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第229話 何故だ
しおりを挟む「クソッ、また間違えた!!」
「うわぁー、この二つ、味が似すぎだよ!!!」
「・・・・・早く終わらせてくれ。」
「次こそ、当たりますかね?」
対決が開始してから三回戦目を終え、互いに一度も銘柄を当てられない状況が続いていた。
その様子を、俺とセンチネルさんは画面共有で観れていないのにも関わらず、何らかの反応を返さないといけない為、中々の苦行を強いられている。
〈つまらんwww〉
〈余裕なんじゃ無いのかよww〉
〈誰か終わらせてくれww〉
〈次は、センチネルと奈落も参加してくれないか?www〉
〈さっきは奈落が終われせてくれてたからwww〉
〈画面変わらないの終わってるだろwww〉
〈誰だよこのゲーム考えて来たのwwwあ、目の前に居たわ〉
〈えー、このゲーム中に私は、三本もタバコを吸いました〉
またまた、これまでと同じようにゲームを始めようとしていた為、俺の方から一度提案してみることにした。
「あのー、このままじゃ埒が明かない気がするので、タバコの数を三つにしてみませんか?視聴者も、そろそろ次のゲームが気になってるみたいなので。」
「・・・そうだな。そうした方が良いと思うぞ?このゲームで1時間消費したら、馬鹿らしいだろ?」
「うーん、そうしようかな!城東さんも、それでOK?」
「・・しょうがない、俺達が不甲斐ないせいだからな!!」
ラッキー、良い感じに上手く話が進んでくれた。
俺とセンチネルさんがこのゲームに参加出来たのなら、こうやってルールを変更しなくても良かったかもしれない。しかし、あれだけ自信満々に挑んだのにも関わらず、互いに三回もミスをしていれば、流石にルールを変更するしかないだろう。センチネルさんも、賛成しているようだしな。
まぁ、もしゲーム内容が、『あー、この二つの内のどちらかだと思うんだけど、どっちなんだろう?あー、ここは感覚を信じてこっちだ!!』とか『これとこの味は、吸い終わった後のスッキリ感が違う筈なんだが、目隠しをしてるから分かりずらいなぁ!!・・・運試しにするか!!』みたいな感じで、ちゃんと悩みに悩んで選んだうえで、失敗するのなら分かるけど、一回目から二人共、悩む時間が1分も経たない内に判断して、失敗を繰り返している為、観ている方からすると何も面白くない絵だ。
「それなら、五つの中で味が明らかに違う二つだけ抜いて、残った三つでやってみよう!!!」
「ほう、これなら簡単だな!!おい、ここで一回、先攻後攻交換しようぜ!!」
「良いね!!やっぱ、公平性に欠けてちゃ、漢じゃないよな!!」
「・・・いいから、早く終わらせてくれ。悪いが、決められてた配信時間の1時間を超えてまで、やるつもりは無いからな?」
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