上 下
143 / 193
戦争編〜第二章〜

第143話 相棒だって喧嘩する

しおりを挟む

「そう、俺たちの出会いは井戸を覗き込んだらたまたま目が合ったところから始まる」
「ちょっと停止」

 今ちょっと回想入ろうとした所申し訳ないけど今脳みそがイメージすることを拒否したからちょっと待って。

「えっと、あぁ、なるほど、井戸を覗く、顔ぞ上げる、すると反対側の目と目ぞ合う」
「いや、井戸の中を覗き込んだら井戸の中にいたリックと目が合った」
「なにゆえ!?」

 言葉通り受け取るとイメージが大変なことになるからグレンさんの説明で起こりうる常識の範囲内に自己解釈したのに悪しき方の想像で解釈させてこないでください。

「多分、5歳位のことだった」

 そんなアグレッシブな5歳いてたまるか。

「俺が鎮魂の鐘の枢密院出身だって言うのは教えたよな」
「はい。ええっと、枢密院自体は世界共通憲法案──通称世界法ぞ制定、そして各国と各貴族の法律ぞ細かき所の監視役。法の番人、と言うされる諮問機関ですたね」

 世界規模で定められている法律がこの世界にはある。
 本当に最低限の法律ね。
 ただ、国の全員が世界法を知っているかと言うと否。その内容自体はそれなりの権力者にならないと知れない。貴族当主とか。

 私も実際世界法があるというのは知っている。
 ・鎮魂の鐘及び冒険者ギルドの名を騙る事
 ・身分を実際よりも高くする身分詐称
 ここら辺が関わったことある内容で、貴族わたし所か調べようと思えば庶民だって調べられる内容だろう。

 恐らくあといくつか私でも知らない世界法がある。

 ちなみに世界法に続き、国法と民法がある。クアドラード法と、ファルシュ法、みたいな感じ。
 多少の例外はあれど国法と民法は大体同じだ。国法に貴族向けの法律が混ざっているけど、国法と民法の違いはファルシュ領だと『各家に武装の所有を義務化』とかが有名だったりする。

「…………お前」
「何ですか?」
「なんで白華教とかに関しては無知なのに世界法どころか枢密院の諮問機関のこととか知ってるんだ?」
「一般常識程度しかご存知無いですけど」
「この世の一般常識は白華教の部分だけです!!」

 法の番人の枢密院の存在は知っていた。ただ、そこが鎮魂の鐘の系列だとは知らなかったんです。
 私! これでもまだ高等学部通ってないの! 通う前に常識さて置き言語という基礎的なところで引っかかってるから知識にちょっと偏りがあるの! 同学年と比べても問題はないだろう、ってフェヒ爺言ってたけど! ……エルフのガバ認定はちょっと期待出来ないですね。

「……まぁいい。多分お前のことを考えると頭痛くなる」

 グレンさん多分私の正体を気付ける要素は持ってるけどあえて気付かないようにしているよね。恐らく無意識。
 なんて言うんだろう、素直に私の誘導にも乗ってくれる気がする。

「んで、枢密院は大陸にあるんだよ」
「大陸の何処か分からぬのですたっけ?」
「あ、それは総本山。総本山は世間と関わる必要ないから」

 えーっと、確か、天使様が降臨するんだっけ。私は堕天使という存在を知っているからまだ飲み込める情報だけど、多分カナエさんとかは飲み込みにくい情報だろうなぁ。転生と転移の違い。世界は非常にややこしいです。

「枢密院は大陸のシルクロ国にあるんだ。俺は生まれって意味でそこ出身」
「大陸に」

 世界地図はこの世界に存在しない。だから今暮らしているレーン島(人によっては大陸とも言う)の西側に巨大な大陸が存在している事と、大海原を挟んだ東に日本文化に近い文化を持つ島国があるという事くらいしか知らない。

