「うん、イメージ通り。わー、感動……!」
上手いこと出来上がった本棚は、上3段が本用の棚、下2段には戸をつけて物をしまえるようにした。色味も部屋に合っているし、いい感じに出来上がったと思う。家具の構造なんかも勉強していたことが役に立った。
「あとは、カラーか。」
といっても、この部屋には色を変えたい家具がない。どうしようかと思っていると、ふと思いついた。
「くつろげるソファが欲しい!」
カラーを試す試さない関係ないけど、こうやって考え事をするにもゆったりとソファに座って寛ぎながら考えたい。
さっそくクラフトしようとしたんだけど、木で作ったソファは……硬いだろう。石も……硬いだろう。
ふかふか素材を持っていない私は、硬い家具しか作れない。
一応ね、いちおうイメージしてみたんだけど、イメージしたソファの中でクラフトに必要な素材が足りないところが赤く点滅する。なんて便利機能。しかも、必要な素材が表示されている。
「オオドリのウブ毛、ブラックシープの毛、ポミスラの粘液、など?」
鳥の毛とか羊の毛とかわかるけど、粘液って何? ウォーターベッドみたいなイメージかな?
なんにしろ、どれも討伐推奨レベルが30以上だ。私はレベル22だけど、どう考えても能力値が戦闘向きではない。自分で取りに行くのは無理だろう。
「おかみさん、冒険者ギルドがあるって言ってたな。相談に行ってみようかな。」
ふかふかソファを夢見て、私は今日もパン屋を手伝う準備をした。
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