 ま、隣のトリアングロならまだしも海を挟んだ他の国に出ることはないだろう。
 私、冒険者だけど冒険は好きじゃない。安全だと分かっている場所で保守的に暮らしたい。

「もうほとんど覚えてないけどシルクロにはめちゃくちゃでかい塔があって、そこが枢密院の本部。裏手に俺たちみたいな特殊な……まぁ死霊使いだけだと思うけど、こういう天使の加護のろい持ち一族がいるんだ。能力制御のためってやつかな」

 グレンさんは歩きながら説明を加える。
 説明が断定ではなく曖昧なのはグレンさんが随分前にそこを出たからなのだろう。

「俺の一族は元々魔力量が少ない。と言うよりは、常に視界に魔法を使ってるみたいな感じだと思ってたけど」
「それはちょっと違うみたきですけどね」
「あぁ。魔法が使えないトリアングロでも魂が視えるってことは、っと、魔法じゃないんだろうな」

 大きめの段差の階段を登る。
 まだまだ、道のりは半分くらいだ。

「俺の一族が魔法を使うには特殊な術で行使するしかない。枢密院には先生がいて、俺も先生に習ってた」
「ふぅ……。それがグレンさんの今の魔法ですぞね」
「俺は、幼いながらもぶっちゃけ魔法が好きだったな。だから先生が魔法大国と言われるクアドラードに行くって行った時について行ったんだ。それが俺が5歳の頃」

 やっぱりクアドラード王国って世界規模で見ても魔法に優れているんだ。
 この島、両極端だな。魔法排除国と魔法大国。そりゃ戦争も起きるよ。


「それでその時井戸で出会ったんだけど」

 ずるっ。
 ちょっと真剣なこと考えていたら井戸の中からこんにちはするリック(幼)さん側に脳内に戻ってきて階段からずり落ちかけた。命の危機だよね。

「何故?」
「未だに分からないな。あれほんとなんで井戸の中入ってたんだ」

 これリックさんが覚えてなければ迷宮入りしそうだな。

「それで俺は、そのまま島に居着くことになったんだ」
「え、何故?」
「……いやー。あのな、俺が辿り着いたのは……──21年前」
「あっ」

 21年前って言うと戦争の真っ只中で、翌年に停戦契約が結ばれたんだったね。

「俺はグリーン領の川よりのビス村の村長の所で待機、それで先生は王都に移動したんだけど、戦争が結構しっちゃかめっちゃかしてたみたいで」
「何故そんなタイミングで……」
「んー。外国だったから、としか。戦争があることも知らなかったし」

 クアドラード王国は自給自足できる土地だから国外との交流は少ない。というか魔法でなんでもやっちゃうから他国の文化や情報が入りにくいんだ。

 それは逆も言えて、海外にクアドラード王国の情報は伝わりにくいのかもしれない。

「そんで、折角魔法大国に来たんだからと村で交流深めたり、ダクアまで子供だけで遊びに行ってしこたま怒られたり。まァ、ちょっと迷惑かけたな」
「ちょっと?」
「つかの間の交流だと思ってたんだけど、中々先生が帰ってこない事に気付いて」

 グレンさんの先生がどんな用事で王都に行っていたのか分からないけど、他国の人間だから弟子を置いていくにしてもまぁ1年がいい所か。

「──それに気付いたのは上陸から5年後のことだった」
「遅きぃ!」

 遠い目をしていらっしゃる。遠くを見ても月が煌々と照らしているだけだぞ。

「そのまま村長の所で世話になって、未だに探しているんだけどほんとあの人どこ行ったんだ……」
「あー、つまるところグレンさんは保護者ぞ蒸発すた故に帰る手段ぞ無く、帰化すた、という事ですか」
「そう」

 はー、なるほど。
 それでグレンさんはリックさんと幼馴染だけど出身が違うのか。

「あのころのリックは大人顔負けの腕で熊とか狩ってたから、俺もその恩恵にはあやかったな」
「へぇ!」
「……まぁ、あいつ突っ走るタイプだから手綱は握らなきゃならなかったけど」

 苦笑いをしながらグレンさんがそう語る。

「……。俺は、あいつに救われたよ。何も知らなくて、常識も違う土地で。特に俺は親子とか家族とか、そういう形を知らなかったからさ。……底抜けに明るいバカがいて、本当に良かった」

 ポツリポツリと、グレンさんは言葉を零していく。リックさんに普段向けている態度は出来の悪い弟を叱る兄みたいな感じだけど、思い出話をしているグレンさんは気恥ずかしくも自慢の兄を自慢する弟みたいだ。

 ……いいなぁ。

「家族で、友達で、相棒・・?」
「ハハッ、そう見えるか?」

 嬉しそうに笑っていたけど、グレンさんはハッとなった。
 そのまま私を振り返る。

「どうしますた」
「あ、あー、いや、なんでもない」

 グレンさんはそのまま私の頭をぐしゃぐしゃと撫でると、再び前を向いて歩き始めた。

「……」
「…………」

 ザクザクと土を踏みしめる音が夏の夜に落とされる。
 無言が続く。

 グレンさんって、優しい人なんだよなぁ。

「私、そのつもりで言うしたわけじゃなきですよ」
「……はー。俺カッコ悪いな」

 グレンさんは私がアイボーを失ったことを知っている。
 捉え方によっては私が『こちらを気にせずに相棒自慢とはいいご身分ですね』と言っているようにも聞こえるだろう。

 羨ましいとか憧れとか、そういうのじゃないよ。
 こっちの事は気にしないで欲しい。

 気を使った、というのが子供わたしにバレてしまった。


「2人は、喧嘩ぞ経験あるですか?」
「……。しょっちゅうしてる。俺がリックを叱るとか怒るとか、そういうんじゃなくて。あっちもめちゃくちゃ怒る」
「んぇ」

 私の話題転換にグレンさんは言葉を探したけど見つからなかったのか乗ってきた。

「意見の衝突がな……。冒険者としての活動は命の危険もあるし、なんでも抱え込もうとするリックとやっぱり衝突するんだよ。俺は、まァ切り捨てるものは普通に切り捨てるから」

 ……ふぅん?
 リックさんならナハナハ笑って誤魔化しそうな気はある。あの人も他人と衝突することがあるんだ。
 それにグレンさんは喧嘩なんて疲れることしないと思っていた。優しいから叱ったりはするだろうけど。

「最終的にさー、俺が折れることが多いけど。仲直りっていうか、一区切り着いたらサシで飲みに行く」

 グレンさんはそう言って私の頭に手を置いた。

「……リィンも仲直りの方法考えとけよ」




 ==========




「なぁ、なんでいどのなか、いるんだ?」
「えーーーー! なーーにーー? きーこーえーなーいー!」
「なんで! いどの! なかに! いるんだ!」

「ひみつーーーー!」
「いじわるだ!」

「おまえ、だれだーーー?」
「おれ、ぐれん!! せんせ、と、きた!」
「そっかー! おれはりっく! ところでぐれん!」


「──おれをひきあげてくれ!」
「おまえばかなのかよ!」


しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~

白金ひよこ
恋愛
 熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!  しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!  物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

私はただ自由に空を飛びたいだけなのに!

hennmiasako
ファンタジー
異世界の田舎の孤児院でごく普通の平民の孤児の女の子として生きていたルリエラは、5歳のときに木から落ちて頭を打ち前世の記憶を見てしまった。 ルリエラの前世の彼女は日本人で、病弱でベッドから降りて自由に動き回る事すら出来ず、ただ窓の向こうの空ばかりの見ていた。そんな彼女の願いは「自由に空を飛びたい」だった。でも、魔法も超能力も無い世界ではそんな願いは叶わず、彼女は事故で転落死した。 魔法も超能力も無い世界だけど、それに似た「理術」という不思議な能力が存在する世界。専門知識が必要だけど、前世の彼女の記憶を使って、独学で「理術」を使い、空を自由に飛ぶ夢を叶えようと人知れず努力することにしたルリエラ。 ただの個人的な趣味として空を自由に飛びたいだけなのに、なぜかいろいろと問題が発生して、なかなか自由に空を飛べない主人公が空を自由に飛ぶためにいろいろがんばるお話です。

処理中です...